貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

雪のひま?

2021-06-12 13:49:27 | 日記

雪のひま?

令和3年6月12日(土)

 今日は、猫と雪の句。

 猫山

山は猫 

  ねぶりでいくや 

      雪のひま

   雪解けを雪のひま。

 春になって、雪が溶け、

地肌が見える山を雪のひまという。

 名に猫とある通り、この山は

我が身を舐っていたのか、

まだらに雪が消えている。

  天和(てんな)三年以前の作。

 ねぶりて・・・猫は体をなめる習性が

あることによる。

 冬山という「山眠る」の意も掛けるか。

 ◎ 会津磐梯山の西の峰は

猫魔ヶ岳という。

 その名前の通り、

雪道を猫が歩いていたらしく、

雪上に猫の眠った跡が雪の隙間、

いや穴のように見出せる

というのだ。

 それは、猫の孤独の旅の跡であり、

可哀想なまた、幾分滑稽な姿を

描き出している。

 天和年間(1681~1684)の句である。

 土地の名前をすぐさま猫の雪景色に

利用するところに、

芭蕉の才気を感じる。


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