すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】落日の本田をどこで使うのか?

2017-09-11 09:49:10 | サッカー日本代表
周囲の味方と共通理解がない

 サウジ戦前半で象徴的なシーンがあった。本田が中盤に下がってボールをもち、ゴール前へグラウンダーのクサビのボールを放った。だが周囲は「このパスの意図はなんだ?」みたいな感じでボールを迎え入れる動きがなく、たちまちサウジの守備者にパスカットされてしまった。

 これがザックジャパン(における香川あたり)ならあのクサビに素早く反応し、ボールをはたくなり、ワンツーなりを本田と咬まして立派にゴール前で攻めになっていただろう。つまり今のハリルジャパンでは、本田と周囲に共通理解がないのだ。

 本田だけが別のサッカーをやろうとしている。そして本田はそのことをもちろん理解していながら、決してチームのスタイルに合わせて自分を変えようとしない。これでは好むと好まざるとに関わらず、自然に世代交代が進んでしまうだろう。なんせ本田の意図を理解し本田と噛み合う選手が、もう代表にはいないのだからいかんともし難い。

4-3-3の右インサイドハーフでは?

 だが実際のところ、本田はコンディションさえよくチームのスタイルにハマれば、まだまだ活躍の場はあるはずだ。このブログではもう何度も指摘しているが、そもそもスピードと個による突破力のない本田に、それらが強く要求される右WGはマッチしない。本田には「それら以外の能力」があるわけで、つまり適材適所じゃない。

 では本田をどこで使うのか?

 彼は所属チームでは4-3-3の右のインサイドハーフで出場したりしている。一方、今後ハリルジャパンでも、オーストラリア戦のやり方(4-1-4-1に近い4-3-3)がベースになる雲行きだ。ならば代表でも右のインサイドハーフとして彼の体幹の強さとキープ力を攻撃に守備に使うのはアリだろう。

 ただし本田が所属チームでコンスタントに試合に出ておりコンディションがよく、かつハリルジャパンのスタイルに順応することが出場の絶対条件だが。

偽9番で替えのきかない大迫のオプションに

 あるいは本田を偽9番として、ワントップの大迫と競わせる(別オプションにする)というテもある。本田の偽9番はオーストラリアとのアウェイ戦でもぴったりハマっていた。

 一方、最前線でボールを収め時間を作る大迫は、サウジ戦で証明されたように替えのきかない選手である。もしその大迫が何かの事情で試合に出られないとき、埋めがたい穴が開く。そこで本田を「最前線のゲームメーカー」として偽9番で使い、前でタメを作らせるというのは有力なオプションになる。

 また大迫の代わりに本田に時間を作らせるという意味では、大迫が欠場したとき本田を4-2-3-1のトップ下で使い、最前線でなく中盤で本田にタメを作ってもらうという考え方もある。(が、ハリルはこのパターンはやらないんだろうなぁ)。まあ個人的には、デュエルに強く守備に粘りがある本田にはボランチをやってもらうのがいちばんいいと思うのだが。

 いずれにしろ本田はコンディションさえよければ、まだまだ使える。その彼をどこで、どう使うのか? 監督の手腕が問われる分水嶺になる。ハリルならびっくりするような「解」をひねり出すような気がしている。

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