キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

蓮の里

2012-07-11 14:50:49 | 季節の花々
       

        秩父、武州日野駅の近くの荒川花ハス園。これからが見頃のようです

       

         どろのなかから はすがさく

         それをするのは はすじゃない。

                    金子みすゞ 『はすとにわとり』より

         ほんとに、こんな美しい花が泥の中から咲くのはどうして?

         でも、そんなこと、お花の知ったことじゃありません。

      

        ただただ、白にピンクに赤に、可愛らしく花開くお釈迦さまのお花です。

      

        蓮の地下茎は蓮根。その穴の開いた形もまた自然の妙。そしておいしい。

        

        その花ハス園の近くの道の駅に、何やら不思議なペットが。

        人なつっこいウリボウでした。のどかな秩父の山里です。
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身を削られる武甲山

2012-07-09 09:44:16 | 地球
       

        ここは秩父の羊山公園芝桜の丘。4月のシーズンには色とりどりの芝桜が

        見事な花の絨毯を織りなし、眼を見張るばかりでした。花に負けないほど

        の数の観光客もいて。でも今は人っ子ひとりいない緑の草原です。

       

        丘のむこうには武甲山が見えるはずなのですが、こんなふうにね。それも

        雨に煙って見えません。この武甲山、日本二百名山にも数えられる名山

        す。大和武尊が甲を奉納したのでこの名がついたのだとか。有名な秩父の

        夜祭りは、武甲山の男神様と秩父神社の女神様の年に一回の逢瀬を祝

        う祭りです。

        

        でもこの山、石灰岩質であるために、昔は漆喰の材料に、明治以降はセ

        メントの材料として、大規模に採掘され、北斜面は山姿が変貌するほど

        切り崩され、高さも変わってしまったとか。

        

        切り出しの現場あたりは、驚嘆するほどの建物設備群です。今もどんどん

        山が削られているのだと実感します。身を削られ続ける神の山武甲山。

        人間とは恐ろしいものです。
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雨の奥秩父で出会った花々

2012-07-08 11:24:31 | 季節の花々
        

        梅雨のこの時期、雨を覚悟で奥秩父へドライブに。寺坂棚田ほた

        るライトアップ祭りというのが夜にあるそうで、運が良ければと思っ

        たのですが、やっぱり雨。それでも雨に洗われた、きれいな緑の

        中森林浴してきました。ちょうど紫陽花以外あまり花のない時期と

        思っていたものの、そこここに可愛い花が。オイランソウや、

        

            ヒナゲシや、

          

            ノウゼンカズラや、

        

            ヘヴンリー・ブルーのアサガオや、

        

        これは珍しい緑色のバラだそうです。名前はまさにグリーン・ローズ。

        もうこれで満開ですって。バラの原種なのでしょうか、他の色のバラ

        のように、美しくはありませんが、どこか心に残る姿の花でした。
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道端の花

2012-07-05 14:15:02 | 季節の花々
          

          名前で損をしている花の一つが「どくだみ」でしょうか。ちょうど今頃

          白い十字のきれいな花が咲きます。十薬とも言われ、十種の薬効が
 
          ある薬草なのに、悪臭が災いしていますね。どくだみ茶もありますが。

          近所に大型スーパー「ライフ」がもうすぐ開店するのですが、その前

          の道沿いにびっしり生えていたのが、すっかり刈り取られてしまい

          ました。雑草(なんていう名前の植物はないと、前の天皇陛下はお

          っしゃったそうですが)の運命や、哀れ!でもこんな素敵な句の主

          人公になっている草でもあります。

               どくだみや真昼の闇に白十字       川端 茅舎
 
          

          「かたばみ」もまた、どこにでも咲いています。はびこっていると

          言ってもいいくらい。だから、こんな風に詠まれたりしています。

          かわいらしい花なのに。

               かたばみの花大足が踏んで過ぐ      河野 友人

           

          でも一番名前で損をしている草花は「おおいぬのふぐり」。実の形

          が犬の陰嚢(ふぐり)に似ているから、ついた名前なんですってね。

          どういうセンスをしていたんでしょうね、こんな名前をつけた人は。

          洋名は「ほしのひとみ」と言うんだそうです。次の句はその洋名の

          方からの連想ですね。きれいな句です。

               いぬふぐり星のまたたく如くなり     高浜 虚子
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ヴェネチアン・グラスのリング

2012-07-04 16:07:32 | 趣味
       

         ヴェネチアのムラーノ島で、ついつい買っちゃいました。ガラスのリング。

                    

         あっちのお店、こっちのお店と寄っていると、あれもこれも欲しくなって。

       

         カラフルで、色々なデザインのものがあって。そんなに値段も高くないし。

                    

         サイズを確かめないで買ってしまったので、ぶかぶかだったり、指に入ら

         なかったり。それでも嬉しくていまだに眺めて喜んでいます。興味のない人

         から見たら、なんだ、そんなものって思うでしょうね。蓼食う虫も好き好き。
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雨のあと

2012-07-03 21:27:25 | 季節の花々
         

               日かげの葉っぱは なきむしだ、

               ほろりほろりと ないている。

               日向の葉っぱはわらい出す、

               なみだのあとが もうかわく。

               日かげの葉っぱの なきむしに、

               たれか、ハンカチ かしてやれ。               
                                金子みすゞ『雨のあと』

         

               紫陽花や心移りは人もして      林翔

         

               紫陽花の藍を尽くして了りけり    安住 敦
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雨の日絵本

