☀「第30回朝日歌壇賞」☀
2013年の入選歌から、4選者が各1首を選び、朝日歌壇賞が本日発表された。
永田和宏選
{評} 子どもにも分かる短い言葉で問題の本質を言い当てていて、共感を呼ぶ。
★王様は裸なんだと叫ぶことできない時代がやってくるんだ (茅ヶ崎市) 喜島成幸
<作者の言葉 > 言論の自由は、活力ある社会の基盤だと思います。アンデルセンの「裸の王様」の寓話が現実とならないことを願っています
※ 「裸の王様」は困りますね。でも私の周りには「厚着の王さま」が多くて不愉快です。
馬場あき子選
{評} 人生をともにしてきた人との歳月を、よく言い当てて味わい深い。
★愛という言葉ではなく恋という言葉でもなく君は歳月 (豊橋市) 中村悦子
<作者の言葉> 長く歌の世界から離れておりましたが、ある訣別を機に作りました。選んでいただいたことも含め、歌に救われた気がします。
※ 結句の「君は歳月」、ステキですね。甘くて軽そうで辛くて重い歌かもしれませんね。
佐佐木幸綱選
{評} 今、ここ、現場感のリアルさ。受験会場独特の空気を見事に表現した。
★本当は自分はいるのに今いないような気がする受験会場 (太宰府市) 須田紫野
<作者の言葉> はじめての高校受験。緊張してて、寂しくて、いかにも「非日常」な感じでした。短歌は中2で出あって以来、大好きです。
※ 口語で表現されているために実感がストレートに伝わってきます。
高野公彦選
{評} 東京から岡山まで夜行バス。辛い就活。でもめげない強さのある歌。
★職業は就活生です新宿のハンバーガー屋で夜行バスを待つ (瀬戸内市) 安良田梨湖
<作者の言葉> 春から社会人になります。就職活動中は、短歌という小さな詩型のおかげで、自分の心に優しく向き合うことができました。
※短歌は構えて作らない方が成功するのだという見本のような一首ですね。
今日は成人の日、4人の受賞者の歌は20歳の言葉のように新鮮ですね。
1月13日 松井多絵子
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