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キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

京都大原三千院 わらべ地蔵さま

2018-05-29 10:00:23 | 季節
             

             「京都大原三千院、恋に疲れた女がひとり、、、」三千院と言えばこの歌

             「女ひとり」が思い浮かびます。言わずと知れた天台宗の名刹です。最澄

             が比叡山に建立したものが、のちにこの大原の地に移されたのだそうです。

             

                 

             

             紅葉の季節は殊の外美しく、観光ガイドにも秋の風景が載っていることが

             多いのですが、瑞々しい若葉の季節もまた格別です。

             

             ここにも大原菊が清楚に咲いていました。

             

             静かな木漏れ日の射す道を行くと、深い色の苔の庭のあちこちに

                  

                  わらべ地蔵さまが、

             

             

             

             

             

             

             

             苔の帽子を被ったわらべ地蔵さま、無邪気な童のようでもあり、あらゆ

             る経験をして、悟りを開いた老僧のようでもある、含蓄のあるお顔です。     
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京都大原 寂光院

2018-05-28 15:26:40 | 季節
             

             新緑の美しい静かな大原の寂光院近くの宿に一泊しました。

             

             すぐそばに清流の流れる雰囲気の良い民宿でした。

             宿泊客の半分が外国人。京都です!

             

             建礼門院の居所であったことで名高い寂光院は、そこから歩いて

             ニ、三分。おとなりさんと言ってもよい近さです。

                  

             寂光院は聖徳太子が建立されたという古い古い尼寺ですが、それより

             何より、平家物語の終章の舞台として有名なところです。

             

             平清盛の娘であり、安徳天皇の母として栄華を極めた後の建礼門院、平徳子が、

             その後一転、都を追われ、壇ノ浦で幼い息子安徳天皇と共に入水するのですが、

             自分だけが引き上げられて、京都に送還され、この大原の地で安徳天皇はじめ

             滅びた平氏の菩提を弔い余生を過ごしたという物語は、悲しくも劇的で、この

             地の静寂との対比に深い感慨を覚えすにいられません。

             

             

             京都とはいえ、比叡山麓の山深い里での生活は質素なものだったのでしょう。

             でも、ここは柴漬けの発祥の地だったり、建礼門院の御付きの阿波内侍が花

             や薪を頭に乗せて売り歩く大原女の元祖だったりと、魅力的なエピソードに

             もこと欠きません。

             

             しかしやはり最も感動的なのは、平家物語の「大原御幸」でしょう。

             建礼門院の夫高倉天皇の父親、つまり舅である後白河上皇がお忍び

             で会いに来られ、はじめは固辞していたものの、涙ながらの再会を

             果たしたという逸話です。

             

             一度焼失した本堂が、十七世紀の初め淀君により再建され、それがまた

             しても平成十二年に放火により焼失という、お寺自体も数奇な運命をた

             どっています。そんな栄枯盛衰など露知らぬげに、大原菊が今年も寂光

             院のお庭で可憐な花を咲かせています。      
             
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実光院の庭

2018-05-26 10:34:26 | 季節
              

              「京都大原三千院」という歌がありますが、大原は京都の北東郊外、静かな美し

              い所です。その三千院の近く、というか敷地内にあるこじんまりした実光院は、

              ほんとに魅力的でした。お茶をいただける広間から見るお庭の美しいこと。

              

              桜の頃も紅葉の頃も美しいでしょうが、目に染みるような新緑もまた格別。

              

              苔の上に青い紅葉の葉が落ちているのも風情があります。

              

              コアジサイが咲いていました。

              

              紫蘭の白い種類でしょうか、清楚です。

              

              湿った日影が好きなユキノシタ。故郷の裏庭にたくさん咲いていたのを

              思い出し、懐かしい気持ちになる花です。

              

              小さな池のほとりに、カキツバタ(アヤメ、ショウブ?)が咲いていました。

              

              ハスの葉の上に蛙。久しぶりに見ました。

              

              水生植物のコウホネ〈河骨)。写真では見たことがあったのですが、

              実物は初めて見ました。可憐。

                   

              入り口にある竹籠の一輪挿しに升麻の花でしょうか。簡素な美しさです。
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春眠暁を覚えず?

