山本薩夫好きの同居人(夫)に勧められ、映画と同名の小説<皇帝のいない八月>を読んだ。自衛隊員によるクーデターを扱ったサスペンスものだ。グイグイと引き込まれて、すいすいと読むことができた。
文がウマイ。そして熟語や例えがかっこいい。
自衛隊によるクーデターというテーマは、ある程度はノンフィクションだ。知らないところで、武力による政権転覆が有効だと信じられ、実行に移されているかもしれない。
おもしろいなと思ったのは、隊員による企てが政府によって全て秘密にされることだ。それはそれは周到に。そこがまたサスペンス。
秘密保護法案の提出が狙われるなかで、ちょびっとかなりリアリティーがあったのだ。