キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

積み上げ歌と積み上げ話の楽しさ

2012-10-05 16:52:08 | 
これはジャックのたてたいえ (ほんやくえほん)
Simms Taback,木坂 涼
フレーベル館

        これはジャックが建てた家
        これはジャックが建てた家にある麦芽
        これはジャックが建てた家にある麦芽を食べたネズミ....

      マザーグースの「ジャックが建てた家」の最初の部分です。こんなふうに

      どんどんつながっていくのを「積み上げ歌」といいますね。

わたしの庭のバラの花
アーノルド ローベル,Arnold Lobel,Anita Lobel,松井 るり子
セーラー出版

        これはわたしの庭のバラの花
        これはわたしの庭のバラの花でねむるハチ、
        これはわたしの庭のバラの花でねむるハチ
        に日かげをつくっているすっとのびたタチアオイ...

      アーノルドとアニタ・ローベルの「わたしの庭のバラの花」も同じようにどんど

      ん庭の花が増えていって、最後は花々がページから溢れ出しそうになります。

これはのみのぴこ
和田 誠
サンリード

         これはのみのぴこの
         すんでいるねこのごえもんの
         しっぽふんずけたあきらくんの...

       谷川俊太郎・和田誠の「これはのみのぴこ」も同じようなゆかいな積み上げ歌です。

  
ハエをのみこんだおばあさん
Simms Taback,木坂 涼
フレーベル館
 

       これはハエを飲み込んだおばあさんの歌です。ハエを飲み込み、それを退治

       してもらおうとクモを飲み込み、鳥を飲み込み、最後には牛を飲み込みとい

       うナンセンスな童謡。可哀想なおばあさん、さすがに最後は死んじゃいます。

おなかのかわ (こどものともコレクション2009)
村山 知義
福音館書店

てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)
エウゲーニー・M・ラチョフ,うちだ りさこ
福音館書店


       韻を踏んだ歌だけでなく童話にも積み上げ話が沢山あります。昔話や民話

       などの多くが、部分的にせよ繰り返しでできています。たとえば、桃太郎

       だって、犬がきびだんごを欲しがって、次に猿がほしがって、次に雉子が

       というふうに。上の「おなかのかわ」なんてそれを最大限に利用した、荒

       唐無稽なお話ですが、子どもには大受けです。子どもは繰り返しが大好き。

       繰り返しのリズムがいいんでしょうね。

         おなかの空いたネコがオウムを食べて、おばあさんを食べて、それでも

         お腹が空いているので、馬方を食べて、馬を食べて、王様の行列がやっ

         てきたので、王様を食べて、お妃様を食べて、兵隊を食べて、象を食べ

         て、最後に蟹を食べたら、蟹がはさみで猫のお腹の皮をジョキジョキ。


         「てぶくろ」は有名な民話です。男の人が片っ方落とした手袋に、暖か

         そうだなとネズミが住み着き、カエルがリスが、ウサギがとどんどん住

         人が増えて最後はクマまで...。寒い日に読むと、ホカホカ温かい気持ち

         になります。常識も現実もとっぱらったところにある絵本の世界です。

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