■恋のゆくえ [The Fabulous Baker Boys]
■1989年 アメリカ映画
■監督・脚本 … スティーヴ・クローブス
■音楽…………デイヴ・グルーシン
■出演
☆ミシェル・ファイファー(スージー)
☆ジェフ・ブリッジス(ジャック)
☆ボー・ブリッジス(フランク)
Yahoo!オークションで落札したDVD「恋のゆくえ」が届きました。
ビデオでは何度も観ている、ぼくの大好きな映画のひとつです。
今日はこのDVDを二度観ました。字幕で、そして吹き替えで。
で、再出ですが、今日はこの映画を取り上げてみたいと思います。
【ネタバレあります】
「破滅的な生き方」を認めるタイプです、ぼくは。
でも、それは、単にやりたい放題のムチャクチャな人生を送ることではなくて、安定した生活や平穏な日常よりも、自分の生き方を貫くことを優先させることだ、と自分では捉えています。
この映画は兄フランク(ボー・ブリッジス)と弟ジャック(ジェフ・ブリッジス)の売れないツイン・ピアノ・ユニットと、ボーカリストのスージー(ミシェル・ファイファー)の物語です。
大向こうを唸らせるような作品ではないかもしれないけれど、ぼくにとっては心にしみいるような、せつなくて渋い映画です。
左から B・ブリッジス、M・ファイファー、J・ブリッジス
兄フランクは、ミュージシャンという不安定な世界で生きていながら、安定を大切にするタイプ。だからつまらない仕事でも、契約した以上はきちんとこなしていき、温かい家庭を守っていくことに喜びをみいだしています。
ボー・ブリッジス
対照的な弟ジャックは寡黙ですが、ピアノの腕前は抜群。クールでハンサム、天才肌のピアニスト。女性にはモテるし、淡々と仕事をこなして、一見気ままな独身生活を楽しんでいるように見える。でも本当は同じアパートに住む孤独な女の子以外には誰にも心を開かない。実はやりたい音楽があるのだけれど、それを隠して意に沿わない音楽を演奏している。そしてそのギャップに内心苦しんでいる。
ジェフ・ブリッジス
この売れない二人が、局面打開のため、ユニットに歌手を加えることを決意します。オーディションの末、選ばれたのがミシェル・ファイファー演じるスージーです。気が強く、強烈な個性を持ってはいますが、内面には孤独感を隠している女性です。
ミシェル・ファイファー
で、このスージーがとても魅力的!
悪態のつき方ひとつ見ても頭の回転の速さが伺えますし、はっきりとした自分の人生観を持っているがゆえに自分で自分の非力さも痛感していて、そのためたくさん傷ついてきている、そんな女性です。
で、スージーの歌う歌がまたカワイイ。歌を通じて自分の内面を表現しようとしているような、そんな歌です。
映画の中では「More Than You Know」「Feelings」「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」などを歌ってくれてます。エンド・ロールでは「My Funny Valentine」も聴くことができます。なんと彼女は吹き替えなしで歌っているそうです。とても自然に歌っていて、心地良く耳に迫ってきます。一聴の価値はあると思いますよ。
売れないバンドマンの悲哀が感じられる映画ですが、ジャックの、「本当はジャズに没頭したい、けれど食べていくためには我慢してヒット・ナンバーも弾き続けなければならない」という葛藤が高じて、兄フランクと次第に対立してゆくようになる様子、せつないです。
そしてジャックとスージーの恋。反発を感じながらも実は似たもの同士なんでしょうね。自分の道を歩いて行こうとするスージーを見て自分が惨めに思えるジャックだけど、最後はジャック自身も自分の道を進もうとします。
この映画の音楽担当はデイブ・グルーシン。劇中では、「Prelude To A Kiss(キスへのプレリュード)」、「10Cents A Dime」、「Moonglow」、「Solitude」、「Makin' Whoopee」など、たくさんのジャズ・ナンバーが楽しめます。
ぼくはジャックの自分の人生に対する葛藤に一番惹かれました。
そして、なによりも、この映画の持つ雰囲気が好きです。これ、ジャズのもつ雰囲気を映像で表しているように思えるのです。
ラスト・シーンがとても印象に残ります。
ふたりはそのまま別れてしまうのかどうかは含みを持たせていますが、明るい陽射しの下で交わされる二人の会話、ぼくにはなんとなくハッピーエンドだと感じられるのです。二人が結ばれないにしても、お互い自分で自分の道を、前を向いて切り拓いてゆくことを暗示しているような気がするラスト・シーンだと思います。
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「ブローン・アウェイ」を先に見ていたので、最初はてっきりアクション俳優かと思ってました。
「恋のゆくえ」は味がある映画だと思います。機会があればぜひもう一度~(^^)
「恋のゆくえ」観たんですがもうストーリー忘れちゃいました。又 借りて観てみます。
ジェフ・ブリッジスは残念ながらヒット作に恵まれなかったですね。
あ、けいさんもこの映画好きですか。そうですよね、M.ファイファー、すごく魅力がありますよね~ あんな女性がそばにいたらきっとぼくの恋心も燃えさかるでしょう。
映画の挿入曲もジャズのスタンダードばかりだし、サウンドトラックもとてもイカした雰囲気を醸し出してましたね。さすがはデイヴ・グルーシン!
