あいとポッポパーティー

あいをさぐりながら、友人に発信。
あいとへいわのあいは、解せなかったけれど注目のテーマ。

吉井議員の原発質問まとめ

2011-03-28 19:31:15 | 日記
すでにいろんなところで出回っていますが、
共産党の吉井英勝衆院議員が2006年、
今回起きたような原発事故の危険を指摘していた件。

資料 2006年3月1日 予算委員会第7分科会 >>

もちろん「それ見たことか」ということではない。
ただ、「想定外」という言葉の連発には、異議を唱えたい。

その吉井質問の“ポイント”を紹介します。
うちのハズバンド(記者)がまとめ、「よい出来」だったそうで。
しかし紙面ではいまいちきちんと使われなかったそうで。


◎吉井質問
▼電源喪失の危険性を指摘/吉井議員の原発質問


 日本共産党の吉井英勝衆院議員が、巨大地震で原子力発電所が重大事故を引き起こす危険性を国会で指摘していたことについて「質問の内容を詳しく教えてほしい」との問い合わせが多数寄せられています。
 吉井氏は、国会で繰り返し原発問題を取り上げてきましたが、なかでも原発での電源喪失が炉心溶融などの重大事故につながると指摘していたことは、福島第1原発で起きている放射能漏れ事故をみる上でも重要です。
 原子力発電は、原子炉内で核燃料が核分裂する際に発生する熱によって電気をつくっています。普段は核分裂を抑える制御棒や、原子炉内の水を大量の海水で冷やすことによって核分裂の回数をコントロールしています。
 しかし、福島第1原発は、東北地方太平洋沖地震とその後の巨大津波によって外からの送電(外部電源)が止まったうえ非常用のディーゼル発電機(内部電源)も海水に漬かって破損。原子炉は自動停止したものの、海水を取り込むポンプなどを動かせなくなったため核燃料の崩壊熱で原子炉の温度が上がり続け、炉心溶融や水素爆発が疑われる危機的な事態となっています。
 吉井氏は2006年3月1日の予算委員会分科会で、地震と津波が重なることで〝想定外の事態〟が起こることを明らかにしました。その一つが、陸に押し寄せる巨大な押し波と、押し波の前兆として海面が大きく低下する引き波の問題です。押し波では明治三陸津波(1896年)の波高38㍍という記録があり、引き波では中部電力の宮池克人取締役が8・8㍍まで下がるという試算を論文で紹介しています。
 吉井氏は、5㍍の引き波が起きれば日本の原発の約8割で海面が取水口より低くなることを明らかにし、「(押し波が高ければ)水没に近い状態で原発の機械室の機能が損なわれ」「(引き波が大きければ)海水を取り込めなくなり原発の冷却機能が失われる」と指摘。津波対策の重要性を強調しました。
 政府は、取水槽があるので引き波で海水を取り込めなくても*分程度は対応できると答弁。吉井氏は、過去には*分前後も引き波が続いた記録があることを示すとともに、地震によって電源系統が破壊される事態が重なれば、仮に冷却水が確保できても原子炉を冷やすことはできなくなるとし「炉心溶融も頭に置いた対策を」と迫りました。
 吉井氏は同年10月27日の内閣委員会、10年5月26日の経済産業委員会でも、送電線の鉄塔が地すべりで倒壊し外部電源が断たれた石川県志賀原発1号機や、内部電源4系列中2系列が同時に故障したスウェーデン・フォルスマルク原発1号機の事例をあげ、さまざまな要因で原発が電源喪失に陥る危険があることを指摘しました。
 経済産業委員会の質問では、吉井氏の「津波はなんとかクリアしても、外部電源も内部電源も働かなくなり機器冷却系などが動かなくなる問題が出てくる」との追及に、寺坂信昭原子力安全・保安院長も「外部電源の喪失が長時間にわたれば炉心溶融につながることは論理的には考え得る」と認めました。
 地震と津波の押し波になんとか持ちこたえた福島第1原発が、電源喪失と冷却システムの損傷によって次々と重大事故を起こすにいたったことは、吉井氏の指摘に耳を傾けてこなかった歴代政府と東京電力の責任を浮き彫りにしています。東京電力が昨年8月に発行した『原子力発電の現状』は「たくさんの燃料が損傷するような大事故(は)…わが国では起こりえない」と書いていました。
(了)

