✿ 花束を抱く堂園昌彦 ✿
年末の土曜日だが中野サンプラザ研究室10は満員。外の気温との差は20度もありそうな「批評会」だった。1年以上前に刊行した堂園昌彦歌集批評会に集まった歌人達は約130人。いま歌壇で活躍している歌人たち、若い歌人の多いのが目立った。二次会も盛況。
堂園昌彦は1983年11月東京生まれ。2000年に短歌を作りはじめる。2003年「コスモス」「早稲田短歌会」入会。2007年短歌研究新人賞最終候補、2008年 「pool」参加、現在、「ガルマン歌会」を運営している。
短歌を作り始めて14年で花束を抱き拍手を浴びるなんて、亀の私には兎に見える堂園昌彦。でも細身の青年ではなく、どっしりして重厚な、ややオジサン的で「おもろい」青年だ。「体を使わないと詠めない、韻律に助けてもらっている」とのご挨拶も大人っぽい。3人のパネリストが歌集から抄出した作品はとても多いので2首だけ記してみる。
✿ 吉岡太朗 (美しさ、すさまじさ、答えが返らない歌も)
君は夢中で道路のカタバミを見ている 本は本から生まれる
冬の旅、心に猫を従えて誰も死なない埠頭を目指す
✿ 斉藤斉藤 (何だかわからないとき光をあてる歌が多い)
曇天に光る知恵の輪握り締め素敵な午後はいくらでもある
明日には枇杷を見に行く脆弱な花と光を心に詰めて
✿ 川野里子 (究極の美食の歌集・はじめは抵抗があった)
ひかりたつ春の吐瀉物乗り越えて行き着く町のなんで夕暮れ
すさまじい秋日の中で目を瞑り優れた人達へ挨拶を
歌集『やがて秋茄子へと到る』への批評は会場から次々に発言がありましたが、今日はここまで。二次会でワインを飲み過ぎてまだ酔いがさめません。又書きたいです。
堂園昌彦は独身?ではないと思いますが。歌集ではわかりませんね。
12月14日 松井多絵子
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