2、3年前の暮れだったと記憶していますが、
ポール・マッカートニーのライヴ映像が、深夜にテレビで放映されるというので、とっととスキーを切り上げて、その番組をとても楽しみに帰って来たことがあります。
ポールが来日公演を行った年じゃなかったかなぁ。
そして
翌日、開店時間とともに店に飛び込んで、このDVD買いました!
「何度でも見たくなる」作品です。
ドキュメンタリー・タッチで編集しているため、「ポールのライヴ」をリアルな雰囲気で味わうことができました。とくに観客席の様子にも重点を置いて撮影しているので、これがDVD映像にはかりしれない現実味と臨場感とを与えています。
「All My Loving」で涙ぐむ中年男性。「Jet」で大はしゃぎするミリタリー・ルックのロー・ティーンの女の子。「Let It Be」で感極まってしまった黒人青年。「Back In The U.S.S.R」で興奮する女性たちなどなど。
舞台裏の様子もふんだんに見ることができます。
ツアー・クルーのアット・ホームな雰囲気がとてもわかりやすく伝わってきます。
ツアー最終日、「The Long And Winding Road」のイントロが始まると同時にスタッフ達がハートのついたカードを一斉に掲げ、これを見たポールが思わず涙ぐんでしまう場面はちょっと感動ものです。胸が詰まって一瞬歌えなくなったポールを見たぼくは、恥ずかしいことに貰い泣き(ちょっとですよ)してしまう始末でした。
サウンド・チェックとして演奏される曲も収録されていますが、これがまた面白いのです。
「Hey Jude」のハード・ロック・ヴァージョンをはじめとして、メンバーの夫人やガールフレンドたちが思わず踊りだしてしまう「Matchbox」、「Coming Up」などは、本番さながらの迫力ですね。
客席でジャック・ニコルソンやトム・クルーズ、ジョン・キューザック、マイケル・ダグラスなどの面々が、ステージをたっぷり楽しんでいる姿を見ることもできます。
肝心の演奏シーンですが、一番印象に残っているのが、バンドのチームワークの良さと、パワフルかつ非常に洗練されている、技術的レベルの高さです。
といって、ポールに必要以上に規制されているわけではなくて、みんながとてもリラックスしつつ、自分のパートを完璧にこなしている、という感じでした。
「Maybe I'm Amazed」で、ドラマーのエイブ・ラボリエルのあまりのエキサイトぶりに、クールなキーボーディストのポール・ウィックスのテンションまでどんどん高まっていくさまは、見ていて微笑ましいですね。
「The End」のトリプル・ギター・バトルも強烈にホットです。
このツアーのバンドメンバーを紹介しておきましょう。
☆ポール・マッカートニー/Paul McCartney (vocal, bass, guitar, piano)
☆ポール・"ウィックス"・ウィッケンス/Paul "Wix" Wickens (keyboards)
☆ラスティ・アンダーソン/Rusty Anderson (guitar)
☆ブライアン・レイ/Brian Ray (guitar, bass)
☆エイブ・ラボリエル・ジュニア/Abe Laboriel Jr. (drums)
とにかくバンド、観客、スタッフすべてが心からショウを楽しんでいます。それも郷愁ではありません。ビートルズをリアルタイムで知らない30代以下の世代が非常に多く、これは年々「ビートルズ・ファン」が増えていることの裏づけにもなるでしょう。親子でファン、という家族も珍しくはないですからね。
見ているこちらまでがいつの間にか興奮している、とても楽しい一枚でした。
ところで、ドラマーのエイブ・ラボリエルJr.って、あの世界最高峰のベーシストのひとりであるエイブ・ラボリエルの息子なんですね。
アレサ・フランクリン。
言うまでもない、偉大なソウル・シンガーです。
でも最近の若い人たちには、
「『ブルース・ブラザーズ』に出ていた、迫力ある歌を歌う太ったオバサン」と言ったほうが分かりやすいのかな。
父は牧師、母はゴスペル・シンガー。
この出自も大きく影響しているのでしょう、アレサの歌には非常に濃いゴスペル・フィーリングがあふれています。
アレサは、「至上の愛」という、ゴスペルを歌ったライヴ・アルバムを発表していますが、そのアルバムなどは彼女の歌の持つゴスペル・フィ
ーリングやエネルギーの大きさ強さを充分に感じ取ることのできる、素晴らしい見本なのではないでしょうか。
アレサの感情表現豊かでダイナミックな歌声は、時に自分を奮い立たせてくれるほどです。
「チェイン・オブ・フールズ」や「愛する貴方を失くして」などに、そんなソウルフルなエネルギーが充満しているのが伺えます。