2018-04-28 10:24:36 | 季節
             

             春眠不覚暁 処処聞啼鳥 夜来雨声 花落知多少

             孟浩然のこの詩は、良く知られています。春暖かくなって気持よく、なかなか

             目が覚めないという意味でしょうか。以前はほんとにそうだと思っていたので

             すが、この頃は老人性早起き症で、やたら早く目が覚めます。早く寝るからで

             すけどね。それは私と同じ年ぐらいと思われるなっちゃんも同じ。5時前ぐらい

             から、早く起きろよと催促してきます。そうして、昼間はこの体たらく。それ

             にしても、気持ちよさそうにお昼寝していること。

              

             

             今年は、藤やモッコウバラが早々に散ってしまいましたが、ツツジが今満開。

             

              

             鈴蘭に撫子に、

             

             シャクナゲも。和名は石楠花ですが、英名はrhododendronとう長い名前です。

             

             これはニオイバンマツリ。蕃茉莉花とも。花の色が濃い紫から白に変わっ

             ていくきれいな花です。それでYesterday-Today-and Tomorrowなんていう英

             名もあるそうです。                 
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松尾寺

2018-04-03 10:58:27 | 季節
                

                日本書紀編纂で知られる舎人親王が創建したという奈良の松尾寺

                日本最古の厄除け寺だそうですが、三月の小雨の降る日訪れた時

                には車の厄除けに訪れている人数人がいるだけで、森閑としてい

                ました。木立の中にたたずむ三重塔がなんとも美しい。

                

                赤い鳥居がお山全体に延々続き、内外の観光客でごった返す伏見稲荷

                などと比べ、心休まる静けさです。どちらがどうというわけではあり

                ませんが、外国人の観光客向きでないのは確かです。

                

                

                

                と思っていたら、なかなか面白いお寺のようです。縁日は参詣客でに

                ぎわい、春にはお花畑に薔薇が咲き乱れ、夏には「小僧体験一休さん」

                というユニークなイベントを行っていて、小僧体験をする小学生の男

                の子たちで溢れかえるとか。二泊三日のかなり厳しい修行のようで、

                リタイアした子は無料、最後までがんばった子の費用は五千円だそう

                です。これを体験すると、子どもたちは家のありがたみが身に染みる

                とのこと。やんちゃな孫息子がもう少し大きくなったら、修行させた

                らいいかもね。

                

                帰り道、緑の中にしだれた桜が優美でした。

                

                苔に覆われた岩の間に小鳥が。保護色のような色合いでよく見ないと

                わかりません。ミソサザイですよと、教えられました。漢字で書くと

                鷦鷯。むずかしい。昔話にも出てくる、鳴き声がいいので知られるか

                わいい小鳥に見送られて松尾寺を後にしました。         
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春の南紀

2018-03-28 10:08:41 | 季節
              

              南紀とは紀伊の国のこと。紀伊半島の南半分くらいを言うのでしょうか。

              その先端の白浜の辺りはまさに南国、植生もかなりトロピカルです。そ

              して海は黒潮という名の通り、深い深い瑠璃色です。この紺碧の海の向

              こうにまだ見ぬ文明があるのだと、南方熊楠がアメリカへイギリスへと

              旅だったのでしょう。

              

              

              白浜の海に突き出た番所山公園の中に、南方熊楠記念館の新館があります。

              本館は生誕地の田辺市にありますが、この新館は規模も内容も充実してい

              ます。熊楠が生涯書き続けた膨大な資料に圧倒されます。まさに知の巨人。

              資料館近くの浜辺から名勝円月島や美しい海の風景が望めます。真昼だっ

              たのですが、逆光で、こんな幻想的な写真が撮れました。

              

              近くの串本町に、弘法大師と天邪鬼のユーモラスな伝説のある橋杭岩

              というの景勝があります。海の浸食で、岩がまるで橋の杭のように大

              小40もの岩が立ち並ぶ、面白い景観の場所です。ちょっとストーン

              ヘンジ風でもありますが、これは全くの自然の造形。

              

              そこから海岸沿いに北へ行くと、クジラ漁で有名な太地町があります。

              町立くじらの博物館前の捕鯨船とその前にある古式鯨取り漁師の像。

              

              歩道には色々な種類のクジラやイルカの絵のタイルが張られています。

              

              巨大なクジラの骨の複製。横にプールがあって、イルカショーが見られ

              ます。館内では、古式漁法、近代漁法の解説、舟や道具の展示などあり

              ます。クジラやイルカ漁に関しては賛否両論、確かに非常に残酷な側面

              もあり、ますます複雑な気持ちになりました。この博物館は、どんな意

              見にも偏らず、捕鯨のありのままを展示紹介しているのが好印象です。

              
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慈光院

2018-03-27 10:25:44 | 季節
                 

                 奈良市の南西、大和郡山市にある慈光院は、臨済宗の古刹で、

                 石州流茶道の祖、片桐石州が創建し、茶の湯の寺とも呼ばれ

                 る、簡素で静謐なお寺です。お庭とその向こうに広がる大和

                 平野の眺めは、いくら見ても飽きることがありません。

                 

                 

                 正面の門を入り、小雨に濡れる静かな小道を行くと

                 

