タバコをやめて、もう9か月になる。高校1年から悪事に手を染め、1日にせっせと3箱吸っていた私がタバコをやめるくらいだから、もう何が起こってもおかしくはない。民主党の河村たかし氏が首相になる日も近いだろう。
私はいままで2回禁煙したことがある。1回目は大学受験のとき。2回目は30代の前半だった。
理由はなぜか? 1回目については……大学受験の試験会場ではタバコが吸えないからだ。大事な試験の最中に、もしも禁断症状が出たら? まともに頭が回らなくなったら不利である。で、タバコをやめた。ゆえに当然ながら大学に入った瞬間に、タバコをやめるのをやめたのは言うまでもない。
2回目はご多分にもれず、健康を気遣ったからだ。こっちは特別ネタにするほどおもしろい話じゃない。このときの禁煙は1年間続いたが、あるとき原稿がはかどらず、イライラした瞬間に吸ってしまった。で、ジ・エンドである。
ちなみにアメリカの著名作家、マーク・トウェインは、禁煙についてこんな名言を残している。
「タバコをやめるなんて簡単だよ。私は100回以上も禁煙しているさ」(※1)
さて今回の禁煙で、いままでわからなかったこと、見えなかったことがいろいろと見えてきた。人生は勉強の連続である。
まず体調について言えば、非常に快調だ。こんなことなら初めから吸わなきゃよかったと思うほど、爽快である。何年もずっと悩まされていた喉の痛みなんてふっ飛んだし、なによりメシがうまい。おかげで10キロも太ってしまった。
次に発見したのは、吸わない人の迷惑についてだ(今さら気づくな)。いや迷惑だってことは、もちろん今までだって頭ではわかっていた。だが今回の禁煙で思い知ったのは、私は頭じゃわかっていたけど決してカラダでわかってなかったってことだ。
たとえばタバコをやめると、煙の臭いにものすごく敏感になる。かなり広いレストランのいちばん遠い席でタバコを吸い始めた客がいても、その瞬間にわかるほどだ。すぐにスッ飛んで行ってぶん殴りたくなる。嗅覚が犬化したようなもんである。
翻ってタバコを吸っていた時代の私は、いかに無知だったか? 「顔をそむけて煙をそっぽに吐き出せば、相手は煙たくないだろう」などと、マジメに考えていた。繰り返しになるが、カラダでわかってなかったのである。
かといって私は世の禁煙推進派みたいに、自分自身の嫌煙権を声高に主張する気など毛頭ない。なにしろ私は今までさんざん、人前でスパスパやってきたのだ。そんな私が嫌煙権なんぞを言い始めたら、ゴメンですんだら警察いらないぞ状態になってしまう。
ゆえに今日も私は町の定食屋で食後の一服をやる客を見るたび、「ぬっ殺すぞこの野郎。人の迷惑も考えやがれ!」と心の中で小さくつぶやく毎日である。
【関連エントリ】
親父が肺ガンで死ぬらしい
【続】タバコをやめて初めてわかったこと
喫煙マナーが悪いのはオッサンだけじゃない
ブログを炎上させる感情のメカニズム ~タバコが燃やすコメント欄
[追記] ※1 私のオリジナル原稿ではアーウィン・ショーとしていたが、禁煙について名言を残したのはマーク・トウェインだと判明した。したがって該当箇所を訂正し、周辺の文章を削った。書いたあとで調べるんなら、書く前に調べろ。やはり人生は勉強の連続である(2007 3/13)。
私はいままで2回禁煙したことがある。1回目は大学受験のとき。2回目は30代の前半だった。
理由はなぜか? 1回目については……大学受験の試験会場ではタバコが吸えないからだ。大事な試験の最中に、もしも禁断症状が出たら? まともに頭が回らなくなったら不利である。で、タバコをやめた。ゆえに当然ながら大学に入った瞬間に、タバコをやめるのをやめたのは言うまでもない。
2回目はご多分にもれず、健康を気遣ったからだ。こっちは特別ネタにするほどおもしろい話じゃない。このときの禁煙は1年間続いたが、あるとき原稿がはかどらず、イライラした瞬間に吸ってしまった。で、ジ・エンドである。
ちなみにアメリカの著名作家、マーク・トウェインは、禁煙についてこんな名言を残している。
「タバコをやめるなんて簡単だよ。私は100回以上も禁煙しているさ」(※1)
さて今回の禁煙で、いままでわからなかったこと、見えなかったことがいろいろと見えてきた。人生は勉強の連続である。
まず体調について言えば、非常に快調だ。こんなことなら初めから吸わなきゃよかったと思うほど、爽快である。何年もずっと悩まされていた喉の痛みなんてふっ飛んだし、なによりメシがうまい。おかげで10キロも太ってしまった。
次に発見したのは、吸わない人の迷惑についてだ(今さら気づくな)。いや迷惑だってことは、もちろん今までだって頭ではわかっていた。だが今回の禁煙で思い知ったのは、私は頭じゃわかっていたけど決してカラダでわかってなかったってことだ。
たとえばタバコをやめると、煙の臭いにものすごく敏感になる。かなり広いレストランのいちばん遠い席でタバコを吸い始めた客がいても、その瞬間にわかるほどだ。すぐにスッ飛んで行ってぶん殴りたくなる。嗅覚が犬化したようなもんである。
翻ってタバコを吸っていた時代の私は、いかに無知だったか? 「顔をそむけて煙をそっぽに吐き出せば、相手は煙たくないだろう」などと、マジメに考えていた。繰り返しになるが、カラダでわかってなかったのである。