その反面、ひとりで泣きたい夜などは、「ピープル・ゲット・レディ」「ナチュラル・ウーマン」「エイント・ノー・ウェイ」などの持つ温もりとか、優しい力強さが心を慰めてくれる気がします。
ブルージーこのうえないのが、「グッド・トゥ・ミー」。この曲のリード・ギターは、なんとあのエリック・クラプトンなんですね。
1967年にラスカルズが大ヒットさせた名曲「グルーヴィン」も収録されています。やや淡々と、抑え気味に歌っているのがこれまた沁みるんだなあ。
CDをトレイに乗せると、アレサが強く優しく、しかも温かい歌声でぼくを満たしてくれます。
そして、その歌声と同時に、静かに夜の気配も味わっています。
語るのに言葉のいらない、大好きなアルバムです。
◆レディ・ソウル/Lady Soul
■歌
アレサ・フランクリン/Aretha Franklin
■リリース
1968年1月22日
■プロデュース
ジェリー・ウェクスラー/Jerry Wexler
■収録曲
[side A]
① チェイン・オブ・フールス/Chain of Fools (Don Covay) ☆アメリカ2位
② マネー・ウォント・チェンジ・ユー/Money Won't Change You (James Brown, Nat Jones)
③ ピープル・ゲット・レディ/People Get Ready (Curtis Mayfield)
④ ニキ・ホーキー/Niki Hoeky (Jim Ford, Lolly Vegas, Pat Vegas)
⑤ ナチュラル・ウーマン/(You Make Me Feel Like)A Natural Womas (Gerry Goffin, Carole King, Jerry Wexler) ☆アメリカ8位
[side B]
⑥ 愛する貴方を失くして/(Sweet Sweet Baby)Since You've Been Gone (Aretha Franklin, Ted White) ☆アメリカ5位
⑦ グッド・トゥ・ミー/Good to Me as I Am to You (Aretha Franklin, Ted White)
⑧ カム・バック・ベイビー/Come Back Baby (Walter Davis)
⑨ グルーヴィン/Groovin' (Felix Cavaliere, Eddie Brigati)
⑩ エイント・ノー・ウェイ/Ain't No Way (Carolyn Franklin) ☆アメリカ16位
☆=シングル・カット
■録音メンバー
アレサ・フランクリン/Aretha Franklin (lead-vocals, backing-vocals, piano①③⑥⑦⑧⑨⑩)
スプーナー・オールダム/Spooner Oldham (piano⑤, electric-piano①④⑥, organ③⑦⑧⑨)
ボビー・ウーマック/Bobby Womack (guitar②③④⑥⑧⑨)
エリック・クラプトン/Eric Clapton (guitar solo⑦)
ジョー・サウス/Joe South (guitar①②④⑨)
ジミー・ジョンソン/Jimmy Johnson (guitar①②④⑥⑧⑨)
トミー・コグビル/Tommy Cogbill (bass)
ロジャー・ホーキンス/Roger Hawkins (drums①②③④⑥⑦⑧⑨⑩)
ジーン・クリスマン/Gene Chrisman (drums⑤)
ウォーレン・スミス/Warren Smith (vibraphone⑩)
バーニー・グロウ/Bernie Glow (trumpet②③④⑥⑦⑧⑩)
ジョー・ニューマン/Joe Newman (trumpet②③④⑥⑦⑧⑩)
メルヴィン・ラスティ/Melvin Lastie (trumpet②③④⑥⑦⑧⑩)
トニー・スタッド/Tony Studd (trombone②③④⑥⑦⑧⑩)
キング・カーティス/King Curtis (tenor-sax②③④⑥⑦⑧⑩)
フランク・ウェス/Frank Wess (flute②③⑦⑨⑩, tenor-sax②③④⑥⑦⑧⑩)
セルドン・パウエル/Seldon Powell (flute⑨, tenor-sax②③④⑥⑦⑧⑩)
ヘイウッド・ヘンリー/Haywood Henry (baritone-sax②③④⑥⑦⑧⑩)
キャロリン・フランクリン/Carolyn Franklin (backing-vocals①②③④⑤⑥⑧⑨⑩)
アーマ・フランクリン/Erma Franklin (backing-vocals①⑤⑥)
シシー・ヒューストン/Cissy Houston (backing-vocals①⑤⑥)
エリー・グリーンウィッチ/Ellie Greenwich (backing-vocals①)
