佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

またしても…

2014-07-29 | 佐世保・長崎

またしても起きてしまった女子同級生殺人事件。

こんな例をみない衝撃的な事件が、またしてもここ佐世保でおきてしまった。

あの大久保小事件から今年で10年。

学校現場では心の教育に力を入れてきた10年だったようだが、

その努力と熱意はなんだったのか?

と先生たちは頽れるような思いで、今、教壇に立っているだろう。

 

私は10年前は埼玉に住んでいたが、それでも、あの時のショックは忘れられない。

今年、初めて大久保小事件の全貌と遺族の思いを知って、あらためて考え込んでいた。

遺族が受けた心の深い傷を知れば知るほど、事件の闇が濃くなっていくようだった。

本棚から17年前の神戸連続殺人事件の犯人「酒鬼薔薇聖斗」の両親の手記、

『「少年A」この子を生んで…』を読んでいたところだった。

 

遺体を切断したり、「死に興味があった」「人を殺してみたかった」などの供述に共通点があり、

今回の犯人を「酒鬼薔薇聖斗」の女性版だとの見方をする人もいる。

 

17年前の酒鬼薔薇事件も、10年前の大久保小事件も、今回も、

時や場所の隔たりを超えて、凄惨な少年犯罪として私たちは連想してしまう。

 

同じ市内ということもあり、加害少女やその家族に関する話もいろいろ伝わってくる。

今は何もわからない。

親や家庭環境の所為にするのは容易い。

本人の異常気質、異常者扱いで済めば、もっと楽だが、

それではあまりにも無責任ではないか。

 

仮に家庭や本人に問題があっても、それだけが原因のすべてではないのだから。

海の向こうではガザでたくさんの子どもたちが殺されている。

その写真がネット上で公開されていたが、手足が千切れ頭がパックリ割れた子どもの遺体なども…

日本の少年少女たちもこのような映像を、大人以上に見ているだろう。

 

命が何よりも大事だと言葉では教えながら、

いざ戦争となれば、敵国人を殺すのは当然であり、その数が多いほど称えられる。

自衛の名のもとに、そんな戦争をする国に逆戻りしようとしている今、

佐世保の街には銃を担いだ自衛隊のパレードが毎年おこなわれている。

ひとたび大事故が起きれば、命も未来も傷つけてしまう原発を進めようとする政府。

 

こんな私たち大人社会の矛盾を、少年少女は大人が思う異常に敏感に感じ取っている。

理屈ではなく肌で感じ取っている。

自分たちの命が本当に大切に思われているのかどうか、言葉なんかには騙されない。

私は遠い昔、中学生の子どもたちと接していた時、それを痛感した。

 

被害女子生徒の未来を奪った責任の欠片は私たちにもある。

 

 

コメント
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