犯罪者週間

　病気の仲間を犯罪者扱いするなんてとんでもない集団のローカルルールですが、西高演劇部にはそんな掟があります。恐れていたこともゆっくりはっきり忍び寄っています。犯罪者扱い1.5名発生中。役者は1人扱い。スタッフ専任は0.5カウントです。二人は現在、出席停止＆強制送還となっています。公演まで後5日。明日はゲネです。そんなこんなでついに練習中全員マスク着用指令。予防効果ではなく、すでに拡散防止対策です。
　気持ちや夢とは裏腹な現実に軽くあしらわれることとなるのか、それとも思いを貫き通すことができるのか、今年の試練は例年よりさらに強敵？　いや、阪神バスに襲われるよりはだいぶましか…。
　そんな中今日は静かな別れも一件。二人で校内を3分間の散歩。部室をのぞいたり、稽古場の空気を感じる踊り場で立ち止まったり。目をつぶって飛ぶことさえできれば飛び越えられるかも知れないのに…。そう思うのは大人の先見？それとも傲慢？　自分の足で立つことを見守るってことは、大切だけど回りくどくてどこか切ない。
　熱病を乗り越えるために必要なものは薬でも氷枕でもない。それらはあくまで手助けをする道具でしかないから。必要なものは自ら乗り越える命の力なのだと思う。そんな一日。後はみんなの命の力を信じるだけ。