東京武道館の様子など

2011-03-26 18:40:23 | 日記
福島からの避難者を受け入れている
東京武道館は、我が足立区にあります。

我がって、ただその片隅に住んでいるだけですが。

震災から2週間、徐々に「ボランティアしたい気分」が
世間から薄れているのでは…なんて勝手に想像して
自分は何かできないかなーと探してみました。

地元の人は頑張って支援活動を工夫しているようです。
そしてどうやら、私ができることは直接的にはなかなかなさそう。
でもネットで探して、様子を知ることができました。

東京武道館の様子は
裏Today's Kyota

東京都はボランティアを受け入れていませんが、
足立区が部分的に受け入れていました。
相馬市への支援物資 受付物資内容変更!
足立区から被災地を支えるボランティア募集


すぐにできることと
継続してやっていくことと
政治や行政にやらせるべきことと
大企業にやらせるべきことと

自分の非力に負けないよう
整理してきちんと取り組みたいものだ。

集まった救援物資たち

2011-03-25 21:21:52 | 日記
昨日岩国から帰ってきました。

何をしていたかというと、
山口県議会議員選挙に
「米軍艦載機移転反対」や「上関原発反対」等を
掲げ、岩国地域から立候補する
松田一志さんという人の応援に行ったのでした。

私も仕事があるので帰って来たけど、
東京からできることを応援するつもり(すでにしている)。

ところで、米軍への「思いやり予算」をそっくりそのまま
震災救援、復興に回したらよいと思う。
オバマも、救援に「あらゆることをする」と言ったらしいし。


さて、同僚が再び福島入りするにあたり
救援物資を急きょ呼びかけたところ
前日の今夜、こんな感じに!


スーパー前で訴え、続々と物資が寄せられたという人、
埼玉の奥地からはるばる荷物を届けてくれた人、
などなど。

確か延べ8人(グループ)ほど?、
段ボールにして60箱ほど。

たった数日前の呼びかけなのに、よく集まった。
皆さんのアンテナと行動力に感心します。

【ご協力のお願い】再び福島へ

2011-03-23 23:59:28 | 日記
岩国で被災者救援のカンパを街頭で呼び掛けました。
若い人のみ、少ない人数での取り組みでしたが、
2日間計2時間で5万円以上が寄せられました。
(岩国ではあまりこうした活動はないのです)
1円玉もたくさん。でも少しずつ、大きくなってゆくと実感。

さて、同僚が今週末も福島へ行く予定です。
以下、転載します。緊急ですが、ぜひご協力くださいまし~

==

さて、今週末もハイエースに物資を詰め込んで、福島に行こうと準備を始めています。
僕らが目指すのは、前回の南相馬と同じく原発30キロ圏内で屋内退避指示が出されている地域です(いわき市北部を検討中です)。
「屋内退避指示が出ている=危ない」という図式ができてしまって(実際は必ずしもそうではない)、孤立して物資がなかなか入ってきていないのです。
まぁ実際運べるのはホント雀の涙でしかないんですが、マスコミが一人もいない原発30キロ圏内に行って現地の状況を伝えることも、僕らの役割だと思っています。
現地で残っている人のニーズを聞いて、以下のものを持っていきたいと考えているので、ぜひ提供をお願いしたいのです!(最後に注意点あり)

・水
・野菜
・高齢者用のオムツ
・尿取りパット
・女性用の生理用品
・ポカリスエット、アクエリアスなどのスポーツ飲料
・温めるだけで食べられるパウチ式の「おかゆ」など
・ホッカイロ

(注)
で、お願いしたいのは、なるべくまとまった量でいただけるとありがたいです。
できれば箱やケース単位で。というのは、現地の避難所などでは仕分けしている余裕はなく、すぐに数が把握できることが重要だからです。というと、途端にハードルが高くなってしまいますよね。なので、もちろん小ロットでもありがたく頂戴いたします。僕らは小回りがきくので、個人宅など避難所以外での活用も考えます。
救援物資は、金曜(25日)の夜必着で、日本平和委員会まで送るか、届けてください。
それではご協力よろしくお願いします!!

○物資の送り先住所は、
〒105-0014 東京都港区芝1-4-9平和会館4階 日本平和委員会「震災救援」係
TEL 03-3451-6377
(送る前に一報ください!)

