ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

聖週間の始まり

2005-03-22 01:25:35 | 異文化・風俗・習慣
昨日(3月20日)はパーム・サンデー(文字通りにはシュロの日曜日)で、スペインではセマナ・サンタ(聖週間)の初日に当たり、ペドロランド近辺の市や町でも、祭りの行列が見られた。

パーム・サンデーはイースター(復活祭、スペイン語ではパスクアと言うそうだ)の前の日曜日を指し、この日はイエス・キリストがエルサレムに入ったのを祝ってお祭りが行われる。キリストがエルサレムに到着すると、ユダヤ人たちはユダヤ人の王として、地面にシュロの葉を敷いて迎えたことから、この名前がついたそうだ。ペドロランドからそれほど遠くないエルチェという町には、ヨーロッパ最大のシュロ園があり、ここのパーム・サンデーの行列はたいへん有名だそうだ。

もっと近くのトーレビエッハというところでも、イギリス人を中心とした外国人が初めて行列に参加する、しかもそれが100人がかつぐ巨大な神輿ということで、今年の聖週間の行列が話題になっている。が、ここはあまりにも人が集まりすぎて、2時間前から通りで見物場所を確保しないといけないとか、駐車できる場所を探すのがたいへんという噂にめげたので、うちから車で15分ほどのピラール・デラ・オラダーダという小さな町に出かけることにした。

この日は、マンティーリャの行列というのが行われることになっており、これから1週間さまざまの行列が行われる。地元の新聞の情報によると、月曜日はお休みで、火曜日は太鼓の行列、水曜日は行列(としか書いてない)、木曜日は沈黙の行列、金曜日は埋葬の行列というのが行われるそうだ。教会のステンドグラスは字の読めない、教育の無い人たちに聖書の話を理解してもらうために作られたということだが、聖週間の行列も、町の大通りを舞台として、聖書の話を物語るパフォーマンスということもできるのだろう。

夜7時からということだったが、ピラールに着いたのは7時半近かった。車の通りは少なく、大通りを歩く人影もまばらだ。果たして本当に行列はあるのかと心配になったが、大通りから入った小路をちらりと見やると人だかりがしている。そちらに歩きはじめると、太鼓の音が聞こえ始めた。

まず先頭に十字架を持った男性が歩き、その後に写真の3人の少女が町の名前の入った旗を掲げて歩く。その後に、鼓笛隊が続く。

ルーバーブクランブル

2005-03-22 01:04:06 | 食べ物
昨日(3月20日)は、近くの町に住む親戚(夫の弟の奥さんの両親ということになる)がやって来て、「ロンドナー」というイギリスのパブにサンデー・ランチを食べに行った。前菜のトマトスープはパス。これはかなりどろりとしていて、腹にたまるので、デザートに余力を残しておくための戦略である。今日のメインコースは、ローストビーフ、ローストポーク、ローストチキン(これはなぜかスペイン風にチキン半分)で、わたしはローストビーフをいただく。本日のデザートは、アップルクランブルかルーバーブクランブルで、アイスクリーム添えか生クリーム添えのどちらか。生クリームというと、濃厚なダブルクリームがとろりとかかって出てくるのを想像するイギリス人はスペインではがっかりすることになる。スペインで生クリームというと、スプレー缶に入ったホイップクリーム(空気がたくさん入っていてとても軽い)で、ボタンを押すと、絞り口で絞ったようなぎざぎざ模様のホイップクリームが出てくる仕組みが多い。だいたい、スーパーでもロングライフのクリームしか見たことがないのだが、本物の生クリームってスペインにはあるのだろうか?北の酪農地帯に行けば見られるのかな。

写真はルーバーブクランブル。わたしはアイスクリーム添えを注文したのだが、これは邪道。カスタード(ソース)が伝統的だ。前日配達がなかったということで、店でカスタードを切らせていたこともあるのだが、ここのバニラアイスクリームはなかなかおいしいので、アイスクリームにしたのだ。ちょっと中身が見づらいが、赤いのがルーバーブ。これはかなり繊維質だった。あまりルーバーブの味はしなかったが(もっとも、ルーバーブだけで食べたことがないので、ルーバーブそのものの味はよく知らない。ちょっと酸味があると想像しているのだが)、あまり甘すぎなくておしかったと思う。