■チャート最高位
1968年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)2位、アメリカ(ビルボードR&Bアルバム)1位、イギリス25位
1968年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)13位
高校時代にジャズと関わるようになって早や幾星霜。演奏するようになってからでもかれこれ※十年は経ちました。
このジャズという奴、もともと好きになって演奏し始めたわけではなく、ある意味「関わりを持たざるを得なかった」というか、「仕方なくやり始めた」というか、少なくとも積極的に近寄ったわけではなかったんです。
それでも、楽しさ面白さが多少なりともわかってくるようになると、あれやこれやと手を出してみたくなるもんです。
当初は、いわゆる名盤ガイド、プレーヤーガイドなどの本を頼りにCDを買ったり借りたりしていました。
生まれて初めて買ったジャズのCDは、ウィントン・ケリーの「ケリー・ブルー」でした。理由は、「たまたま持っていたベースの教則本にそのアルバムに収められていた『朝日のごとくさわやかに』のベース・ラインが採譜されていたこと」と、「ただなんとなく」・・・。
これ、ハズしてたら単なる2500円のムダ遣いに終わっていたところです。
それはともかく、いろんなジャズ本を読んでいるうちに、いくら空っぽの頭でも気づくことがあります。
①なぜかどの本にもマイルス・デイヴィスというラッパ吹きが必ず登場している。(しかも崇めている)
②なぜかどの本にも「カインド・オブ・ブルー」というアルバムが必ず登場してい。(しかも奉っている)
さあ、にわかジャズ小僧としては手を出さずにはいられない。
すぐに買いに走るわけです。
そして家路を急ぎ、ジャケットから取り出すのももどかしくさっそく聴いてみる。
わからない。さっぱり。
まあ、当然といえば当然なんですね。
にわかジャズ小僧ごときにはテーマが分かりづらかったりするし、モーダルな演奏だからアドリブに入ると曲がどこに行ってるんだか見当もつかない。
当然、CDはさっさと棚に片づけられるわけです。
しかし友だち(とくにオンナのコ)が来たとき、『え~、ジャズとか聴いてるんだ~』と言ってもらえるように
、棚中央付近の目立つところに鎮座して頂きます。
で、数年後。
ライブをこなすことにも慣れ、いろんなスタイルのジャズも聴き、小生意気にもいっぱしのことを語るようにもなりました。
さあ、いよいよ再び「カインド・オブ・ブルー」を聴く時がやって来たぞ!
正直言って、このアルバムより好きなものはたくさんあります。けれど、
この静謐感はたまらない。
ビートが強烈な音楽、またはメロディーを口ずさめるような音楽を中心に聴いてきたぼくですが、なにかがツボに入ってくれたようです。
今では断言(エラソウに済みません…)できます。
やはり「名盤」と呼ばれることに恥じないアルバムだった、と。
◆カインド・オブ・ブルー/Kind Of Blue
■演奏
マイルス・デイヴィス・セクステット
■録音
1959年3月2日、1959年4月22日
■リリース
1959年8月17日
■プロデュース
アーヴィング・タウンゼント、テオ・マセロ/Irving Townsend, Teo Macero
■収録曲
Side-A
①ソー・ホワット/So What (Miles Davis)
②フレディ・フリーローダー/Freddie Freeloader (Miles Davis)
③ブルー・イン・グリーン/Blue In Green (Bill Evans, Miles Davis)
Side-B
④オール・ブルース/All Blues (Miles Davis)
⑤フラメンコ・スケッチ/Flamenco Sketches (Bill Evans, Miles Davis)
■録音メンバー
マイルス・デイヴィス/Miles Davis (trumpet)
キャノンボール・アダレイ/Cannonball Adderley (alto-sax ①~②、④~⑤)
ジョン・コルトレーン/John Coltrane (tenor-sax)
ビル・エヴァンス/Bill Evans (piano ①、③~⑤)
ウィントン・ケリー/Wynton Kelly (piano ②)
ポール・チェンバース/Paul Chambers (bass)
ジミー・コブ/Jimmy Cobb (drums)
例えばラジオをつけている時、かかった曲がなぜか気に入ってしまい(つまりハマって)、即座にレコード屋さんに買いに走ることってちょいちょいあることだと思うんですが。
いきなり話は飛びますが、「『レコード屋さん』じゃなくて、今は『CDショップ』なの」などと突っ込まれる時があります。クヤシイ~~~