○カンパでの協力も大歓迎です(笑)
<郵便振替 00100-4-83731  日本平和委員会>(※通信欄に「震災救援」と明記してください)

「タンパク質がほしい」

2011-03-21 23:53:57 | 日記
被災地を除き、いっせい地方選が始まります。
目の前の惨状に目いっぱい力を注ぎたいのに、
結局被災地を除き、選挙は強行されることになってしまった。

力の注ぎ方のバランスは難しいが、
温かい福祉行政を築くためにも
冷たい国政を地方から変えるためにも
地方選でしっかり「選択」し、またしてほしい。

「選んでもらう」ための材料を、見える形でたくさん出さなくては。

てことで、そんな流れの中で岩国へ来ておるのであります。
(意味不明かなー)


ところでこの岩国に、私の大学の先輩がいます。
というか、もう何十年も先輩。

その先輩には、宮城県多賀城市に同級生がいるそうです。
同級生の夫は市議で、今度の選挙でも立つ予定。
当人のお宅は無事だったそうですが、
市議として毎日奔走されているそうです。

やっと電話が通じたら、
「タンパク質が足りないから送ってくれ」
と言われたとか。
肉、魚介、大豆類…てことかな。

現場によっていろんなニーズがある。
報道、ネット、そしてこうした古くからの仲間、「つながり」が
命をつなぎ得る。

米軍基地強化を止めるため岩国へ

2011-03-20 23:23:46 | 日記
今日から山口・岩国に4泊。
避難でなく、仕事(的なこと)で。

率直に言って、東京を離れるのはためらわれた。
いろんな思いはあるけども、
何よりハズバンドを残してくることが気がかり。
昨日もやや大きな地震があったし。

西へ来るほど、震災の余波はどの程度あるのかと思いました。
見た目にはよくわかりませんが、
避難に来ている人が少なからずいるようです。
乗ったタクシーの運転手は、
すでに4人の避難者を乗せたと言っていました。

私は私で、明日からがんばろう。
役に立てるかかなり不安だったけど、まあ精一杯やろう。

南相馬に残った人々のいま

2011-03-20 11:52:31 | 日記
奇しくも、今日はイラク戦争開始から8年。
そのイラクの医師からも、医療支援の申し出が来ているそうです。

昨日、同僚が南相馬に食べ物などを届けてきました。

急きょ彼が行くことになり、私はとにかくマスクを、と買ってきました。
薬局に行ったついでにウェットティッシュや生理用品、尿パッド等々を購入。
急なことでニーズもよくわからず、私の買える範囲でのみの調達でした。
しかもどこも品薄で、薬局を3軒はしごしてしまった。
精一杯買い込んだけど、車に積むとわずかなもんでした。
それでも、何かの役に立てたら…。

連日報道されるのは、ぼやけた画像の原発施設。
その周辺で何が起こっているのか、以下本人の了解を得て転載します。

==

布施@平和新聞 です。昨夜、福島より帰ってきました。皆さまの協力で何とか南相馬市(原発の北30キロ圏内)に300キロのお米をはじめ、野菜や果物、水、漬け物などの食料、マスクやおむつ、ガスコンロなどの日用品を届けることができました。ありがとうございました!少し長くなりますが、簡単に報告したいと思います。

福島市から南相馬市に向かう途中、10台近く連なってサイレンを鳴らして走る救急車、自衛隊の衛生部隊の車両、警察の機動隊車両、そして避難する住民を載せた大型バスとひっきりなしにすれ違い、否応なしに緊迫感が伝わってきました。

物資を集積している市の体育館に着くと、大きなトラックが停まっており、水とお茶を下ろしているところでした。市長が繰り返しテレビなどに電話出演し危機的な状況を訴えてきたりしたことで、こうした支援が届き始めているようでした。このあと、僕たちも物資を車から下ろし、体育館に運びこみました。

すると、そこに一人の杖をついたおばあちゃんがやってきて、「食料が欲しいのですが、どうしたら手に入れられるのですか?」と尋ねられました。それで、市役所の職員を呼んでその方法を説明してもらったあと、僕は「おばあちゃんは、避難するつもりはないのですか?」と聞きました。すると、「私は足が悪くて障害者なので、段差があると歩けないし、(避難所で)毛布一枚で寝るのはしんどいので…」と。そして、こう言ったのです。

