近江の海夕波千鳥汝が泣けば心もしほに古思ほゆ
万葉集巻三-二六六
柿本人麻呂が壬申の乱後、都が明日香に戻った後で荒廃した近江の都
を訪れて詠んだ歌だそうです。 悲しみが切々と胸に迫ってくるような
美しい歌です。天武側に滅ぼされた近江朝の大友皇子らへの鎮魂の歌
なのだとか。
近江は淡海、つまり淡水の琵琶湖のことですね。日本で一番
大きな湖ですから、一見海のようです。八月の末のある日、
堅田の湖のそばの宿で一泊しました。この堅田という地名も
絵の好きな人、特に日本画が好きな人には馴染みだと思いま
す。湖周辺の八大ビュースポットが近江八景と呼ばれ、その
うちこの地は「堅田の落雁」として有名です。特に歌川広重
の浮世絵は、どこかで目にしているでしょう。本当に美しい
夕景でした。
宿からすぐ湖に出られるので、朝まだ暑くならないうちに泳ぎ
ました。海水のようにべとべとしないので、いい気持ちです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます