8月2日は告白の日

　　　　　　　　　　　　　♥｛　8月2日は告白の日　｝♥

　今日は男子の告白の日だそうである。由来はわからないが罪を告白する日ではないらしい。7月30日は女子の告白の日、つまり愛を告白する日なのであろう。今夜は高級レストランやタワーの展望台が混むかも　いや公園に若い男女が集まるかもしれない。雨が降らないように。今さら愛の告白なんて私にしてくれるひとなどいるはずもなく、告白するひともいない。しかし、栗木京子さんが「短歌は告白である」と書かれたことがあり、私の歌集を調べてみたら告白めいた歌ばかり、私をご存じない読者にしきりに告白しているのである。

♠　冗談と冗談が傷つけ合っている彼のタバコの煙のなかで　　

　まともに「アナタが好き」などとは言いにくい。冗談めかして言い相手の反応をうかがう。相手ものらりくらり、2人とも忙しいのに、せっかく会えたのに、冗談がふたりを離してしまう。

♠　青は愛、赤は愛憎そんなことあの日話した茶房を過ぎる

　8月2日は1年で一番暑い頃だろう。その猛暑の日に告白すれば盛り上がる。「君が必要だ」と。その一言で十分だ。文学、哲学の知識が邪魔をして、あの日は思い出の日に。

♠　八月のはじめも淋しい手に取りし赤茄子の肌はもう若くない

　わたしはトマトが大好き。赤茄子と書けばさらに好きになる。完熟のトマトを手に取ると、皮に張りがない。老いはじめている。間もなく腐ってしまうだろう。赤茄子は私に見える。

　第一歌集『えくぼ』のなかから3首を抄出してみた。これはほんの一部、わたしの歌は
『わが告白』ではないか、とおもうほど告白、告白である。見知らぬ人たちへ告白を。

　皆さま　、今日はケータイの電源を切らないように。メールの告白も多いそうですよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　8月2日　　松井多絵子