ルッジェーロ・レオンカヴァロ(Ruggiero Leoncaballo, 1858~1919)という作曲家がおりました。クラシック、それもオペラ好きの方ならご存じだと思います。
彼は有名な歌劇「道化師(Pagliacci)」を作曲したことで知られています。この歌劇は、1892年にトスカニーニの指揮によって初演されて大成功を博し、現在でもひんぱんに上演されている傑作です。
実は、「道化師」が入ったCD(昨年までCD化されてなかったみたい)を長年探していたのですが、やっと見つけることができました。
そしてそれを手に入れるために、生まれて初めてネットショッピング(ぼくは超アナログ人間なのです・・・)で注文してみたのです。
このふたつの出来事のおかげで、きょうはややテンションが上がり気味です。
さて、その探していた一枚とは、メイナード・ファーガスンというトランペッターのリーダー作、「プライマル・スクリーム」です。その中に収められた「パリアッチ」が、このレオンカヴァロ作の名曲をアレンジしたものなのです。
道化一座の座長が、昔の恋人とよりが戻ってしまった妻に激しい嫉妬を燃やします。偶然にもその出来事とそっくりな演目を演じることになりますが、その最中に憤激のあまり現実と芝居の区別がつかなくなり、妻とその愛人を舞台上で刺し殺してしまう、というのが歌劇「道化師」のあらすじです。
メイナード・ファーガスンという人は、ビッグ・バンド好きの方なら間違いなくほぼ100%ご存じなんじゃないでしょうか。空気をつんざくような大迫力のハイ・ノート(つまり高音ですね)がトレード・マークのトランペッターです。いやもうその迫力ときたら! なにせ、シンセサイザーと高音部で対等にバトルするくらいもの凄いんです!!初めて聴いた時はこれくらいビックリしました。
メイナード・ファーガスン
この情熱的で悲痛な曲と、ファーガスンの憂いを秘めた強烈なハイ・ノートが合体するのを聴くととどうなるか。
言うまでもなく、大興奮すること間違いなしです。
ファーガスンのアレンジは、ゆるやかなルバートの、哀愁を含んだトランペット・ソロで始まります。
イン・テンポからのギター・ソロ、テーマのメロディ、そして中間部のフルート・ソロでどんどん熱が上がります。
ファーガスンの吹くテーマで迎える最初の山場!
そしてクライマックス!!
転調後に炸裂するファーガスンの驚異的なハイ・ノート!!!
当時つき合ってたコに自信満々で聴かせると、
「刑事ドラマのテーマ曲みたいね~」と言われて、ちょいとガッカリしました。
が、よく考えるとドラマチックで高揚感があり、さらに哀愁を帯びた美メロであるからこその感想なのですね。
ちなみに1970年代以降活躍した名プロレスラーのボブ・バックランドは、この曲を入場テーマに使っておりましたね。
◆レオンカヴァロのパリアッチ/Pagliacci
■演奏
メイナード・ファーガソン/Maynard Ferguson
■発表
1976年
■作曲
ルッジェーロ・レオンカヴァロ/Ruggiero Leoncavallo
■編曲
ジェイ・チャッタウェイ/Jay Chattaway
■プロデュース
ボブ・ジェームス/Bob James
■録音メンバー
メイナード・ファーガソン/Maynard Ferguson (trumpet)
マーヴィン・スタン/Marvin Stamm (trumpet)
ジョン・ファディス/Jon Faddis (trumpet, flugelhorn)
バーニー・グロウ/Bernie Glow (trumpet, flugelhorn)
スタン・マーク/Stan Mark (trumpet, flugelhorn)
トニー・スタッド/Tony Studd (trombone)
デヴィッド・テイラー/David Taylor (bass-torombone)
デヴィッド・サンボーン/David Sanborn (alto-sax)
ジョー・ファレル/Joe Farrell (tenor-sax)
マーク・コルビー/Mark Colby (soprano-sax, tenor-sax)
ボビー・ミリテッロ/Bobby Militello (flute, baritone-sax)
ボブ・ジェームス/Bob James (piano, synthesizer, clavinet)
エリック・ゲイル/Eric Gale (guitar)
ジェフ・ミロノフ/Jeff Mironov (guitar)
ジェリー・フリードマン/Jerry Friedman (guitar)