「もし再臨界になったら隣の街に家を借りて住もうと思っています」

再臨界とは、原発で再び核分裂の連鎖が始まり、制御不能になって暴走する最悪のシナリオです。当然、それが起こってからでは遅いし、おそらく生きていることはできない。それを伝えると、おばあちゃんは「(再臨界は)危ないんですか…」と絶句し、「考えます」と言って立ち去りました。

南相馬市は市長の決断で全市民避難を決めましたが、市役所の職員によれば、このおばあちゃんのように残る人が相当数いるだろうとのことでした。数日前の段階で約3万人が市内に残っていて、市の用意したバスに乗って避難したのは約6000人。自力で避難した人を加えても、おそらく一万人程度と思われます。つまり、まだ二万人もの人が残っている可能性があるのです。通常の物流はすべて止まっているので、この人達のいのちをつなぐ物資が必要です。

しかし、街はまるでゴーストタウンのようでした。屋内退避指示が出されているため、みんな家の中にいるからです。ときおり犬の散歩をさせている人などを見かける程度でしたが、そのなかにはマスクすらしていない人もいました。国が繰り返し「ただちに人体に影響はない」と繰り返していることで、大変な思いまでして避難しなくても大丈夫と思っている人が少なくないのです。

しかし、事態が深刻なことは警察官の服装を見るだけでよく分かります。全身防護服に防塵マスク。外から見えるのは目だけ。その上、手足の袖口までガムテープをぐるぐる巻いて放射性物質が入らないようにしています。これは彼らが内部被曝の危険性をはっきり認識している証です。テレビでは繰り返し「レントゲンと比べて…」などと説明されていますが、外部から一瞬照射されるレントゲンと違って、放射性物質が体内に入って半永久的に内臓などが被曝し続ける内部被曝は、たとえ低線量でも人体に影響を及ぼすリスクが高いのです。しかし、住民はそのことを知らされていない。このままでは、いや、すでに甚大な被害が出ると思います。その上、再臨界などか起こったら…。想像もしたくありません。残った人を避難させるためには、国が危険性を認めて、また最悪のケースを考えた予防措置として、避難指示を今の20キロ圏内から少なくても30キロに広げるべきです。

この日も、海岸では400体の遺体が収容されたようです。津波被害が大きかった南相馬ですが、原発事故と屋内退避でこれまで行方不明者を捜すことも、遺体を収容することもできませんでした。これも、住民が避難を躊躇する理由になっています。まだ帰ってくるかもしれない…、遺体を置いて自分だけ離れるわけにはいかない…、やはりそういう気持ちがあるのです。

僕たちも海岸まで行ってみました。そこで見た光景は、ちょっともう言葉では言い表せない。灰色の死の世界。どこまでが陸地でどこからが海だったか分からないほど、廃墟の世界が広がっていました。

帰り、誰もいない道端に、黒い小さな可愛い犬がさまよい歩いていました。おそらく室内犬として飼われていた犬。バスで避難した人が連れていくことはできないと、置いていったのだと思います。それを見て、本当に悔しかったです。連れて帰ればよかったと、今になって悔やんでいます。

南相馬は、景色も素晴らしいし、何もなかったら本当にいいところなんだろうなと思いました。こんなことでふるさとを離れざるを得なくなった人達の心中を想うと、本当にやりきれない。

僕には、南相馬がこれからどういうことになっていくか、まったく想像できません。ただ言えることは、国は一刻も早く退避指示の範囲を拡大すべきです。

また状況を見て現地に行くかもしれませんが、それまでは東京で、日常生活のなかで、できることをやっていきたいと思います。

あと今回、ツイッターでつながりこの行動のきっかけとなった南相馬に住む女子高校生は、家族と一緒に無事に岩手に避難することができました。しかし、おじいちゃんだけは、国の避難指示が出るまでは残るといって来なかったそうです。

最後に、今回急な呼びかけにもかかわらず、貴重な物資などを提供していただいた全日本民医連、福島農民連をはじめ、力になっていただいた皆さまに心より御礼申し上げます。これから救援と復興は長く困難な道程になるでしょうが、そういうときだからこそ希望を持って、みんなで連携し合い協力し合って一歩一歩前に進んでいきたいと思いますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。