しかし、レコードというのは「音を記録・録音した音盤」のことなんだから、「CDもレコードのうち。だからCD売ってるとこもレコード屋さんって言ってもいいのよ」と反論しても構わないと思いますね。「CDショップ」ってなんとなく、いまだに言いづらいんですよ。
さらについでに話は跳躍しますが、CDというシロモノが世に出回り始めた頃、友人Aに尋ねたことがあります。
「『CD』ってどーゆー意味?」
友人A「(得意げに)CD? コンパクト・デスクの略やん。知らんのか?」
コンパクト・デスク・・・
「小さい机」か。
で、飛んだと同じくらいの勢いで話が戻りますが、ぼくがラジオを聴くや否や猛スピードで買いに走ったものの内の一枚が、このボストン(Boston)というグループのデビュー・アルバム、「幻想飛行」です。
評論家風に言うと、『アコースティックな響きとディストーションのよく効いた伸びやかなギターサウンドの融合。さわやかでポップなメロディを特徴とする作品。スペイシーな雰囲気をも漂わせながらも、アメリカン・ロックの香りを持った驚異のサウンド』ってとこでしょうか。
いったん聴き始めると、そんな理屈もどこかへ消し飛んでしまいます。
爽快感あふれるギターが縦横無尽にロックしています。
緻密に積み重ねられたギター・サウンドとコーラス・ワークは重厚かつ爽やかで、アルバムの存在感を増しています。
メロディ・ラインはポップですが、近未来的なイメージを醸し出す音作りは驚異を持ってリスナーに迎え入れられました。こうしたボストンのサウンドは、「アメリカン・プログレ・ハード」という新しい呼称を生みました。
1曲目の「宇宙の彼方へ(More Than A Feeling)」から気持ちの良いサウンドが途切れることのない、素晴らしいアルバムです。
◆幻想飛行/Boston
■歌・演奏
ボストン/Boston
■リリース
1976年8月25日
■プロデュース
ジョン・ボイラン、トム・ショルツ/John Boylan, Tom Scholz
■収録曲
Side-A
① 宇宙の彼方へ/More Than a Feeling (Scholz)
② ピース・オブ・マインド/Peace of Mind (Scholz)
③ フォープレイ~ロング・タイム/Foreplay~Long Time (Scholz)
Side-B
④ ロックンロール・バンド/Rock and Roll Band (Scholz)
⑤ スモーキン/Smokin' (Scholz & Delp)
⑥ ヒッチ・ア・ライド/Hitch a Ride (Scholz)
⑦ サムシング・アバウト・ユー/Something About You (Scholz)
⑧ レット・ミー・テイク・ユー・ホーム・トゥナイト/Let Me Take You Home Tonight (Delp)
■録音メンバー
[ボストン/Boston]
ブラッド・デルプ/Brad Delp (Lead-vocals, harmony-vocals, acoustic-guitar⑧)
トム・ショルツ/Tom Scholz (electric-guitars, acoustic-guitars, organ, clavinet, bass)
バリー・グドロー/Barry Goudreau (guitar)
フラン・シーハン/Fran Sheehan (bass③(Foreplay),⑧)
シブ・ハシアン/Sib Hashian (drums①~③,⑤~⑧)
ジム・マスデア/Jim Masdea (drums④)
■チャート最高位
1977年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)3位、イギリス11位
1977年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)5位
1978年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)99位
1960年代後半から70年代にかけて、「ブラス・ロック」といわれたカテゴリーが存在しました。文字通りブラス・セクションを加えたロック・バンドで、その代表格が、
シカゴとブラッド、スウェット&ティアーズです。
ぼくはこれにチェイスを加えて、ひそかに
「三大ブラス・ロック・グループ」と呼んでいます。
なぜ「三大」なのか。
それは、ぼくが
ちゃんと聴きこんだことがあるのが
このみっつしかないから なんですね。
この「チェイス(Chase)」というグループのユニークなところは、ジャズ畑出身のプレイヤーがバンドを作っていたことです。しかも、管楽器がトランペットばかり4本!
