今日の毎日新聞東京版の記事を読んで、メルケルさんはすごいな~と思いました。
http://mainichi.jp/select/news/20130514ddm007030038000c.html
「メルケルの闘い」と題された連載の1回目の記事です。
福島の事故後、ドイツでは全ての原発からの撤退を決め、当事国日本の私たちを驚かせ、羨ましがらせたものですが、その決断をしたメルケル首相についてこのように書かれていました。(要旨)
その時欧州理事会に出席していたメルケル首相の携帯電話に1本のSMSが入った。
ベルリンの首相府からで、「日本で大地震発生」とあった。
『関係者によると、首相はその後、周囲が声をかけても気付かないほど夢中でインターネットにかじりつき、情報を集め続けた。』
翌12日、政権幹部と対応を協議したが、外相は原発停止案に反対。
電力業界トップに意見を聞いたが、業界側は回答を避けた。
その後、今後の選挙への影響を気にする閣僚から原発を止めるべきとの意見相次ぐ。
15日、首相は「国内17基のうち老朽原発7基を停止」と決断、
6月には、22年までの全原発停止が連邦議会で承認された。
実は、シュレーダー前政権が「20年ごろまでの脱原発」を法制化していたのに、
それを「40年ごろまで稼働延長」に変更したのは、メルケル首相自身だった。
このため再度の方針転換には困惑の声もあった。
しかし、あえて首相は決断した。それは、
『あり得ないことがあり得る。
それをフクシマから学び、私は従来の意見を変えた。
(事故の)映像が脳裏から離れない』
と当時の心境を5月の会見で明かした。
メルケル首相は、現実から目をそらさない。
自分の目でしっかりと見つめ、理解する。
そんな方だと思います。
そしてその時、それまでの自分の認識が間違っていたら、それを認め、認識を変える。
その勇気を持っている。
認識が新たになれば、政策も変わる。
それを恐れない。
それがとても大事だと思います。
間違いだったと気づいた時点で率直に認め、新たな対応を考える。
政治家も、国民も、それができなければ、未来はとても暗いものになりそうです。
この国の政治家は、なかなかそれができないようです。
原発事故の計り知れない被害を目の当たりにしても、まだ再稼働を考えているのですから、
いつまでたっても目処の立たないダム計画に囚われる政治家がたくさんいるのも当然か…