ゲイリー・キング/Gary King (bass)
スティーヴ・ガッド/Steve Gadd (drums)
ラルフ・マクドナルド/Ralph MacDonald (percussions)
・・・etc
■収録アルバム
クロスオーバー・ファーガソン/Primal Scream (1976年)
Maynard Ferguson 『Pagliacci』 (from『Primal Scream』)
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ブログ、拝見させて頂きました。
ロシア盤というのがあるんですね~
値段もおトクだし、曲数も多いし、それに譜面付きなのがいいな~。ぼくも欲しいな~
ロシア盤のチェイスのベスト盤のCDを買いました。さっき、ブログに乗っけておきました。さっきまで仕事中でしたが、今は堪能しております。
「Pure Music」はまだ聴いたことがないんです。
チェイスの音源自体、地方都市に住む自分には手に入りにくいので、羨ましいです。
たしかにあのTp隊のテュッティ、聴くと燃えますよね~
すみません、レスいただきまして。さっき自分とこのブログにBill ChaseのLPの写真(笑)を載せておきました。某サイトに’Poseidon’のソロの部分の楽譜がpdfでアップされていたので印刷して事務所に飾ってあります。
しっかし、いいですよね、このアルバム...仕事しながら良く聴くのですが、燃えますねぇ(爆笑)。
いらっしゃいませ。はじめまして
>パリアッチは自分のテーマソング
この曲の文句なしのカッコよさ、その気持ち分かる気がします。
テーマだけでなく、ギター・ソロもフルート・ソロも大好きですし、後半の転調部分以降でまたゾクゾクさせられるんですよね。
チェイス、ぼくも大好きです。とくにファースト・アルバムは愛聴盤なのです。
この記事をアップされてからかなり月日が経過しているので、自分のレスには気がつかれないかもですが...。自分のファーガソンとか大好きでブログにも時折紹介しています。確かにいいですよねー。パリアッチは自分のテーマソングって勝手に思っていまして、よくコピーして演奏したものです(全然大したことありませんが)。自分お葬式にかけてほしいと思っています(笑)。そうそう、エリックミヤシロさんもよく聴きます。ビル・チェイスもいいですね。
いや、パソコンが深刻なトラブルに見舞われてしまいました。返信遅れてすみません…
そんなに生MF体験されているのですか…。いいなぁ……。
ファーガスンのツアーに参加したことのあるTpのMさん(この方も音の太いハイ・ノート・ヒッターです)と話してたらMFの話題になりまして。
「もうファーガスンのハイ・ノートはケタ外れだ!」と力をこめて言っておられました。
僕は幸運にも1981年、83年、88年~92年、98年の来日時に生ファーガソンを体験しました。
特に81年、83年は御大も絶好調でそのハイノートは例えるなら”角柱”の音でした。一直線で太っくて、耳がビリビリ鳴りました。
とんでもない!大歓迎です!
コメントも、どうぞどんどん書き込んでやって下さい。
>まさに壮絶
近頃、新聞のテレビ欄などではこの「壮絶」という形容が軽く使われてて、実際見たら「どのへんが壮絶?」と思ってしまうこと、しょっちゅうなんですが、
ファーガスンのハイ・ノート、掛け値なしの「壮絶」ですよね。そのFMの音、聴いてみたいです。
というか、一度でいいから生で聴いてみたい!!
はじめまして、いきなりの書き込みですみません。
私、Ferguson大好き人間で特にパリアッチの話題となったらついふらふらと書き込んでしまいました。
このパリアッチ、Fergusonが1977年に来日した際の演奏をFM音源で聴いた事がありますが、まさに壮絶!
Double High Eまで完璧に吹き上げてます!
まさに期待通りです!、水城さん
昨日ファーガスンのCDが届いた~。もうシアワセですぅ
あ~そーかい、そーかい
いつもありがとうございます
えるぴい!
レコード屋さんで買ったあと、行きつけの喫茶店でジャケットながめて、ライナー読みながらコーヒー飲むのが好きでした。CDとはそのへんの味わいがやはりちょっと違いますね~
「めーな」のラッパは爽快!
(ここで、"そうかい?"と合いの手が入ることを期待しています)
何年ぶりかで目にしました、その名前。
私もLP!を何枚か持ってましたよ。タイトル、忘れたけど。
あのころの情熱は、いまいったいどこへ……