ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

人間国宝桂米朝とその時代

2017年03月19日 | 見る聴く感じるその他
【Live Information】


 人相のわるい噺家さんって、見たことがない。
 温和そうだったり、親しみのある顔だったり、気楽に声をかけられそうな顔だったり。(狂気をはらんだ表情、というのはあるかもしれません)
 長年、他人を笑わせる商売をしているからでしょうか。
 それとも、親しみのある顔をしているからこそ落語界の門を叩くようになるのでしょうか。


 
 
 
 3月12日の日曜に、兵庫県立歴史博物館へ行き、ちょうど催されていた「人間国宝桂米朝とその時代」を見ました。
 米朝師匠の落語界への多大な功績や、その芸の素晴らしさはもちろんですが、なかでも数々の写真で見られるその表情に強く惹きつけられました。
 月並みな言葉しか出てきませんが、なんて魅力があるんでしょう。
 もともと非常に容姿端麗なんですが、全てを芸に注いでいるのが見てとれるような、非常に迫力のある高座での写真を見ると、ため息まじりに「カッコいい!」としか言えません。
 また、高座での豊かな表情、とくになんともいえない笑顔を見ていると、なぜか涙が出そうになりました。どこか懐かしさを感じる笑顔でした。


 会場には、展示場のスタッフのひとりで、米朝師匠のご子息もいらっしゃいました。
 来場者に挨拶をしていたのですが、お父さまによく似た風貌だったので、すぐにわかりました。

 
 


 展示物の中には手書きの原稿がたくさん含まれていました。
 自分の人生は55歳で終わるものと思い、自分の仕事を後世に伝えるつもりで、原稿をたくさん書き残したそうです。
 その落語に賭けた思いにも感動です。


 米朝師匠が心に刻んでいたという、
 「芸人は、米一粒、釘一本もようつくらんくせに、酒が良えの悪いのと言うて、好きな芸をやって一生を送るもんやさかいに、むさぼってはいかん。ねうちは世間が決めてくれる。ただ一生懸命に芸をみがく以外に、世間へのおかえしの途はない。また、芸人になった以上、末路哀れは覚悟の上やで。」
 という言葉に、とてつもない重みを感じました。


 展示場内には、置かれてある付箋に感想を書けるコーナーがありました。
 ざっと見てみたのですが、各地からいろんな方が来場されていて、「米朝さんありがとう」のメッセージがたくさんありました。
 米朝師匠は、例えば通天閣とか、阪神タイガースなどと並ぶ、「関西の誇り」なんですね。


 



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