美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

松尾一郎氏の動画を通じて「南京事件」を考える(その5)埋葬死体数 (美津島明)

2016年02月03日 08時49分52秒 | 歴史
松尾一郎氏の動画を通じて「南京事件」を考える(その5)埋葬死体数 (美津島明)

今回は、国民党軍兵士の死体の埋葬が許可された一月中旬から埋葬作業が終了した三月一五日までの埋葬数をめぐっての議論が展開されています。一次資料に基づく合理的推論の結果、①「虐殺派」が広く認める「埋葬数十五万5千余体」は到底ありえなくてせいぜい二万体であること、②その二万体の(少なくとも)ほとんどすべては、国民党軍兵士か戦闘に加わった一般市民であること、③戦闘に加わった一般市民は、戦時国際法において、兵士もしくは義勇兵として扱われること が主張されています。詳細については、当動画をごらんください。

当議論の重要性について触れておきましょう。

一九四八年十一月十一日に朗読された、東京裁判の判決のなかの「第八章 通例の戦争犯罪」の一節は、次の通りです。

後日の見積りによれば、日本軍が占領してから最初の六週間に、南京とその周辺で殺害された一般人と捕虜の総数は、二十万以上であったことが示されている。これらの見積りが誇張でないことは、埋葬隊とその他の団体が埋葬した死骸が、十五万五千に及んだ事実によって証明されているhttp://www.geocities.jp/yu77799/toukyousaiban.html

この文言は、〈南京攻略戦が実は日本軍による中国民間人の大虐殺であった〉という事実認定をするうえで、埋葬隊とその他の団体が十五万五千人あまりの死体を埋葬したことが決定的な証拠とされている ことを明らかにしています。

とするならば、今回の松尾氏の合理的推論によって、「南京大虐殺」を事実認定するうえでの最も大きな柱が消滅してしまった可能性が大きい、と言いうるのではないかと思われます。みなさまは、その点を、どうお考えになりますか。

では、動画の第7回をごらんください。第6回での議論は、いわゆる「まぼろし派」の内輪もめのような印象を受けたので、スルーしました(松尾氏の気持ちは分かります)。

南京大虐殺 研究について(その6) 松尾一郎  (第7回)

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