
15日夜、ものすごい爆竹の音と共に、今年も精霊船が佐世保の街を運ばれていく。
パン!パンパンパン!!!
私にはどうしても鉄砲を撃ちあう音に聞こえて、
亡くなった方は、これで安らかに眠れるのだろうか…と、よけいな心配がよぎるけれど、
これが地域の慣習であり文化なのだから、
新米佐世保市民の私の感想は、ここだけの話にしておきましょう。
精霊船は、その年亡くなった方の御霊を乗せてお供え物と共に海に流すものですが、
今は海に流すことは禁止されています。
最近の船は、電飾などで華やかに飾らていますし、量も半端じゃありませんから。
だから、今では名切グランドと呼ばれる大きな広場に集められます。

ここでもすごい爆竹の音!
これが皆、精霊船。

大小いろんな船があります。


この小さな可愛い船には、パンダのぬいぐるみが。
亡くなったのは、こどもでしょうか…
こちらの船には犬の絵が。船の名前も「なな丸」。
愛犬「なな」は、きっと家族同様の存在だったのでしょう。

私にとって精霊流しは、長い間、あの名曲、さだまさしの『精霊流し』のイメージでした。
線香花火…
黙って舟のあとをついてゆきましょう…
静かに時間が通り過ぎます…
精霊流しがこんなに華やかで賑やかなものだとは思いませんでした。
しかし、そこから歩いて10分ほどの場所ではおこなわれていた「万灯籠流し」こそ、
『精霊流し』のイメージにぴったりの、静かで美しい光景でした。
佐世保川にかかるアルバカーキ橋の上にはたくさんの提灯が飾られ、
橋の下を静かに万灯篭が流れていきます。

街の灯りが川面に揺れて邪魔していますが、オレンジ色の点々に見えるのが灯籠の灯りです。

橋の上から川の上流を見ると・・・
右側は繁華街に沿った通りで、左手の窓灯りは総合病院の建物かな?

橋の上から下流を見ると、
灯籠のスタート地点が見えます。
なぜ下流から上流に向かって流れているのか・・そのわけは、今は上げ潮だから。
潮が満ちてくる時間帯だから、川の流れが海からの流れに押されているのです。
スタート地点に近づいてみました。
灯籠を持った市民が係の人に渡します。

係の人は合掌をして受け取り、隣の人に手渡します。


そうやって次々にリレーして、最後の人が、そっと川の水面に浮かべます。

流れに乗って灯篭は、ゆっくりゆっくり遠ざかっていきました。
佐世保川に沿って奥へ奥へ、住んでいた場所を目指すかのように。。
引き潮の時がくると、そこから海を目指すのでしょうか?
それとも…?