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堂園昌彦さんの歌集

2013-09-26 14:18:22 | 歌う

          「堂園昌彦さんの第一歌集」

 9月23日に刊行されたばかりの堂園昌彦さんの歌集を頂いた。19歳から29歳までの約200首を収めた第一歌集である。あとがきにこの本は「多くの悲しみと、わずかだが揺るぎない喜びから生まれた」とある。まだ30歳の青年の歌集だが重厚な装丁、1頁に1首、歌集名は『やがて秋茄子へと到る』。このタイトルの意味は、まだ50頁しか読んでないので分からない。が老人のわたしは「秋茄子は嫁に食わすな」などという言葉をつい思ってしまう。秋の茄子は実がしまり食感がいい。「こんなオイシイ秋茄子を、大切な息子を奪った嫁になんか食べさせるもんか」という姑の意地悪さに例えられたりする。しかし、茄子は体を冷やす野菜、その形が子宮に似ているので、体を冷やすと子宝に恵まれないと、姑が嫁を大切にして秋茄子を食べさせないという説もあり、私はこの説を支持したい。茄子の紺青の歪な球体は秋の野をさらに秋らしくする、それが歌集名の由来か、これからじっくり拝読します。堂園昌彦さま。

✿ゆっくりと両手で裂いていく紙のそこに書かれている春の歌

✿泣く理由聞けばはるかな草原に花咲くと言うひたすらに言う

✿秋茄子を両手に乗せ光らせてどうして死ぬんだろう僕たちは

✿記憶より記録に残っていきたいと笑って投げる冬の薄を

✿まぶたからまぶたへ渡す冬の日の凍り付いてるすてきな光

 まだ四分の一しか読んでいませんが、私は読むのが遅いので取りあえず、いいなあと思った歌を抄出してみました。今後のご活躍が楽しみな方です。 9月26日 松井多絵子


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