ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

起業するならイギリス、引退するならフランス

2006-01-27 23:44:08 | イギリスの時事
先日、ケントのローカルニュースで、イギリスに移住するフランス人が増えてきたと報道していた。これまでは、圧倒的にフランスに移住するイギリス人が多かったのに対して、やっと輸出超過が是正され始めてきたということである。

イギリスに移住したフランス人の目的は起業。ビジネスを起こすのに、イギリスは最適だと、若いフランス人女性が流暢な英語で語っていた。ケント県内のパブを買い取ったフランス人男性が、一緒に厨房で働くフランス人シェフを募集したところ、フランス全土から600人もの応募があったと言う。

一方、フランスの安い住宅価格に惹かれて家族でフランスに移住したイギリス人男性が事業を始めようとしたが、許可が下りるまでが大仕事。とにかく、フランス人は書類が大好きである。申込用紙を申請するための用紙に記入しないといけないほどだ。夫が事業を始めることに同意しているという手紙をお役所宛てに妻が書かなくてはならなかったそうである。とうとう、この男性、地元の役所の前に赤い紙テープを体中に巻きつけて立ち(お役所主義を英語ではレッドテープと言う)、抗議行動に移したそうだが、果たしてフランスのお役人たちに理解してもらえただろうか?この番組では、もう一人、フランスに恋をして移住を決意した若いイギリス人女性を紹介していたが、彼女も職はなかなか見つからず、苦戦中のようだ。

この番組、最後に「引退するにはフランスは最高だが、起業を試みるならイギリスのほうがよい」と締めくくっていた。

休暇を過ごすのと実際に生活をするのではだいぶ違う。やはりイギリスのテレビ番組で、スペインに移住を試みる人々をカメラで追っている番組がある。みな最初は休暇で来て、のんびりとした生活スタイルが気に入り、あくせく働くイギリスの生活を捨てて、移住しようと決心するようだ。が、貯金のある年金生活者でもない限り、やはり働いて生計を立てないとならない。物価が安いだけすみやすいかもしれないが、賃金もイギリスより安いので、あまり事情は変わらない。やはり物質的に豊かな生活をしたいと思うなら、あくせく働くしかないのである。現実は厳しい。



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