「希望の牧場・ふくしま」のことを知ったのはちょうど2年前。
「ふくちゃん」という骨折した被ばく牛の新聞記事を見たのがきっかけ。
その時はじめて、警戒区域の中で、被ばくした牛たちを飼育し続ける牧場があることを知りました。
http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20120216
その後も、時々、「希望の牧場・ふくしま」のHPを覗いていましたが、
ふくちゃんが死んでしまってからは、だんだん遠ざかり、
最近はほとんど開いていなかった…
その「希望の牧場」の吉沢正巳さんが長崎にやってくる!お話が聴ける!
と知って、昨日聴きに行きました。
・3月11日、地震直後の浪江町の状況
・12日~15日すべての原発が爆発する様子
・17日、東京電力と国へ一人抗議に向かった経緯
・「牛より人間だろう!」と言われ、レスキュー計画実現せず
・戻った吉沢さんに社長は言った「牛を生かそう!」
・立ち入り禁止区域のバリケードをかいくぐって、餌を運ぶ日々
・5月、国は警戒区域内の家畜の殺処分を決めるが、吉沢さんたちは拒否
・高邑前衆院議員の計らいで立ち入り許可証を取得、本格的救助開始
・「希望の牧場・ふくしま」プロジェクト発足
そして現状について、よどみなく、力強く、
ときにはユーモアを交えて語ってくださいました。
なぜ被ばくした牛を助けるのか?
売り物にならないとわかっている牛をなぜ飼育し続けるのか?
それは、この牛たちが原発事故の生き証人だから。
放射能被害の貴重な科学的データを集積できる、
体内被曝の調査、生殖器官への影響など様々な研究の役に立つから。
そうおっしゃっていましたが、それ以前に、
きっと、理屈ではなく、ただそこにいる牛たちを助けたかった。
牛の命を見捨てられなかった。ベコ屋として。
それが本音ではないか・・・
この写真を示された時、そう思いました。
これは、牛舎につながれたまま死んでいった牛たちの写真です。
自分の子どものような牛たちを、こんな姿にだけはしたくなかった、
できなかったのではないか。
いま、事故の風化が始まっている。
風化させてはならない。
被曝牛を生かし続けることによって、忘れさせない。
国の罪を問い続け、闘い続けたいと吉沢さんは言います。
「希望の牧場」のサイトアドレスはこちらです。
http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/