貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

蕉雨閑情の一句!

2021-10-02 11:40:26 | 日記
令和3年10月2日(土)
 台風一過、野分して晴天、爽風!!!
 物干しの物も軽快に泳いでいるよう!!!
芭蕉野分して 
  盥に雨を 
      聞夜哉
 外では芭蕉の葉が暴風に吹き破られ、
内には屋根を漏る雨が盥に落ちて響く
のを聞く。そんな夜であることだ、
の意。
 延宝九年(1681)の作。
前書き「茅舎の感」。
「茅舎」・・・茅葺きの粗末な家。深川の芭蕉庵
を指す。
 八・七・五の二段構造からなり、
後に上五を「芭蕉野分」と改める(『三冊子』)
ものの、初案の字余りも一句に緊迫感を
もたらして効果的。
 種々の前書きが知られる中、
「老杜茅舎破風の歌あり。
坡翁ふたゝび此句を侘て屋漏の句を作る。
 其夜のをばせを葉にきゝて、独寝の草の戸」(
 禹(う)柳(りゆう)伊勢紀行)は、この句が
杜甫、蘇東坡らの詩句を意識しつつ、
成ったことを伝えている。
 漢詩題「蕉雨閑情」の発句版ともいうべき作で、
芭蕉庵の生活を過剰な演出で継承した句の
一つ。