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愛誦される歌・ベスト10

2016-12-27 09:22:41 | 歌う
          愛誦される歌・ベスト10
                                           短歌研究12月の特集「愛誦される歌」は読者アンケートで選ばれた99首。その中から上位10首を揚げてみる。何十年も前に私を捉えた秀歌ばかり。懐メロのように今でも私に
響く。読者から選ばれた中でも突出しているのは「白鳥は哀しからずや、」
である。
                                           1位 白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ (59)
             
          若山牧水 歌集『海の声』明治41年
  
 読者の選んだ1073首のなか、59人から選ばれ突出している。青春の歌、今立ち返る歌である。韻律、調べ、リズムの良さ、視覚的であること、共感性、普遍性、永遠性などが選ばれた原因らしい。私は~空の青海のあを~の表記にあらためて気づく。
        
 2位 観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生 (24)
                     
          栗木京子 歌集『水惑星』昭和59年

 3位 君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとく触れ (23)

          北原白秋 歌集『桐の花』大正2年
                             
 4位 さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなり (22)
      
          馬場あき子 歌集『桜花伝承』昭和52年

 5位 マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや (21) 
 
          寺山修司 歌集『空には本』昭和33年 
 
 6位 幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく (21)
         
          若山牧水 歌集『海の声』明治41
 
 7位 あの夏の数かぎりなきそしてまたたつたひとつの表情をせよ (20)
      
          小野茂樹 歌集『羊雲離散』昭和43年
  
 8位 ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲  (19)  
      
          佐佐木信綱 歌集『新月』大正元年

 9位 ちる花はかずかぎりなしことごとく光をひきて谷にゆくかも (16)

          上田三四二  歌集『涌井』昭和50年

 10位 かなしみは明るさゆゑにきたりけり一本の樹の翳らひにけり (14)
                                                    前登志夫『子午線の繭』昭和39年         
    
    
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            12月27日 松井多絵子

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