キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

よくできた女(ひと)

2012-05-14 22:09:09 | 
           
Excellent Women (Virago Modern Classics)
Alexander McCall Smith
Virago Press Ltd
よくできた女(ひと) (文学シリーズ lettres)
芦津 かおり
みすず書房


      ジェーン・オースティンがお好きな人はわかると思いますが、別にたいした事件も起こ

      らないし、哲学的な深い内容があるわけでも、ミステリーがあるわでもなく、ただ男女

      が散歩したり、手紙のやりとりをしたりして、ぐだぐだしてるだけなのですが、何だか

      最後まで読んでしまい、しかも面白かったと思う。この『よくできた女』の作者バーバ

      ラ・ピムの小説もそうなんです。彼女は現代のジェーン・オースティンなんて言われ、

      その後、長い間時代後れだと、出版社に出版を断られ続け、つまり干されていたわけ

      ですが、最近、もっとも過小評価されている作家の第一位として取り上げられ、復活

      した作家です。

      教会に奉仕している中年女性の何ということもない日常が、一人称で描かれたお話

       なのですが、なんだかつるつる最後まで読んでしまいました。「よくできた女」とい

       うのは、かなり考えてしぼり出した訳でしょう。excellentを「よくできた」と訳すのは

       なかなかの技です。結婚し権力を振るわけでもなく、ある程度の距離をおいて牧師さ

       んの都合のよいように、教区を回していく、そんな女性陣のお話です。だから日本語

       の題名の「よくできた女」だと一人のように思われますが、実は複数の女たちです。

       牧師さんが魔性の女にひっかかって結婚しそうになったり、自分もちょっと不倫し

       そうになったり、ちょっとふらふらするのですが、結局一人が一番。人生ってこん

       ものかなって思わせるようなお話です。そうですねえ、こんな人生も悪くないかも。

          

秋の四重奏 (lettres)
Barbara Pym,小野寺 健
みすず書房


       バーバラ・ピムの代表作はこの『秋の四重奏』です。定年した四人の男女の日常生活

       を淡々と描いていますが、ちょっと毒気のあるユーモアを感じる面白い読み物です。
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アジサイ

2012-05-14 15:23:35 | 季節の花々
           

           「レディー・ガガが六本木のペットショップに現れて、犬をなでた」

           なんていうニュースをテレビで見ました。彼女、柴犬が好きで、

           「ヨーコ」という名前の柴犬を飼っているとか。うちで飼われている

           なっちゃんとは大違いの飼い主の所にいる柴ちゃん、どんな柴犬

           でしょう?黒柴、白柴、それとも なっちゃんみたいな茶色いの?

           いずれにしろ、その生活は大分違いそうです。

                

           娘が母の日のプレゼントにきれいな青いアジサイをくれました。

           息子夫婦のくれたマーガレットとアジサイで玄関が華やかです。

           

           アジサイは「藍色の集まり」という意味からきた言葉だそうです。

           漢字では紫陽花。だんだん色が変わるので「七変化」なんて呼

           ばれ方もします。このアジサイもテレビで見たレディー・ガガの

           髪の毛のように七色に変化していくでしょうか?楽しみです。
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母の日のマーガレット

2012-05-13 09:38:41 | 季節の花々
           

           母の日に、去年は赤いカーネーションを、今年はかわいいマーガ

           レットのトピアリー風鉢植えを、息子夫婦が贈ってくれました。

                

           母の日はどこの国にもあるようです。父の日は知りませんが

           お花を贈ることが多いようですが、日本はアメリカに倣って、カ

           ーネーションが一般的ですね。でも国によって様々なようです。

           ミニ薔薇や野の花や菊を贈る国もあるとか。マーガレットも和名

           を木春菊という菊の仲間です。

           

           でもほんとにかわいい花です。姿も名前も。ありがとう。
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”食いしん坊”でランチ

2012-05-11 10:55:40 | グルメ
          

          東京駅の横の東京ビル(今はTokiaという名前ですが)の"イル・ギオットーネ"

          というイタリアン・レストランで、久しぶりに翻訳の仲間とランチをいただきまし

          た。初鰹のカルパッチョ。鰹もこんな風にガラスのお皿にきれいに盛りつけら

          れたら本望でしょうという感じの前菜。おいしい。

          

          イル・ギオットーネはイタリア語で食いしん坊とか大食漢という意味。英語

          のgluttonと同じ意味です。この 2つの言葉にはどちらもクズリ(豹熊)とい

          う意味もあります。クズリってイタチ科のちょっと見、熊みたいな動物のよ

          うですが、よっぽど食いしん坊な動物なのでしょうか。この揚げた桜海老

          と菜の花のパスタ。すごくおいしかった。

          

          メインはチキンカツ。これもあっさりしたソースがいい感じ。

          

          デザートはブラマンジュとヨーグルトのジェラート。

          

