ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

455年ぶりの七夕

2023年07月15日 | 自分のライブで

【Live Information】


 神様の前で演奏させていただく機会というのはそんなにあることではないのですが、今年の七夕(正確には7月8日)には、岡山市の北にある御津金川にある七曲神社の拝殿で演奏させていただきました。
 「七曲七夕みたま祭り」です。
 声をかけてくれたのは、以前ミュージカルの伴奏をした時にステージを共にして以来仲良くしてくださっている地元御津金川の女優・歌手の川上遥菜さん。
 「皆木さん、ピアノをお願いしてもいいでしょうか」
 ピ、ピアノ
 ぼくはベースがメインなのは知ってますよね、ミュージカルで一緒だったもんね
 そりゃ確かに多少は弾けますし、なんなら(どうしてもピアノが見つからない時限定で)弾きに行くこともありますが、歌の伴奏なんて・・・
 大丈夫かしら
 助けてくれるベースがいれば、という条件で引き受けてみたものの、誰かに頼ることばかり考えず、やっぱりまず自分がしっかり弾くことを考えねば。
 とりあえず頼れるベーシスト、ブンちゃんが「ハイハイやりたいやりたい」な感じで引き受けてくれて、まずは安心しました。


 ピアノのほか、「たなばたさま」のアレンジもしました。
 これは自分で言うのもアレですが、まあまあいい感じなんじゃない?、と自画自賛してみます 
 いやいや、そんなことより心配なのは天気です。
 6月下旬からずっと不安定な天気の岡山市。予報を見ると当日は傘マークなのです。
 でも、荒天でない限り雨でも決行するということなので、雨が降った時の準備だけはぬかりのないよう整えておきます。


 七曲神社はかつては七曲大明神と称されていて、もともと戦国武将松田氏の氏神だったのですが、長禄元年(1457年)に相模国(神奈川県)の七曲山から御津に移ってこられたそうです。
 550年前の文明5年(1473年)、松田元就が七曲大明神を金川城下に移しました。しかし松田氏は、455年前の永禄11年(1568年)7月7日に宇喜多氏によって滅ぼされてしまいます。それ以降御津金川の地では七夕が盛大に祝われることはなかったんだそうです。
 宇喜多家の治世では七曲大明神は顧みられることがありませんでしたが、江戸幕府が開かれた慶長8年(1603年)に日置忠俊が御津金川を賜ると、新たに築いた城の東に大明神を移して復活させ、手厚く保護しました。現在の地に移ったのは、寛文9年(1669年)のことです。
 七曲神社は今年で創建550年。この記念すべき年に七夕祭りを復活させようと、地元の方々や高校生たちが企画実行したのが、この「みたま祭り」だということです。


 当日は朝から空がどんより。
 湿度も高くて、いつ降り始めてもおかしくないくらい。
 搬入、リハーサルと、どうにか天気はもったんですが、18時くらいから本格的に降りだしました。
 ちょうど獅子舞が奉納されているときで、境内は一斉に傘の花が開きます。
 それにしても、昨今の気候ってやっぱりおかしい。
 ぼくが子供のころは、最高気温が33度の日なんてほぼ記憶になかったのに、今では普通に最高気温が35度を超えていたり。
 夕立のあとなんかはきれいな青空と涼やかな空気が気持ちよかったのに、今の夕立は雨があがってもサウナの中にいるように蒸し暑く、なんなら雨の降り方だって、あんなの夕立じゃなくて「スコール」です。
 現場に来ていた某学校の先生も、「東南アジアの気候そっくりですよ」と言ってました。
 ほんとうに危機感を覚えます。


     

     

     


 それにしても想像以上の人出で、たいへんな賑わいでした。
 金川の氏神様だけに、地元の方々にとても親しまれているんでしょうね。


 初めて「バンマス(バンドマスター=平たく言えばリーダーです)」を務める遥菜ちゃん、いろいろ気を遣わなければならないし、緊張もしていたと思うけど、本番が始まるとさすがです。
 落ち着いていたし、滑舌や発声がしっかりしているからMCの内容もしっかり伝わるし、なにより堂々とした歌いっぷりはステキでした。
 これからもっともっと地球レベルで伸びていってほしいなあと思いました。
 普段頑張っているからね、先がとっても楽しみです。


     

     

     


 本番前には三人で本殿に向かって挨拶しました。
 傘がないとあっという間にずぶ濡れになってしまうくらいの雨でしたが、たくさんの方が演奏の始まりを待ってくださっていました。
 ありがたいことです。
 ピアノは危なっかしかったですが、ブンちゃんのベースにしっかり支えてもらいました。
 まあ、いい雰囲気の演奏になったから、許して~
 最後はアンコールまでいただきました。
 雨が降ってはいましたが、「夜空」をキーワードに、思い立って「見上げてごらん夜の星を」をルバートで弾き、これをイントロに使った「上を向いて歩こう」を聴いていただきました。
 たくさんの拍手と歓声と笑顔、地元の歌姫・遥菜ちゃんが見事に盛り上げました


     

     

     

     

     
     

 演奏後は、ぼくは岡山市内のバーでまた演奏があるので、大急ぎで撤収して雨の中車を走らせましたが、なんだか「よくやった感」みたいなものを味わうことができました。
 ぼくもこの1~2年は本当にいろいろあって(ありすぎて)、まさに今が人生の「転換期」なのです。
 そういう時に神様の前で演奏させていただくなんて、これも何かの縁というか、前兆だと勝手に思っています。


      

       
      リハーサル(7月3日)のあと。三人とも絶好調 





      

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