批評会に「うずく、まる」
4月17日 中家菜津子歌集『うずく、まる』の批評会が中野サンプラザで開催、歌人や詩人約90人が参加した。昨年6月、新鋭短歌シリーズとして書肆侃侃房より刊行され、歌人や詩人から注目されている中家菜津子。2012年に「未来」会員になり加藤治郎に師事する。2年続けて歌壇賞候補、詩歌トライアスロン最優秀作品にも選ばれている。
批評会 1部 野村喜和夫さんに聞く 「詩型は越えられるか」 聞き手 加藤治郎
2部 パネルディスカッション 『うずく、まる』 をめぐって
石川美南 遠藤由季 染野太朗 藪内亮輔 (司会) 中島祐介
4人のパネラーが選んだ中家菜津子の作品を2首ずつ記す。
✿ 石川美南
一本のひかりの道に手をのばすさっき真冬の葱をつかんだ
トンネルの鏡のような窓は消え銀杏並木にあふれるひかり
✿ 遠藤由季
うずく、まるわたしはあらゆるまるになる月のひかりの信号機前
パレットのような田を行く自転車よ黄色の絵の具を買い足すために
✿ 染野太朗
ゴッホとかサンドイッチの耳のこと気になったまま学校へ行く
音だけの花火を聴いた ぎんいろのテレビの向こうガザにつながる
✿ 藪内亮輔
ひとときは紅茶を淹れる読みかけの本はかもめのかたちに伏せて
ポケットに切符を探している人がポプラのように改札に立つ
※ 『うずく、まる』には短歌250首、詩13編を収録。解説は加藤治郎の「詩と生の回復
帯文も加藤治郎~あなたを変えるポエジーの渦~
2015年6月24日の♥ブログ・えくぼ 私は中家菜津子の次の歌をNO1に挙げている
海色のセーターを着て海にゆくもう十分にさびしいからだ
2015年11月18日の♥ブログ・えくぼ 朝日新聞の「あるきだす言葉たち」の中家作品を。
中家菜津子さま あなたの作品にわたしは翻弄されています。
4月19日 松井多絵子
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