          奇をてらわない正統派のイタリアンでした。贅沢なひとときでした。

          それにしても東京ってすごい街です。世界中の国の料理のレストランが

          数限りなくあります。しかも、平日なのにどこも結構お客が入っています。

          Gluttony(飽食)はキリスト教の七つの大罪の一つですが
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生花も造花も

2012-05-09 22:19:49 | 季節の花々
           

          どこのうちの庭にも、パンジーやマーガレットが色とりどりに群れて咲いて

          います。今が一番華やかな季節でしょうか。

         

          関係していたコーラスのグループが解散することになり、舞台で衣装に着

          けた様々なコサージュを思い出の縁にといただきました。どれも百円ショ

          ップで買った材料で作ったとは思えないすてきなコサージュです。しかも

          すべて八十歳をゆうに超えたおばあちゃまの手作り。不器用な私は感心

          するばかりです。

          

                       

          

                       

           赤いのは造花、ピンクのは生花、ちょっと見るとどちらがどちらか分から

           ないくらいです。
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南相馬

2012-05-08 15:34:05 | 天災
           

           去年の三月十一日から、もう一年と一ヶ月が経とうとしていますが、かつて

           人々の営みのあった場所の一部はまだこのように、何もない状態のまま、

           

           電柱もななめになったまま、

           

           あるいは廃棄物が積み上げられ、

           

           仮に建てられたような木の慰霊碑の向こうには、今は静かな海がひろがり、

           

           向こうの青い空の下の海から、高い高い波が押し寄せてき手、その上、目に

           見えない放射能の恐怖に襲われるなんて、悪い夢をみているとしか思えません。

           

           夫がゴールデンウィーク中瓦礫撤去のボランティアに参加した南相馬の春、

           今年も桜がきれいに咲いています。               
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こんがりキツネ色

2012-05-07 09:44:48 | グルメ
           

           さわやかな五月、我が家は食欲の春です。まあ、一年中そうですが。

           ホーム・ベーカリーを衝動買いしたので、ここのところせっせとパンを焼

           いています。自分でこねて、発酵させて、成形してという手順を、材料を

           放り込めば全部やってくれる、申し訳ないような手軽さで、しかもこんが

           りキツネ色の見事な出来上がり、そのおいしいこと!つい食べすぎてし

           まいます。

           

           インカの目覚めという種類のサツマイモのように甘いジャガイモをたくさ

           ん手に入れたので、ジャガイモ料理もよく作っています。このポテトグラ

           タンも、こんがりキツネ色。

           

           「ちょうどいい色合いだね」とほめられるなっちゃんの毛皮も、きれいなキ

           ツネ色です。なっちゃんもパンは大好物。でもこのところ太り気味で首輪

           がきつくなっています。飼い主ともども気をつけねばと思ってはいますが、

           

           こんなおいしそうなティラミスを見ると、がまんができません。これはキ

           ツネ色よりは濃い、まあ言えばオオカミ色ですが、娘の手作りの夢の

           ようにおいしいスイーツです。
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若葉の季節

2012-05-06 06:50:51 | 季節
          

          桜が散って、チュリーップもツツジもそろそろお終い、若葉のまぶしい季節です。

          ビージーズの『若葉の頃』(First of May)という素敵な歌がありましたね。

          まさにこの季節の歌です。クリスマスの頃にはあんなに仲よしだったのに、

          今若葉の季節になって、君は他の男の子に心を移してしまったというような、

          ほのかに切ない幼い恋の歌です。歌の中のYou don't ask the time of dayと

          いうフレーズがあります。「君はもう見向きもしてくれない」というような意味

          ですが、「君は時間を聞かない」と文字通りに訳して、英語の歌詞の誤訳

          の見本みたいになっているようです。

        

          それはともかく、昨日のこどもの日は抜けるような日本晴れの好天でした。

          

          紫のアヤメ(ショウブ、カキツバタ?)
        
          

          黄色いアヤメも咲き、

          

          ふるさとのアシの葉で包んだチマキをなつかしく思い出した一日でした。
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等覚院の躑躅

2012-05-01 10:01:02 | 季節の花々
         

         川崎市宮前区にある天台宗神木山等覚院。この辺りでは有名なツツジの名所

         です。歴史はそれほど古くない、こじんまりしたお寺ですが、仁王門が印象的。

         

         毎年楽しませてもらっています。これだけの花を咲かせるには、大変な手入

         れが要るようです。

         

         ツツジってほんとにいろんが色あります。さくらなんかのほんのりした感じとは

         違い、鮮やかすぎて、ちょっと好みに合わないと思われる人もいるでしょうね。

         

         純白のや、

         

         朱色のや。近くで見るとあまりの赤さにクラクラします。躑躅という難漢字

         にもちょっと頭がクラクラ。この漢字には「ためらう」という意味があって、あ

         まりの美しさに人の足を止める花という意味だそうです。いい名前ですね。
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