海と森
2008-12-14 | 雑感
前回、最後にちょっとだけふれた畠山重篤さんってどういう方?というメールを頂きました。
私もつい最近知ったばかり。先月3日の「文化の日」でした。
佐世保で「森と海のシンポジウム」が開かれ、そのとき基調講演をなさった方です。
いきなり「僕は一介の漁師です」と自己紹介なさいました。
宮城県は気仙沼湾で、牡蠣やホタテの養殖をなさっています。
でも、それだけではありません。
気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山での植樹運動や、
その成果を著した「森は海の恋人」他の執筆活動、
全国各地での講演活動など幅広くご活躍です。
私は、畠山さんの訥々とした語りの中に、海や森の本当の豊かさを感じ、
なんだかわくわくしてきました。
でも畠山さんのお話には、時々科学的で専門的な内容もさりげなく散りばめられます。
高校生の頃から化学を不得意分野とする私にはちょっぴり消化不良でしたので、
その後彼の著書を3冊ほど読みました。
その中でも、子ども向けに書かれた絵本「カキじいさんとしげぼう」は、とてもわかりやすく
私にぴったりの本でしたので、今日は、その本の内容を短くご紹介したいと思います。
「しげぼう」は漁師のこどもです。
いつも海で遊んでいます。川と海がぶつかるところに大黒岩があって、
そこにがっちりとへばりついているカキのおじいさんと仲良しです。
カキじいさんは、しげぼうにいろんな話をしてくれました。
川から流れてくる水はとても栄養があって、それで植物プランクトンがいっぱい増えること、
その植物プランクトンをおなかいっぱい食べて、カキやアサリやホタテ君たちも元気いっぱい育つこと、特に春の雪解け水はとってもおいしいことなどなど。
数年後、そのカキじいさんはすっかり元気がなくなっていました。
この頃の川の水はくさくて、泥水や毒の入った水も流れてくるというのです。
きっと川の上の方で何かがおこっているにちがいない、様子を見てきてほしい
とカキじいさんはしげぼうに頼みました。
夏休みになると、しげぼうは山に住んでいる親戚のおじさんの家に泊まりに行きました。
いとこのみちこちゃんは山のブナじいさんと仲良しです。
ブナじいさんの仲間が開発のためどんどん切られさびしくなったと涙ぐみました。
おじさんは、ブナの木がどうして「森のお母さん」と呼ばれるのか教えてくれました。
ブナの木はたくさんのおいしい実をつけ、鳥や動物に食料を与えるだけでなく、秋になると
何十万枚もの葉っぱを落とし、それを土の中の虫が食べて養分たっぷりの土ができるんだよ。
そして降った雨がその栄養分をとかして、やがて川に流れ、海に流れ、
その川の水が田んぼの稲も育てているんだよ。
そうすると、山の動物だけでなく、お米を食べる人間も、海にすむ魚介類もみんなブナという森のお母さんのお世話になっているんだ!
しげぼうは家に帰るとそのことをカキじいさんとお父さんに話しました。
カキの生育が悪くて悩んでいたお父さんは、山のおじさんと何やら相談をはじめました。
そして、早春のある日、お父さんとしげぼうは漁師仲間とともに山へ登りました。
トラックいっぱいにブナの苗木とクワやシャベルを積みこんで。
はげ山になった地面に、大漁旗が翻り、漁師さんが慣れない手つきで苗木を植えていきました。
山の人たちもおじさんと一緒に手伝いにきてくれました。
こうして毎年春になると、漁師さんと山の人が木を植えるのを見て、不思議に思っていた街の人も手伝ってくれるようになりました。
年ごとに森はふくらみ、川の水もどんどん変化してゆきました。
しげぼうが久しぶりに会ったカキじいさんはとても元気で嬉しそうです。
大黒岩のまわりの干潟にはゴカイやアサリやアナジャコがいて、
空にはカモメやミサゴ、カルガモ、カワセミが、
海の中にはアマモやホンダワラなどの海藻がゆれ、
メバルやウミタナゴなどたくさんの種類の魚たちが泳いでいます。
豊かな命あふれる海の中から生き物たちの大合唱が聞こえてきます。
うるうるうる うるるるる
うるうるうる うるるるる
私もつい最近知ったばかり。先月3日の「文化の日」でした。
佐世保で「森と海のシンポジウム」が開かれ、そのとき基調講演をなさった方です。
