新聞テレビはもちろん、ネット上でも「自民圧勝」「自民単独で3分の2以上」などの情報が飛び交っている。
驚きを通り越して、不思議でならない・・・
世論調査によると「他よりは良さそうだから」というのが自民支持の理由らしい。
確かに他の政党が頼りないのはわかるけど・・
いくらリーダーシップがあっても、悪い方向に持っていかれることは誰も望まないはず。
現政権がやってくれたことは、
近隣諸国との関係悪化、集団的自衛権の行使容認、秘密保護法など平和と自由の先行き不安、
経済の面でも良好なのは大企業だけ、実質賃金は下がり、ワーキングプアは増え、
生活保護受給者は過去最多となっている。
あの危険極まりない原発の再稼働と他国への輸出にも力を入れている。
どこが他の政権、政党よりもいいのか、さっぱりわからない。
と思いつつも、その思いを声に出して言うわけではない。
マララさんのように、外に向かって力強く声をあげるほどの熱意はない。
せいぜいブログでつぶやく程度・・
だから変わらないのだろう。
日本人は私のようにモノグサで臆病なタイプが多くて、変えようとするエネルギーが決定的に足りない。
この先、この国はどうなっていくのだろう・・
でも、中には、思い余って一歩を踏み出す人も出てきた。
5ヶ月ほど前に保育園の園長先生が書かれたメッセージを見つけた。
東京都稲城市にある「ひらお保育園」園長の田中雄二さん(62)が書かれたもの。
田中さんは、集団的自衛権の行使容認が閣議決定された7月1日に危機感を持ち、保育者としての思いを綴った。
「政治信条は人それぞれだし、自分の思いを押しつけるつもりはない。でも、子どもたちが他国の人を殺し、殺されるようなことはしてほしくない」
「私になにができるか 考えました そして ここにみなさんに 伝える言葉を 記すことにしました」と言う。
そのメッセージの全文をぜひ読んで欲しい。
寝ていては いけないのだと思う
黙っていては いけないのだと思う
あきらめては いけないのだと思う
昨日、安倍内閣は臨時閣議で 憲法の解釈を変えるという 途方もない手段で
日本の平和憲法の柱 「戦争の放棄」が変えられた
みなさん 知っていますか
2年前 自民党が政権に復帰した 総選挙の得票率を
わずかに24%
全国民の民意の四分の一 それで国会の議席 過半数を占めるという
小選挙区制度の不思議さ その不当さ
みなさん 知っていますか
第二次世界大戦の中で 日本軍として参戦した 兵隊240万人が死んだことを
そして 日本軍によって アジア全体で殺された人たちは2000万人ということを
なかでも 中国では 1000万人もの 多くの命が 奪われたことを
みなさん 知っていますか
戦争が終えた1945年の 日本の平均寿命を
男性23.9九歳 女性37.5歳 信じられない この年齢
そのもつ意味 そのもつ重み
1945年3月 東京下町への大空襲
8月6日 広島への 原爆の投下 8月9日 さらに 長崎へも…
累々(るいるい)として おびただしい 死者の叫び 命の訴え
けっして 取り戻すことのできない 命の代償 家族の無念さ
そして 戦争が終えた そして 憲法が産まれた
時の権力によって 時の政権によって 二度と再び 戦争が 起こされることがないように
事情や状況を問わず 外交問題の解決に 武力を行使することが けっしてないように
私たちの 日本国憲法が 産まれた
その後 67年間 朝鮮戦争でも ベトナム戦争でも 湾岸戦争でも
また イラク戦争でも アフガン戦争でも 日本が直接に 戦争を起こすことは なかった
日本が直接に 戦争に巻き込まれることは なかった
いま 寝ていてはいけないと思う
いま 黙っていてはいけないと思う
いま あきらめてはいけないと思う
子どもたちが そのまた子どもたちが
建物を くらしを 地域を破壊し ひとのいのちを 奪わないため
ひとにいのちを 奪われないため
くらしや文化 言葉や習慣は違っても
地球に住む さまざまな世界の人たちと ともに手をつないで生きるため
知っていますか
安倍総理大臣にも 小野寺防衛大臣にも 国務大臣には 憲法を擁護する 義務があることを
知っていますか
私たち 日本の国民には
二度と戦争を起こさないために 憲法を守り 育てる 不断の努力が 求められていることを
寝ていては いけないと思う
黙っていては いけないと思う
あきらめては いけないと思う
いま このときに
不戦の誓いのもと 憲法の骨格に 第九条「戦争放棄」を 明確にもつこの日本の国で
憲法改正の手続きも 議論も経ず 閣議で解釈の変更を 了承する形で
これまで67年間 現在の憲法下では法的にできないと すべての政権が公言していた 集団的自衛権
これを「解釈改憲」として 閣議で決定した「現政権」
この事態に 一人の保育者として 一人の日本人として 私になにができるか 考えました
そして ここにみなさんに 伝える言葉を 記すことにしました
子どもの命を守りはぐくむこと これを阻む 理不尽な動きには 学び 訴え 協同し 行動していく
このことを理念としてもつ 我が社会福祉法人「厚生館」の 職員として 施設長として
また これまで 多くの保護者と たくさんの子どもたちに
輝くいのちのすばらしさを 日々の中で 教えてもらった 一人の保育者として
あらためて訴えたい 伝えたい
憲法を守ろう いのちをはぐくもう
戦争につながる動きに ノーの行動を示そうと
7月2日 ひらお保育園 園長 田中雄二