あいとポッポパーティー

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平和大会青年分科会で、おじいちゃんが輝く

2006-12-12 21:43:45 | レポート
77歳のおじいちゃんが、88歳のおじいちゃんに励まされる。
そんな場面を目の当たりにできた私は、本当に幸運だと思いました。

9日に岩国市で日本平和大会の青年分科会を開催しました。プログラム詳細は過去の日記より。

「歴史認識の共有をとおして未来をひらく」をテーマに開催しました。

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本名で書きます。
中国戦線に参加した鹿田正夫さんは現在88歳。
中国帰還者連絡会山陰支部の会員です。

中国で、人間から鬼になる過程を話してくれました。
やはり刺突訓練。生きた人間を直に刺し殺すことが、人間の何かを超えさせるようです。もちろんそれまでに土台は作られていました。

数々の蛮行の中で、時間の都合上、一つだけ話してくれました。
明らかに病人を分かる娘を、父親が見る目の前で銃殺したこと。
身振り手振りを混ぜながら、苦しそうに、でも私たちに伝えようと必死で話してくれました。

帰国してから初めて自らの行いを話そうとしたのは、自分の娘の結婚式直前。
迷ったそうです。
でも自分が殺した中国の娘を思い出し、自問し、ためらってはいけないと決意をしました。

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在日朝鮮人二世、李実根さんは現在77歳。
山口で生まれ、広島で入市被爆しました。
この人の人生はまたとにかく壮絶。逮捕やら裁判所奪還事件やら。この人の人生から、当時の時代というものを学べます。

日本が「唯一の被爆国」はありうるが、日本人が「唯一の被爆者」というのは間違っている、と。
置き去りにされた被爆者ですが、その権利回復のために奮闘されてきました。

戦争が民族を分断し、また恣意的な民族意識を作り出すのだと思いました。
迫害を受けてきた者にとっての「民族」概念は、私の想像をはるかに超えるものなのだろうと思います。

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もうお一人は山口県内の日本史の教員・山根さん。近現代史の基礎的な講義を受けました。
案の定、参加者はほとんど近現代について学んでいません。
歴史認識の共有と言う前に、まずは自国でどう教えているかも知らないのです。
日中韓の三国共同の歴史教科書作りを参考に話してくださいました。

そいでいろんな話を聞き、小グループで議論をしました。
私は議論に加わっていませんが、歴史認識ってそもそも何? 誰が共有するのか? 加害と被害の経験は一致するのか?などなどの意見が出たようです。

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冒頭に述べたこと。
77歳の李さんが、88歳の鹿田さんが自らの蛮行を語る姿に、「私も鹿田さんの年になっても証言を続けていたい、そしてその後も…」。

じゃあ28歳の私は!?と思わざるをえません。きっと参加者は、このおじいちゃんたちの姿に感激するとともに自らの歩み方を考えたことと思います。きっと!

最後に李さんが述べたことをここに記します。
参加した皆さんへお願い、と前置きして。

 ・今、日本は次に戦争する国にしようとしている。それを若者で阻止するのだと、一人ひとりが決意してほしい。
 ・マスコミの垂れ流しに流されないこと。主見を持つこと。考える力、見る力、知る力を身につけること。
 ・この会を機に、交流をもっと深めてほしい。その際、相手との違いを認めてほしい。自分の尺度で測らず、相手の苦しみ・喜びを分かち合う、それが共生への道へつながる。


写真は「認罪」の過程について語る鹿田さん(手前)。奥へ李さん、山根さん。

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