このごろ、金子みすずの歌を久しぶりに歌えるようになりました。
埼玉にいた頃は、毎月1回、新宿の歌声喫茶「ともしび」で、「みすず歌う会」の楽しい時を過ごしていました。
おとなにも感動を与える深い思いを、こどもにもわかるやさしい言葉で表現したみすずの詩。
その詩のすべてに曲を付けられた大西進先生ご自身の指導で、
より深くみすずの世界に親しむことができました。
いま、毎月1回、再び金子みすずの歌を歌っています。
昨年、「日本のうたごえ祭典」に出場した佐世保の「うたごえサークルふれんど」の仲間など、
まだ6人ほどの小さなグループです。
祭典に出場し、全国レベルからはあまりにも遠く隔たっている私たちの歌唱力をあらためて実感!
これじゃあアカン!月に1回くらいは練習せんば!と集まった仲間たち。
会場も先生もゲット。いざ練習となって、何歌う?
ってことになって、私が持っていた歌集から紹介したのが、「土と草」の歌でした。
母さん 知らぬ 草の子を
何千万の 草の子を
土はひとりで 育てます
草が青々 茂ったら
土は隠れてしまうのに
みすずの歌はこの日だけのつもりだったのに、すっかり気に入ってしまった皆さん。
次の練習日もみすずの歌!のリクエスト。
で、紹介したのは「積もった雪」です。
上の雪 寒かろな
冷たい月が 射していて
下の雪 重かろな
何百人も 乗せていて
中の雪 さみしかろな
空も地べたも 見えないで
この歌も、すっかりみんなのお気に入り!
もう今や、「みすず歌う会」になってしまったみたいで・・・
大西先生に伝えたら喜ばれるだろうなぁ・・
そんなことを思いながら、3回目の練習日は、「私と小鳥と鈴と」を歌いました。
今や小学校の教科書にも載っていて、こどもたちもよく知ってるようです。
愛知万博の時は、英語や中国語やいろんな言語で歌ったっけ・・
(すっかり忘れてしまったけど)
「みんな違って みんないい」
この言葉に救われた人はたくさんいると思う。 私もその一人。
最近ちょっと、スローモーな自分にイラついていたけれど、歌ってるうちに思い出しましたよ。
ノロマでもいいんだ。ノロマだからいいんだ。ゆっくり歩くから見えてくるものだってあるんだもの。。
私が両手を広げても
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のように
地べたを速くは走れない
私が体をゆすっても
きれいな音はでないけど
あのなる鈴は私のように
たくさんな歌は知らないよ。
鈴と小鳥と それから私
みんな違って みんないい
bonchiさんはとても理論派なので、意外でしたが、みすずの詩には、誰の心にもすーっと沁み込んで行く、そういう力があるのですよね。
数年前、ある刑事裁判の判決の時裁判長が被告人に紹介した詩があります。
それは、みすずの「木」という詩でした。
お花が散って 実が熟れて
その実が落ちて 葉が落ちて
それから芽が出て 花が咲く
そうして何べん まわったら
この木は ご用がすむかしら
サン・テグジュベリは『星の王子様』で,
「本当に大切なものは目に見えない。心の目で見なければならない。」と言っています
同感です。
見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ
と、みすずさんは言っていますね。
そして、星の王子様は、その見えないものが大切なんだって言っているんですよね。
全く同感!
私たちは文明の発達と引き換えに、その視力がだんだん衰えてきたように思います。