かといって私は世の禁煙推進派みたいに、自分自身の嫌煙権を声高に主張する気など毛頭ない。なにしろ私は今までさんざん、人前でスパスパやってきたのだ。そんな私が嫌煙権なんぞを言い始めたら、ゴメンですんだら警察いらないぞ状態になってしまう。
ゆえに今日も私は町の定食屋で食後の一服をやる客を見るたび、「ぬっ殺すぞこの野郎。人の迷惑も考えやがれ!」と心の中で小さくつぶやく毎日である。
【関連エントリ】
親父が肺ガンで死ぬらしい
【続】タバコをやめて初めてわかったこと
喫煙マナーが悪いのはオッサンだけじゃない
ブログを炎上させる感情のメカニズム ~タバコが燃やすコメント欄
[追記] ※1 私のオリジナル原稿ではアーウィン・ショーとしていたが、禁煙について名言を残したのはマーク・トウェインだと判明した。したがって該当箇所を訂正し、周辺の文章を削った。書いたあとで調べるんなら、書く前に調べろ。やはり人生は勉強の連続である(2007 3/13)。
単に今までが喫煙者に甘すぎる社会だった、ということなのかもしれませんが。
私がタバコをやめたのは、ちょいと体を壊したからです。そんな私の経験でいえば、「お前は人様に迷惑をかけてるぞ」式の高圧的な「啓蒙」ってあんまり効果ないんじゃないかと感じます。体験談にも書いた通り、喫煙者は頭じゃわかっちゃいるけど、カラダでわかってないからです。それよりも、タバコのせいで自分がいかに悲惨なことになるかを宣伝したほうが効果的でしょうね。
>喫煙者の「どこでも煙草吸える権利」は縮小され、
まあ昔はタバコを吸うのが当たり前の世の中だったわけですから、「どこでも煙草吸える権利」があったのも当然かなと。日本の喫煙バッシングって、アメリカに右へならえって感じがしてどうも釈然としません。アメリカではタバコを吸わないのが当たり前かもしれませんが、ヨーロッパ、例えばフランスやイタリアでは今でも吸う人が多いんじゃないですかね? 調べたわけじゃないので、よく知りませんが。
日本の禁煙推進運動は、私から見ればなんだか「拒否できない日本」のタバコ・バージョンて感じがして、個人的には?マーク付きです。
>その結果環境が非喫煙者側にそって整備されて喫煙者がさらに減り……というスパイラルを描いていってますね。
上記の分析は、おっしゃる通りですね。
>今までが喫煙者に甘すぎる社会だった
繰り返しになりますが、昔はタバコを吸うのが当たり前の世の中だったわけですから、それも当然かなと。権利、権利とやたらに対立するのは、個人的にはあんまり好きじゃないです。なので私は今日も日夜、「心の中」で煙を吸いたくないぞと静かに唱えております。
人に迷惑をかけてまで権利を行使するのは自由ではなくただの横暴だと思うのです。
<人に迷惑をかけてまで権利を行使するのは自由ではなくただの横暴だと思うのです
おっしゃる通りですね。
現に私自身、なんの権利も主張していませんし。
以下に、本文の一部を再掲しておきますね。
<かといって私は世の禁煙推進派みたいに、自分自身の嫌煙権を声高に主張する気など毛頭ない。
僕は嫌煙派ですが
むしろ主張してほしいと思います。
このエントリーを読んで、
やっと僕の言ってることが分かってくれましたか、という気持ちだったので・・・。
いやあ私はどうも自分の権利を声高に主張する人たちって、あんまり信用できません。往々にして権利ばかり主張するケースが目立つので。や、タバコ問題だけでなく一般論としてです。
ましてや私の場合は自分が人前でガンガン吸ってたわけですから、「オレの目の前で吸うな」なんて厚顔無恥なことはとても言えません。てなわけで「心の中で」なわけですね。
愛煙家はそれでも吸っちゃうんですよね。(苦笑
健康被害より前に
「寄るな、喋るな、息を吐くな、臭いんだよっ!」
と心の中で思いつつ、愛煙家と接している嫌煙家は多いはず(と信じてる)。
愛煙家にはまず、息が臭いことに自覚して欲しいかな?
まあ、自分が過剰反応してるだけかもですけど。
過剰反応だと思いますねぇ。
タバコだけじゃないし。息が臭くなる原因。
肉食中心が原因かどうか知らないですが
うんこそっくりな口臭の人、
女性でも結構見(?)かけます。
自分が吸ってると、他人のヤニ臭さってまったくわからないんですよねえ。なぜだか。実際、私も鼻がマヒしたかのように臭いませんでした。ところが今や……もう「スゴイ」のひと言です(笑)。これもタバコをやめて初めてわかったことのひとつですね。
興味深い内容だったので書き込みさせて頂きます。
結局の所、煙草吸ってる人の気持ちは吸ってる人にしかわからないし、煙草とか煙が苦手な吸わない人の気持ちは、やっぱり同じく吸わない。もしくは煙草辞めた人にしかわからないんじゃないかと思います。
コメント欄でもおっしゃているように、息にしてもそうですし、臭いにしても慣れている人とそうじゃない人では感じ方も全然違うんじゃないのかと。
煙草の話になるとよくモラルやマナーって言葉が出ますが、それも個人個人の解釈でどーにでもとれると思うんですよ。
とりあえず、煙草は健康に悪い。ってのはだけはみんな知ってるので、その辺もっと周知出来れば愛煙家と謙煙家の衝突も減るんじゃないのかなと。