キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

道端の花

2012-07-05 14:15:02 | 季節の花々
          

          名前で損をしている花の一つが「どくだみ」でしょうか。ちょうど今頃

          白い十字のきれいな花が咲きます。十薬とも言われ、十種の薬効が
 
          ある薬草なのに、悪臭が災いしていますね。どくだみ茶もありますが。

          近所に大型スーパー「ライフ」がもうすぐ開店するのですが、その前

          の道沿いにびっしり生えていたのが、すっかり刈り取られてしまい

          ました。雑草(なんていう名前の植物はないと、前の天皇陛下はお

          っしゃったそうですが)の運命や、哀れ!でもこんな素敵な句の主

          人公になっている草でもあります。

               どくだみや真昼の闇に白十字       川端 茅舎
 
          

          「かたばみ」もまた、どこにでも咲いています。はびこっていると

          言ってもいいくらい。だから、こんな風に詠まれたりしています。

          かわいらしい花なのに。

               かたばみの花大足が踏んで過ぐ      河野 友人

           

          でも一番名前で損をしている草花は「おおいぬのふぐり」。実の形

          が犬の陰嚢(ふぐり)に似ているから、ついた名前なんですってね。

          どういうセンスをしていたんでしょうね、こんな名前をつけた人は。

          洋名は「ほしのひとみ」と言うんだそうです。次の句はその洋名の

          方からの連想ですね。きれいな句です。

               いぬふぐり星のまたたく如くなり     高浜 虚子
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