神や仏に病気を治してくださいと祈るだけでなく、
仏教には修行から得た経験によって元気になる方法が伝えられています。
とくに密教では、病を治す目的の加持がよく行われています。
ここでの考え方は、病とは体のバランスが崩れたことによって起こる現象で、
人間にはそれを元に戻そうという力を本来持っている
それを仏の力と病人の信心によってより強く働きを出さそうというものであります。
お大師様は「即身成仏義」において、このように言われています。
「加持とは、如来の慈悲と人々の信心の合わさったものである。
仏の太陽のような力が人々の心の中に生じるのが『加』であり、
人々が強く仏の光を感じるのが『持』である」
つまり、仏の力が人々の心や体に入り、それを人が感じて治そうとする意志と力が湧いてくる。
それを加持というと言われております。
従って現代では、医者による医療が大切なのはもちろんですが、
そこに自然治癒力という部分で加持が行われるものであります。
合掌