                 檜皮葺の茨木門があります。これは片桐石州の出生地摂津茨木の

                 お城が取り壊されたとき、門だけを譲り受けて、移築したものだ

                 そうで、志賀直哉も愛したという趣のある門です。

                 

                 

                 

                 

                 

                 今は桜が美しい季節ですが、これが五月ともなると、ツツジの大刈込

                 が見事な花を見せてくれるようです。松も梅も桜も、土塀の先の先ま

                 で整然と美しく、さりげない形の蹲(つくばい)なども、禅寺らしい

                 凛としたたたずまいです。

                 

                 額縁窓から見る外の景色も、なんとも言えない風情があります。

                 

                 
 
                 入山料に含まれるお薄をいただいて、お蕎麦もいただきました。

                 材料は全て寺内で採れたものだそうです。優しい良いお味でした。

                 雨の日の昼下がり、心安らぐひとときを過ごしました。
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片っぽ手袋

2018-02-21 15:48:45 | 季節
          

          

          昨日は二十四節季の雨水でした。空から降るものが雪から雨に変わり、

          草木が芽吹くころだそうです。白梅、紅梅が満開です。

               

          藪の中に咲いていた白い可憐な椿を一枝手折ってきました。深い緑の

          葉がつややかです。

          

          先日「マツコの知らない世界」という番組で、道端に落ちている片手袋

          を研究分析している石井さんという方を紹介していました。変わった人

          もいるものだと思っていたのですが、なっちゃんとの散歩中、手袋が片っ

          ぽだけ落ちているのに出くわすことが本当に多いのに気づきました。

          

          多い時には三つも四つも。

          

          子どものやら大人のやら。なるほど、これはなかなかの研究対象です。

           

          塀の上に乗せられたり、ぶら下げられたり。一体どんな人が、どうして

          落としたのだろう?想像が広がります。手もとに残ったもう片一方、持

          ち主はどうするでしょうか。捨てるでしょうか。もうすぐ、手袋の要ら

          ない春がやってきますが。

               片方の落ちし手袋小鳥めく           野里ムツ 
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もうすぐ佐保姫さまが

2018-02-14 16:25:30 | 季節
             

             梅一輪一輪ほどの暖かさ              服部嵐雪

             紅梅は真っ盛りですが、朝はまだまだ冷たい風が身に沁みます。

             

             

             でもね、日差しの中にもう春が。春を探すように枯葉をクンクンする

             なっちゃん。

             

             フキノトウを見つけましたよ。

             

             普段いつも散歩の途中で見あげる丘の上の家々。明るい青空の下で

             陽気なイタリアっぽい感じさえします。

                

            いつも見かけるお地蔵さまも、赤いちゃんちゃんこと帽子を春に

            向けて新調してもらったようですね。

                

            春の精のような白いストックを花瓶にさしました。奈良市の東にあ

            る佐保山の女神さま、佐保姫は秋の龍田姫にたいして春の女神です。

            「霞の衣を織り、柳の糸を染め花を咲かせる」女神さま。美しいイ

            メージです。その佐保姫さまのお出まし、もうすぐでしょうか。

            佐保姫の路傍の花に寄り添ひぬ   岡本紗矢句集「向日葵の午後」より
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蓮花寺の豆まき、大賑わい

2018-02-08 11:55:58 | 季節
            

            我が家のすぐ近くにある真言宗のお寺、蓮花寺。お寺を形容するに

            は、ちょっとおかしな言葉ですが、勢いのある流行りのお寺です。
 
            新しい施設や像など見るたびに増えています。

            

            

            3日の節分には盛大な豆まき大会がありました。毎年やっている

            ようですが、今年初めて行ってみたら、ものすごい人出です。

            餅まきや豆まきって、どうしてあんなに興奮するんでしょうね。

            大人子ども入り乱れ、殺気を感じるほど。ちっちゃな豆の入った

            袋を一つキャッチしたって別にどうということもないのですが、

            みんな必死で奪い合います。豆の他にも、お餅、お菓子、カップ

            麺、タオル、アンパンなどかなり大量にいろんなものが蒔かれ

            ました。たいていは背の高い男の人に取られるのですが、私たち

            はそれでも結構いろいろなものをつかむというより、地面まで到

            達したおこぼれを拾いました。あの独特の興奮状態、昔田舎で結

            構頻繁にあったのお宮の境内での餅まきや棟上げ式の餅まきなど

            思い出しました。

            

            終わった後は、神社にお参りして帰りました。子どものころ、節分
 
            には、村中に「鬼は外、福は内」の大きな声が響き渡っていたこと

            を久しぶりに思い出しました。

            亡き父の声も響きて鬼は外  岡本紗矢句集「向日葵の午後」より
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