竜田揚げ風?牛肉

2005-03-18 19:56:25 | 食べ物
見た目は竜田揚げ風なのだが、味は甘い。英語名は、クリスピー・ビーフ・カントニーズ・スタイル。というわけで、どうやら広東料理らしい。写真は3分の1ほど食べ終わったところなので、実際にはもっと盛りがいいです。

この店では点心料理も5~6品あって、このへんではちょっと珍しい。餃子もあったけど、ちょっと分量が多そうなので、代わりにシュウマイをとった。クリスピー・フライド・ヌードルというのも、ペドロランド近辺の中華料理店ではあまり見かけないので、固焼きそばを想定して注文してみた。ところが、現われたのは太麺を一塊まるごと揚げたものだった。やっぱり固焼きそばは、細い麺のほうがおいしいと思う。汁っぽいソースがかかっていて、あんかけの乗った固焼きそばを想像していたわたしの予想は見事に外れた。6品とワイン1本、コーヒー2杯で、36ユーロ(約5千円)だった。この店はほかよりちょっと高めだし、アラカルトで注文するとさらに高めになる。わたしたちがよく行くペドロランド近くの店では、2人用のセットが6品・ワイン1本・コーヒーかプリンかアイスクリーム付きで、15ユーロ(2千円ちょっと)だ。メニュー・デル・ディア(定食)は、1人分、ワインハーフボトル付きで4ユーロ95センティモ(690円)。中華料理が人気があるのも無理は無い。

日本語見つけた

2005-03-18 18:46:11 | スペインの生活
昨日(3月17日)は夕方美容院に行った。これまでずっとイギリス人の訪問美容師・マンディーのお世話になっていたが、彼女が出張訪問をやめて、美容院を開店することになったので、今回初めて新しいお店に行ってみる。トーレビエッハという近くの町のちょうど外郭に当たる新興住宅地に位置する。建物自体がまだできたてで、美容院のほかにはアイリッシュ・パブしか開店していなかった。近々、イギリス食料品店と眼鏡屋と持ち帰り専門のピザ屋がオープンするそうである。隣のアイリッシュ・パブは、セント・パトリックス・デー(アイルランドの守護聖人・聖パトリックの祭日)だと言うのに、がらがらであった。まだ新しいので、顧客が定着していないのだろう。セント・パトリックス・デーには、ギネスの名前入りのレプリカーン(アイルランドの妖精・ひげを生やしたおじさんであまり妖精らしくないが)帽をかぶった人たちやアイルランドの色である緑色の洋服を着た人たちがよく見られる。もっとも、この時間はまだ早くて、このアイリッシュ・パブでも、8時半からアイリッシュ・ダンスの余興が予定されていた。


カットを終えて、美容院の近くの中華料理店に食事に行く。トーレ・オリエンテ(東方城酒楼)という。スペインと中国の間には歴史的つながりはないと思うのだが、なぜかスペインには中華料理店が多い。ペドロランド近辺でも、石を投げると中華料理店に当たるほどだ。直径1キロ以内に少なくとも11軒はある。スペインの中華料理はかなり大味だと思う。イギリスの中華料理と比べて、中華野菜の種類も少ない。イギリスだと、田舎町のテイク・アウェイ専門店でも、くわいや袋茸くらいは標準仕様であるが、スペインではせいぜいもやしとしいたけと竹の子くらい。

テーブルに着くと、つきだしのプローン・クラッカー(えびせんべい)が出てくる。なんと皿には日本語で「おいしい」と書かれていた。プラスチックの皿だが、裏を見ると、メード・イン・タイワンとある。こんなところで、日本語を見かけるとは思わなかった。このへんの中華料理店で、日本料理も出すところは少なくない。2回ほど中華料理店で寿司を食べたことがあるが、1軒目はまあまあ。限られたネタでがんばっているなあという感じだったが、2軒目は寿司飯は甘いし、マグロは灰色で気味が悪かった。この店では、日本食は前菜の野菜の天ぷら(と言っても、たぶん中華風の衣なんだろうけど)と味噌汁(スペイン語メニューにはソパ・デ・ミソシル、英語メニューには、ミソシル・スープと書かれていた)だけであった。