いきなり「僕は一介の漁師です」と自己紹介なさいました。
宮城県は気仙沼湾で、牡蠣やホタテの養殖をなさっています。
でも、それだけではありません。
気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山での植樹運動や、
その成果を著した「森は海の恋人」他の執筆活動、
全国各地での講演活動など幅広くご活躍です。
私は、畠山さんの訥々とした語りの中に、海や森の本当の豊かさを感じ、
なんだかわくわくしてきました。
でも畠山さんのお話には、時々科学的で専門的な内容もさりげなく散りばめられます。
高校生の頃から化学を不得意分野とする私にはちょっぴり消化不良でしたので、
その後彼の著書を3冊ほど読みました。
その中でも、子ども向けに書かれた絵本「カキじいさんとしげぼう」は、とてもわかりやすく
私にぴったりの本でしたので、今日は、その本の内容を短くご紹介したいと思います。
「しげぼう」は漁師のこどもです。
いつも海で遊んでいます。川と海がぶつかるところに大黒岩があって、
そこにがっちりとへばりついているカキのおじいさんと仲良しです。
カキじいさんは、しげぼうにいろんな話をしてくれました。
川から流れてくる水はとても栄養があって、それで植物プランクトンがいっぱい増えること、
その植物プランクトンをおなかいっぱい食べて、カキやアサリやホタテ君たちも元気いっぱい育つこと、特に春の雪解け水はとってもおいしいことなどなど。
数年後、そのカキじいさんはすっかり元気がなくなっていました。
この頃の川の水はくさくて、泥水や毒の入った水も流れてくるというのです。
きっと川の上の方で何かがおこっているにちがいない、様子を見てきてほしい
とカキじいさんはしげぼうに頼みました。
夏休みになると、しげぼうは山に住んでいる親戚のおじさんの家に泊まりに行きました。
いとこのみちこちゃんは山のブナじいさんと仲良しです。
ブナじいさんの仲間が開発のためどんどん切られさびしくなったと涙ぐみました。
おじさんは、ブナの木がどうして「森のお母さん」と呼ばれるのか教えてくれました。
ブナの木はたくさんのおいしい実をつけ、鳥や動物に食料を与えるだけでなく、秋になると
何十万枚もの葉っぱを落とし、それを土の中の虫が食べて養分たっぷりの土ができるんだよ。
そして降った雨がその栄養分をとかして、やがて川に流れ、海に流れ、
その川の水が田んぼの稲も育てているんだよ。
そうすると、山の動物だけでなく、お米を食べる人間も、海にすむ魚介類もみんなブナという森のお母さんのお世話になっているんだ!
しげぼうは家に帰るとそのことをカキじいさんとお父さんに話しました。
カキの生育が悪くて悩んでいたお父さんは、山のおじさんと何やら相談をはじめました。
そして、早春のある日、お父さんとしげぼうは漁師仲間とともに山へ登りました。
トラックいっぱいにブナの苗木とクワやシャベルを積みこんで。
はげ山になった地面に、大漁旗が翻り、漁師さんが慣れない手つきで苗木を植えていきました。
山の人たちもおじさんと一緒に手伝いにきてくれました。
こうして毎年春になると、漁師さんと山の人が木を植えるのを見て、不思議に思っていた街の人も手伝ってくれるようになりました。
年ごとに森はふくらみ、川の水もどんどん変化してゆきました。
しげぼうが久しぶりに会ったカキじいさんはとても元気で嬉しそうです。
大黒岩のまわりの干潟にはゴカイやアサリやアナジャコがいて、
空にはカモメやミサゴ、カルガモ、カワセミが、
海の中にはアマモやホンダワラなどの海藻がゆれ、
メバルやウミタナゴなどたくさんの種類の魚たちが泳いでいます。
豊かな命あふれる海の中から生き物たちの大合唱が聞こえてきます。
うるうるうる うるるるる
うるうるうる うるるるる
mocciさんは八ヶ岳の麓でおいしい野菜を作って、自然の偉大さをすでにしっかり体感してるんですよね。
私なんか、講演を聞いたり本を読んだりしての、まだ知識でしかない段階だけど。。。
そうそう、この前いただいた小豆、とっても美味しかった。お赤飯にしていただきました。
来年はさらに野菜作りのレパートリーが増えることでしょう。
今度会った時は、体験者ならではのお話、いろいろ聞かせて下さいね。