ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

サイモン&ガーファンクル (Simon & Garfunkel)

2007年12月01日 | ミュージシャン
♪お気に入りアーティスト65


 今夜はサイモン&ガーファンクルの気分です。
 やらなきゃならないことが結構立て込んでいるし、ほかにもいろいろな理由が重なって、ふと気づくと精神的な余裕が少なくなっている。
 でもそういう時に彼らの歌声を聴いていると、雨雲に覆われているような今の重苦しい気分が不思議とおさまってくるんです。アコースティック・ギターの音色は苛立ちを静めてくれる。すがすがしいハーモニーは、まるで気持ちのよい秋空のようです。


 「明日に架ける橋」「ボクサー」「アイ・アム・ア・ロック」「早く家に帰りたい」「冬の散歩道」などがぼくのお気に入りの曲なんです。
 シンプルさと斬新さが同居しているサウンドと、美しいメロディは、心安らぐものがありますね。


 歌詞の良さも忘れてはならないと思います。人生や社会に対して疑問を投げかけているような内容のもの、結構目につきます。これらには強烈なメッセージが込められてはいますが、奥底にはさらりとした優しさが感じられるのです。


     
     「パセリ セージ ローズマリー アンド タイム」(1966年)


 愛や友情に絶望を感じて『ぼくは岩、ぼくは島。なぜなら岩は苦痛を感じないし、島は決して泣きはしないから』と歌った「アイ・アム・ア・ロック」。青春時代に襲われた疎外感や孤独感を思い出します。


 旅に明け暮れるシンガーが我が家を想って、『家、それは心の隠れ家。好きな音楽があり、愛する人が静かにぼくを待っていてくれる(早く家に帰りたい)』とつぶやきます。


     
     「ブックエンド」(1968年)


 何ものにもとらわれない自由な気持ち。人生っていいもんだね。『人生よ、君が好きだ。何もかもがグルーヴィーさ(59番街橋の歌)』


 冬の街角の景色と自分の生活を重ね合わせて描いた「冬の散歩道」。『自分の可能性を捜すうちに僕がどうなってしまったかをごらん。僕はなかなか満足しなかった。あたりを見回せば木の葉は茶色になり、空はどんよりした冬の影に霞んでいる』


     
     「明日に架ける橋」(1970年)


 生きることに疲れている時、暗闇に覆い包まれる時、僕が味方になり、身代わりになってあげよう。『荒れた海に架かる橋のように、僕はこの身を横たえよう(明日に架ける橋)』


 賑やかな場所は裏に疎外感が潜んでいたりします。おおぜいの人が行きかうところが必ずしも賑やかだとは限りませんよね。寂しさを抱えた人がたくさん集うことが、逆に孤独感を浮き彫りにさせていることもある、という気がします。例えば、そういう寂しさを優しい目で見つめているのが、サイモン&ガーファンクルの歌詞であり、曲である、と思うんです。




サイモン&ガーファンクル『ボクサー』 わりと最近の映像ですね。 


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コメント (18)
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