Budge Day

2005-03-16 23:20:25 | イギリスの時事
ときどき今日はイギリスの2005年度の国家予算発表があった。その後、野党党首たちから予算に対するそれぞれの反応が国会で発表された。翌日には野党の影の大蔵大臣がそれぞれの予算案を発表することになる。このへんはさすがに年季の入った民主主義国家だなあと思う。なんでも与党に反対するだけが野党の役割ではない。もし自分たちが実際に政権を握ったら、現政権よりもよい予算案を提出することができるということを実際に示すいいチャンスであるし、国民にもそれぞれの党を比較する絶好の機会である。

予算に対する国民の関心は高い。それもそのはず、ほとんどが実際の自分の生活に影響するからだ。ガソリン税が値上がりしそうだという評判の高いときには、予算発表日の午前中には、ガソリンスタンドに長い車の列が見られる(今回は、石油価格がすでに高くなっていることから、ガソリン税の値上げは見送られた)。タバコ税は今晩6時から1箱につき7ペンス上がる。今頃、イギリスではタバコ屋に駆け込む愛煙家たちの姿が見られるかもしれない。今週の日曜日から、ビールは1パイントにつき1ペンス、ワインは1瓶当たり4ペンスの値上げである。

この予算を受け、相続税の課税対象金額が4月から275,000ポンド(約5500万円)まで引き上げられる。近年の住宅価格の高騰のおかげで、今までの金額では相続税の課税対象になってしまう家も多かったであろう。恩恵を受ける国民も少なくないかもしれない。住宅関連では、住宅購入時に支払う印紙税の課税対象が60,000ポンドからその倍の120,000ポンドに引き上げられた。これも、近年の住宅価格高騰を考慮したものだろう。

が、今回の予算で一番恩恵を受けるのは年金生活者だと言われている。住民税に対して200ポンド(約4万円)の払い戻しがあり、一律無料のバス乗車券を支給され(これまでは居住する地方自治体によって異なっていた)、冬には暖房手当200ポンド(80歳以上は300ポンド)を支給される。65歳になるのが待ち遠しいものだ(現在女性の国民年金支給開始年齢は60歳であるが、将来65歳に引き上げられることが決定している)。

わたしはイギリスで家を買う予定はないし、相続もしないだろうし、タバコも吸わなければ、それほど酒も飲まない。65歳以上でもないし、子供もいないので、今回の予算はほとんど関係がなかった。唯一関係がありそうなのが空港税だが、これは据え置きということで、個人的には全然関心のない予算であった。

バレンシアの火祭り

2005-03-15 23:38:13 | 異文化・風俗・習慣
バレンシアの火祭りが今日からクライマックスを迎える。毎日午後2時に爆竹を鳴らす、マスクレタという行事は3月1日から行われているが、11日だけは昨年のマドリード同時テロの犠牲者を慮って中止された。この日はスペイン各地で追悼行事が行われたようである。

今日からファヤと呼ばれる大規模な張子人形が設置され、祭り最終日の3月19日にこれらのファヤに火がつけられる。また、3月19日はサン・ホセの祭日、つまりキリストのお父さん聖ヨセフの日ということで、スペインでは父の日でもある(イギリスでは、日本と同じ6月の第3日曜日だ。ドイツでは確か全然違う日だった。去年、平日の何でもない日に、「今日は父の日」ということで、お向かいのヘルムートがほかのペドロランドドイツ人男性住民たちと飲みに行ったのを覚えている。いつだったか忘れてしまったが、またその日が来たらこのブログでご報告したい)。

今日から金曜日まで、バレンシアでは毎晩花火が打ち上げられるということだ。最大規模は金曜日の夜で、今年は世界一大きな花火といわれる、直径1メートル・重さ92キロの花火の打ち上げが予定されている。安全だということが証明されれば、という但し書き付きであるが。