>ところで~
う~ん、ぼくはその映画観たことないです、たぶん。申し訳ない~
でも興味をそそられる粗筋ですね。観客に背を向けてしか演奏できないミュージシャン、という存在にはいろいろ想像力がかきたてられます。内に何かトラウマがあるのかな、とか、自分の内面深くに向かってプレイしているのかな、とか。けいさん、タイトルが分かったらぼくにも教えてね。(^^)
彼女の魅力がとてもよく出ていたと思います。そしてジャズの魅力もまたよく出ている映画だと思いました。大人な映画です♪
ところで MINAGIさんにお聞きしたいのですが、ミュージシャンを主人公にした映画で 彼は演奏が上手いのに 観客に背を向けてしか演奏できなくて最後はちゃんと観客に向き合って演奏できるようになるという映画が昔あったのですが、息子とふたりで見たらしく わたしはすっかり忘れていて 最近息子から映画のタイトルを聴かれてはたと頭を抱えています。あまりのもアバウトな質問ですが、もし何かヒントになるようなものを知っていたら 教えてくださいませんか?
いや、やっぱりぼくもひと年取ったから、今だとスージーは恋人というより、腹を割って話せるオンナ友達っていう関係の方がいいかな。
三角関係ですか・・・。とっても疲れますよね、精神的に。
・・・いや、ぼくじゃなくって友達が言ってたんですよ~(^^;)
まだ若い頃、こんな女性に憧れてました(笑)
でも三角関係は精神衛生上とっても良くないです・・・
・・・いや、ワタシは知らないですけどトモダチが言ってました
はい、これいい映画だと思いますよ(^^)
そうそう、切なくてホロ苦さが効いてて、それでもって人物描写が分かりやすかったりします。深みもあると思いますよ。
これも音楽、良いです。ジャズ調のBGMがよく画面に似合ってます。劇中で使用されるジャズ・ナンバーはスタンダードばかり。エンド・ロールで聴かれる「マイ・ファニー・バレンタイン」も雰囲気があって良いです~
この映画は、最初はレンタル・ショップで借りて観ましたよ。sunnkakuさん方面でもレンタルにあるといいですね。(^^)
「ゴースト」「シザーズ・ハンズ」「追憶」のような、どことなくファンタジーで、せつなさがあって深いものがかんじるような~ (また音楽もいいんですよ。)
最近見てないですね。
MINAGIさんお奨め映画はレンタルされてるでしょうか?
この映画は派手なところはないですが、音楽好きの方にはお勧めしたいです。Nobさんも機会があればぜひ一度!
無難な人生ですか。。。年を取るとだんだん保守的になって無難な道を選んでしまうんですよね(寂)。そうそう、時にはブラックリストに載ることも重要、、、なワケありませーん(笑)。こちらも機会がありましたらNobさんもぜひ体験を。(?)(^^)
やみつきにならないようにしなければ・・・(汗)
映画一本観ようと思ったら2時間は時間を空けなければならないんですよね。忙しい主婦なんかだと通して観るのは時間的にムズカシイんでしょうね。
そういえばぼくも最近映画を観ることがメッキリ減ってしまってます~
「マウンテン・ダンス」とか好きでした~♪
彼が音楽担当というだけで、センス良さそう。
こりゃ、観てみたいですね。
私の場合、映画も’70年代ばっかり観ていたんです。
時に、50、60年代・・・(汗)
そうそう、無難でしかない人生なんてつまらないですよ。
時にはブラックリストに載るような事も必要ですよね(笑)
あれってドキドキ~てしますよね
この映画は見た事がないです
映画も最近みてないなぁ
ぼくはこの映画でミシェル・ファイファーが好きになってしまいました。とても魅力的ですよね。
歌も堂々としていて、まさか本人が吹き替えなしで歌っているとは思わなかったです。女優だけあって、歌の表現力もさすがだな、と思いました。
この映画すきです、やはり
ミシェル・ファイファーが すき です