肥田舜太郎さんの話に学ぶ

2011-03-16 18:29:12 | 日記
仙台の友人に連絡がとれず、心配です。
別の友人も連絡を取ろうと試みているようなんだけど…。

原発問題について、危険をあおるつもりはさらさらなく、
ただテレビであまりにも「すぐに危険はない」と
言っていることに危機感をおぼえます。

矢ケ崎さんのコメントにもあるように、
生命と健康を守る立場での解説を求めたい。


もうひとつ内部被ばくについて、読み直しました。
広島・長崎の被爆から学ぶこと。

「被爆医師」肥田舜太郎さんが、
放射線の安全基準が不当に緩められていると話しています。

肥田舜太郎さんに聞いた2
(マガジン9条より)

矢ヶ崎さん~福島原発放射能物質漏れ2 ー内部被曝を重視して対応を!―

2011-03-16 18:28:15 | 日記
福島原発について、先ほどの矢ヶ崎先生の2つ目のコメントを転載します。

==

福島原発放射能物質漏れ2 ー内部被曝を重視して対応を!―

 内部被曝とは、放射性の埃(放射性降下物)を飲み込んだり吸い込んだりして、身体の中に放射性原子が入ってしまい、身体の中で放射線が発射され て被曝することです。 

 広島・長崎の原爆投下後、アメリカは核戦略の要として「核兵器を通常兵器と同じに見せる」ために内部被曝を隠ぺいしました。その方法は総合的で 科学的な装いを取り、戦後の被曝線量評価の体系を支配しました。隠ぺい方法は3種類の分野の「科学的」操作からなります。(1)広島・長崎の被爆 現場の放射能による環境汚染を極端に過小評価しました(1986年線量評価システム:DS86) 。(2)被爆者の被害から内部被曝の指標を消し去りました(原爆傷害調査委員会:ABCC、放射線影響研究所(方影研))。(3)上記二つのデータをもと に国際放射線防護委員会(ICRP)の被曝線量評価体系から内部被曝を排除しました。それは同時に、この基準により上記二つの科学の名を語った操 作を合理化し、放射線科学の現場から内部被曝を見えなくしたのです。困ったことは、このICRP基準はほとんど全世界の医療機関や原子力施設の線 量基準となってしまっていることです。

 欧州放射線リスク委員会(ECRR)の試算によれば、戦後6400万人もの人が内部被曝により命を落としています。これに対してICRPの基準 に従って試算すれば、犠牲者数は117万人。この差は、原爆、大気圏核実験、原発等の核施設から出る放射性埃による内部被曝です。
内部被曝の隠ぺいは、「放射線被害を隠すことによって」核抑止論を維持できる市民的認識を獲得するために必須でした。同時に、内部被曝を認めると 原発から漏れ出る放射性物質による犠牲者が多すぎて市民的コンセンサスが得られないことから、原発維持にも内部被曝の隠ぺいは必要でした。原発は 内部被曝を隠蔽してはじめて成り立ちうる商売なのです。安全神話を作った人々は一体いつまで内部被曝を隠ぺいし続けるのでしょう。

 チェルノブイリ原発事故があった時、全世界に放射性埃がまき散らされました。肥田舜太郎先生の各県別のセシウム降下量と乳がん死亡者の調査によ れば、日本では北日本に放射性物質が降り注ぎ、北日本各県の乳がん死亡者の統計調査では各県ともに10年後に10万人当たり十数人の死亡者増加が ありました。これを北日本の婦人の人口に当てはめて死亡者の人数を計算すると、2000人(以上)の乳がん死亡者増加となります。これを全てのが んに敷衍すればいったいどれほどの人が命を失ったことでしょう?
アメリカでも追跡調査がなされてチェルノブイリの埃がアメリカに広く降り注いだ事がモニターされています。感染症でストレスを持っている人に対し ては、放射性降下物は即効的に免疫力を低下させ、命を奪います。例えば、エイズの患者さんでは1986年の5月の死亡者は前年5月に死亡した数の 2倍を記録しています。健常なグループでは年齢別の統計で、若いほど感受性が高く、25才―34才の年齢層は前年同月の20%増の死亡者を記録し ています。