火祭りで有名なのはバレンシア州の州都バレンシアであるが、その近辺の町でも同様の火祭りが行われる。残念ながら、ペドロランド近辺はバレンシア州ではありながら、バレンシア語も全く話されないバレンシア色の薄い地区である。というわけで、火祭りの習慣はないが、来週からはいよいよ復活祭の行事が始まる。今週末は復活祭(聖週間)の休暇を暖かい海辺のリゾート地で過ごそうというマドリード市民たちの大脱出が見られるだろう(この週の週明けの新聞には毎年、週末の交通事故死者の数が報道される)。

22年ぶりの厳冬

2005-03-10 18:16:39 | スペインの生活
先週の土曜日から晴天が続き、やっと天気が安定してきたというのに、風邪をひいてさえない生活を送っている。先週は、晴れたかと思うと、次の日は雨降りで寒く、その次の日は晴れて暖かいという調子であった。日によって10度近く違うこともあれば、昼と夜とでも10度以上温度差がある。同じ晴れた日でも、一歩日向から室内に入ると、これもまた10度以上の違い。そんなわけで、風邪をひくのも不思議はない。

今年はすでに4度目も寒波に襲われているということで、2月は、バレンシア州では22年ぶりの寒さだったと言う。アリカンテ市(ペドロランドの55キロ北)では、1956年以来の低温を記録したそうだ。さすがにこの近辺では雪は見られなかったが、ペドロランドより南のアルメリアなどでも、雪に封じ込められた地域もあるらしい。今日(3月10日)は、そんな寒かった冬も終わりかと思わせるようなぽかぽか陽気である。日向は暑いくらいだ。暖かさに誘われてか、今年初めてミツバチの姿も見られた。

陸揚げ

2005-03-05 00:48:52 | スペインの生活
残念ながら、昨日はマグロはなかった。マグロが獲れると、船に備え付けられたクレーンで陸に揚げる。前に夫がやはり漁船を見に行ったとき、同じ場所で日本人男性に会ったと言う。この人はここを拠点とする漁船を所有していて、マグロを日本やロンドンに輸出しているということだ。ちょうど、そのときはマグロが獲れて、魚の鮮度を量っているところだった。この日はこの人にもマグロにも会えなかったが。

漁船が着いた

2005-03-05 00:47:33 | スペインの生活
昨日(3月3日)は晴れて、気温も17度まで上がった。仕事も半日だったので、午後はスーパーで1週間分の食糧を買い込んだ後、マリーナに行く。ヨットハーバーの隣りには、漁船の着く岸がある。たくさんのかもめを従えて、漁船が港に戻ってきた。マグロ会社の大型トラックが岸に着いていたので、マグロの水揚げを見に行く。

イギリスの母の日

2005-03-04 18:43:40 | 異文化・風俗・習慣
日曜日(3月6日)は、イギリスでは母の日に当たる。イギリスの母の日("Mothering Sunday"、最近では"Mother's Day"という言い方のほうがよく使われているかも)は、キリスト教の四旬節の第4週目の日曜日と決められているので、復活祭の日に従って、年によって日が変わる。5月の第2日曜日という日本の母の日は、アメリカやイタリア・デンマーク・フィンランド・オーストラリア・トルコと同じだそうだ。アメリカでは、1907年から母の日を提唱し始めた女性の母親の命日にちなんで、この日に決められたと言う。

最近、イギリスのテレビコマーシャルではCDの宣伝が多い。母の日のプレゼントにどうぞというものだ。このほか、代表的なプレゼントとしては、花(カーネーションに限るという習慣はない)、チョコレート、シャンペンなど。そして、もちろんカード。この日は、17世紀の昔から、金持ちの家に勤める住み込みの召使たちも1日暇を取ることを許され、母親の家を訪ねたそうだが、母親の家を訪問し、一緒に過ごす習慣は今も残っている。が、最近もっとも人気のある母の日の過ごし方は、お母さんをレストランに招待というものだろう。

おととしの母の日はイギリスで迎えたのだが、たまたまケント県の小さな村のパブへ食事をしに行ったら、楽器をかかえた中年男性のグループが現われ、イギリスのフォークソングを披露してくれた。「大きな古時計」をみんなで合唱したりして、とても楽しいひとときを過ごしたが、このように、母の日は特別メニューや余興を用意するパブやレストランも少なくない。