人が生きていくには人間関係が大事なのですが、この場合の仏教的な心得は
人に何かをしてもらいたいと思えば、こちらから何かをしてあげる。人に愛されたいのなら
まずこちらが愛する。ということです。つまりは相手の身になって行動するということで
これを同時といいます。仏になるための大事な徳目です。
人が困っていれば、ごく自然に手助けしてしまう。これが本来人間に備わった性質です。
仏教ではこれを仏の性質=仏性と呼んでいます。この普段は隠れている仏性を磨くのが
仏教なのです。
この前、近所を歩いていると7,8歳ぐらいの子供が自転車に乗り、お父さんがその子について
ランニングをしていました。
子供は自転車にまだ慣れていないらしく、ふらふらしていましたが、すぐによその塀に接触して
倒れてしまいました。
お父さんは駆け寄ってきて、子供を起こしながらこう言いました。
「塀は壊れていないか?よそ様のものなんだから」
このお父さんは、子供にケガがない事を知ると、真っ先によその塀のことを気遣いました。
最近はよく、よその塀に落書きやいたずらをすることが増えていますが、一方でこのような人もいるのです。
お釈迦様は、「人は誰でも自分のものは大事にする。だから、人のものは、その人の身になって大事にせよ」
と教えています。人の身になる、ということが大事なんです。
合掌