 福島原発の場合は放射性降下物が今後どれほどになるか分からない不気味な状況ですが、チェルノブイリ事故同様な被害がありうることを日本人は覚 悟しなければなりません。テレビを見ていると、「専門家」の「直ちに人体に影響を与えることはない」という類の弁が続いています。科学的に率直な 認識を語り、国民の判断を冷静に引き出すことが必要です。政府や「専門家」は、まやかしの安全発言を続けるのではなく、住民の健康管理に責任ある 態度を示すべきです。

矢ヶ崎克馬さん「福島原発放射能漏れについて」

2011-03-16 18:25:35 | 日記
先日の地震で、私は帰宅難民となり、我が家も本類がドサドサ…。
でもそんなことはささいであるかのように、
被災地の惨状が伝わってきます。


原発問題について、矢ヶ崎克馬さん(琉球大学の名誉教授・「隠された被曝」の著書・原子力発電所の被曝労働者弁護団の科学的弁護を担当。日本平和委員会理事)のコメ ントを転送します。とてもわかりやすいです。
テレビでは、内部被ばくの問題があまりにないがしろにされています
(というかまったく触れられていない)。


【以下、転送】
矢ヶ崎克馬 「福島原発放射能漏れについて」

●最大の住民プロテクトは放射能の埃を体内に入れないこと。
●マスクをすること。屋外での食糧配布はやめて屋内での配布とすること。
●雨には当たらないこと
●子どもの屋外での遊びは極力避けること、等々。

1.身体についた埃は洗えば除去できるが、身体内部に入って内部被曝を起す埃除去できない。
基本的には環境が汚染された時には、いかに内部被曝を避けるか、外部被曝・付着被曝を最小にするか、が問われる。内部被曝とは、外気を吸い込むこ とで何年後かに癌になるのが特徴です。だから、徹頭徹尾外気を無防備で吸わないめ、必ず、命を守るために、マスクをしなくてはならない。映像で除 染しているところが映されたが、作業員は完全防毒マスクをしていて、除染される住民はマスクもせず無防備だったことは、許されることではない。

2.ガイガーカウンターで、放射線のほこりのガンマー線だけを拾っても駄目なのはなぜか。それは、外部被曝では主としてガンマ線であるが、内部被 曝はベータ線が主でガンマ線とアルファ線もあるので、被曝量は内部被曝の方がはるかに多く被害が深刻になるからだ。(崩壊した原子によるベータ線 とウランによるアルファ線が含まれる。)

3.放射能の埃は多原子からなる微粒子を形成するもので、崩壊は、核分裂で生成した原子はベータ崩壊(ベータ線を出す)であり、燃料のウランはア ルファ崩壊が主である。セシウムや沃素はモニターされる原子であって、放射能の埃の正体である放射性微粒子からは多種の原子からの放射線が出てい る。すなわち沃素だけプロテクトして済むものではない。放射能の埃:放射性微粒子は放射性原子が一個一個別々 の状態ではないので内部被曝は余計に怖いものである。

4.ちなみに沃素-1は甲状腺に集中するので、非放射性の沃素であらかじめ甲状腺を飽和させておけば新たな放射性沃素は定着しないものであるが、 沃素だけのプ ロテクトを強調するのは誤りである。

5.内部被曝では長期間体内に保持される。この被曝量は無視するべきでない。矢ヶ崎克馬の試算では百万分の1グラム程度の摂取量で1シーベルト程 度の被爆になる。マイクロシーベルトどころの話ではない。少量の吸入でも確率的に発がんに結びつくものであり、十万人当たり数十人のがん死亡者を 上昇させる。これは10年規模で判明する被曝被害であり、放射性の埃を吸引したことによるのが原因であるということは、患者からの解明では決して 追跡できない。ごまかしが効く被曝形態である が、数としては膨大な被害者群を形成する。

6.原子力発電は「内部被曝」による犠牲者を無視することによって、初めて成り立つ商売である。欧州放射線リスク委員会の放射線による犠牲者は戦 後6500万人に上るという試算を留意すべきである。この中には原発による犠牲者が数百万人に及ぶと考えられる。

7.ちなみに日本の放射性科学陣は内部被曝について世界一鈍感であると言え る。

8.住民の内部被曝を極力避けるような指示、方針を出すべきである。