高校時代、先輩に「文化祭にバンド作って出るから、お前ベース弾け!」と無理矢理かり出されたことがあります。ブラスバンド部でトランペットを吹いていたその先輩(これがまたうまいと評判だったのよ)が持ってきた楽譜の中にこの「黒い炎」があったわけです。
黒い炎!
もうタイトルからしてカッコよすぎる!
思わず体の奥からウズいてしまうくらいですわ・・・。
しかもトランペット部隊によるアンサンブルのゴキゲンなことときたら、もうシビレっぱなしです!!
特筆しておきたいのは、チェイスのブラス・セクション。
たいていブラス・セクションにはサックスやトロンボーンなども加わっているのですが、チェイスはトランペットのみ4本、というところがユニークであり、サウンドの特徴でもあります。
トランペットのハイノートというものがどれだけ聴衆の血を沸き立たせるのか、ご存じの方はご存じでしょう。
しかもそれが見事なアレンジのもと、パワー全開の完璧なアンサンブルで迫ってくるんです!!!
このグループはデビュー後ほんの数年活躍しただけで解散。1974年に再結成されましたが、その年8月、飛行機事故のためメンバーのほとんどを失ってしまいました。
さて、この曲の意外な「効果」というか、「波紋」ですが、「ああそうか、ジャズにもこんな感じの曲があるんかぁ~」と思えるようになったことですね。つまり、いつの間にか「ムズカシそうでワケわからん」としか思ってなかったジャズに対する偏見がなくなってたってことです。
しかし偏見はなくなっても、ジャズっつーものがムズカシく感じられるという思いにはまだまだ変わりはなかったのです・・・
◆黒い炎/Get It On
■シングル・リリース
1971年
■作詞・作曲
ビル・チェイス/Bill Chase、テリー・リチャーズ/Terry Richards
■プロデュース
フランク・ランド/Frank Rand、ボブ・デストッキ/Bob Destocki
■チャート最高位
1971年週間チャート アメリカ(ビルボード)24位(1971年7月)
■録音メンバー
[チェイス (Chase)]
ビル・チェイス/Bill Chase (lead & solo trumpet)
テッド・ピアースフィールド/Ted Piercefield (2nd.trumpet)
アラン・ウェア/Alan Ware (3rd.trumpet)
ジェリー・ヴァン・ブレア/Jerry Van Blair (4th.trumpet)
エンジェル・サウス/Angel South (guitar)
デニス・ジョンソン/Dennis Johnson (bass)
フィル・ポーター/Phil Porter (keyboards)
ジェイ・バリッド/Jay Burrid (drums)
テリー・リチャーズ/Terry Richards (vocal)
■いとしのレイラ (Layla)
■1970年
■デレク&ザ・ドミノス (Derek & The Dominos)
☆エリック・クラプトン(g,vo)
☆デュアン・オールマン(g)
☆カール・レイドル(b)
☆ボビー・ウィットロック(keyb,g)
☆ジム・ゴードン(drs)
せつなさを秘めたホロ苦いラブソングですね。親友の奥さんに抱いてしまった想いをこの歌に託している、というのは非常に有名な話です。
しかしちょっと待て!
親友の嫁さんに横恋慕したとしても、その気持ちは普通隠すんと違うか?堂々とレコードにして売り出すっちゅーのはどーゆー心境?
この曲を知ったばかりの頃は「クラプトンってなんて一途なんだろう…(感涙)」としか思えなかった純情なボクだったのに、ナゼ今ではこんなウワサ好きの近所のオバサンようなことしか頭に浮かんでこないのだ、ううぅぅ……。
アルバム『いとしのレイラ』(正式なタイトルは『レイラとその他色とりどりのラブ・ソング』という長いもの。デレク・アンド・ザ・ドミノス。)にロング・ヴァージョンが収められています。これは有名なリフを持つ前半部分と、ボビー・ウィットロックのどこか温かいピアノにデュアン・オールマンの聴く者の胸をかきむしるようなスライド・ギターがちりばめられている後半部分とで構成された、とてもドラマティックなものです。
ちなみに、このアルバムには「リトル・ウィング」、「恋は悲しきもの」、「ベル・ボトム・ブルース」などの、多くの名曲も収められています。
「レイラ」は、聴いたその日から大好きになった曲です。これからもずっとずっと聴き続けてゆくでしょう。