2012-07-02 14:23:57 | 季節
てるてるぼうず
おぐま こうじ
くもん出版

    雨が「ぽつぽつ」降ってきて、雷が「ぴかっ」、風が「ざわざわ」、雨が「ざーざー」、

    やがてやんで雨粒が「ぽつんぽつん」、お星様が「ぴかぴか」、朝になるとおひさま

    「ぽかぽか」、てるてるぼうずは、軒下で気持ちよさそうに「ゆらゆら」。

    どのページにも短い擬音語や擬態語とてるてるぼうずだけ。てるてるぼうずが雨に

    打たれたり、風に吹かれたりしているだけですが、そのシンプルさがいいんです。

    たまらなくかわいい絵本です。

あめふりくまのこ(雨の日の詩) (季節の詩の絵本)
こわせ たまみ,矢合 直彦
あすなろ書房


     "お山に雨がふりました あとからあとからふってきて ちょろちょろ小川ができました

     いたずらくまの子かけてきて そっとのぞいて見てました 魚がいるかと見てました

     なんにもいないとくまの子は お水を一口のみました おててですくってのみました

     それでもどこかにいるようで も一度のぞいて見てました 魚をまちまち見てました

     なかなかやまない雨でした 傘でもかぶっていましょうと 頭に葉っぱをのせました"

                           作詞:鶴見 正夫 作曲:湯山 昭

     

      大好きな童謡です。好奇心いっぱいの子ぐまが魚をいっしょうけんめい探してい

      る様子がとてもかわいい。雨の日が楽しくなる歌です。金子みすゞの詩やこんな

      童謡を声に出して読むと日本語っていいなと思います。優しくて、リズムがあって。

      楽天や商社など、英語を社内公用語化しているところもあるようですが、それって

      どうなんでしょうね? グローバル企業が競争に打ち勝つには必須ということでし

      ょうね。でも、イタリアに行って思ったのですが、彼らはほんとによく喋る。他愛

      もないことをリズミカルに。それって聴いていて気持ちがいい。もちろん同じアル

      ファベットを使う言語同士だから、英語を話すにも、日本人なんかより有利だし、

      外国人に対してはしゃべっていましたが。日本も公のところでも、もっと日本語を

      大事にして、話してもいいのでは?なんて思います。
    
Where Do They Go When It Rains?
Gerda Muller
Floris Books
雨がふったら、どこへいく? (児童図書館・絵本の部屋)
Gerda Muller,いとう なおこ
評論社

      日本の雨の日絵本を2冊あげましたが、翻訳物にもとても良いのがあります。 

      この『雨がふったら、どこへいく?』は絵が秀逸。ちょっと安野光雅を思わせ

      る細密な綺麗な色の絵です。町に住むマリオンとルークという男女の双子が、

      いとこに連れられて、田舎のおばあちゃんちの周りへ探検に出かけます。

      家畜や野原の虫や花や飛ぶ鳥や小川の魚や、色々なものに出会います。

      雨が降って来ました。雨の中の動物たちのようすが詳しく描かれています。

      双子は大喜び、水たまりをぴしゃぴしゃはねて、どろんこになって。やがて

      雨が止み、楽しい一日を過ごした双子は町へ帰って行きました。

      

      ちょっと科学絵本のような感じもありますが、双子も動物たちも虫や花も、

      とてもいきいき描かれていて、読んだ人はきっと近くの野原や川辺へ行き

      たくなるでしょう。そして、その時雨が降ってきても、ちょっと濡れてみたくな

      るでしょう。子供の目で見た自然の世界って万国共通。英語で書かれたも

      の(作者のゲルダ・ミューラーはオランダ人なので、元はオランダ語かもし

      れません)の日本語訳にもあまり違和感がありません。  
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たんぽぽ

2012-07-01 10:03:30 | 季節の花々
     
ほしとたんぽぽ
上野 紀子
JULA出版局


         青いお空のそこふかく、         ちってすがれたたんぽぽの、

         海の小石のそのように、         かわらのすきに、だァまって、

         夜がくるまでしずんでる、        春がくるまでかくれてる、

         昼のお星はめにみえぬ。         つよいその根はめにみえぬ。

         見えぬけれどもあるんだよ。       見えぬけれどもあるんだよ。

         見えぬものでもあるんだよ。       見えぬものでもあるんだよ。

                              金子みすゞ『星とたんぽぽ』 

            

         ネットのお悩み投書コーナーで、「生まれてくる子どもに義父母が"たんぽぽ"

         という名前を付けたがっている。自分は嫌なんだけどどうしよう」なんていう

         のがありました。いろんな悩みがあるものです。この金子みすゞさんの美し

         くも深い詩のように、たんぽぽってかわいらしく健気な花ですが、女の子の

         名前としてはどうでしょうね?ちょっと大きくなって"たんぽぽ"さんと呼ばれ

         るのはちょっとつらいかな。"さくら"とか"ゆり"とか"すみれ"とか"あおい"と

         かあるんだからいいじゃないと言われればそうですが、花の名前といっても

         "木瓜"とか"犬のふぐり"なんていうのは付けないだろうし。もっとも意味を

         調べないで、"ふぐり"なんてうっかり付けてしまうこともないとは限らない?

            
       
         今キラキラネームとかDQNネームとか言うのが話題になっています。読めない

         ような奇抜な名前や当て字の珍名のことです。以前わが子に"悪魔"くんなん

         てつけて話題になった人がいましたね。このごろはそんな比じゃない、判じ

         物のような名前の子もいるようです。無難に"百合"とか"小百合"なんてい

         いと思いますが。常識的だって言われそうだけど。  
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