鼻は目ほどにモノを見る

　　　　　　　　　　MIRU　「鼻は目ほどにモノを見る」　MIRu

　今日の朝刊で私が注目した記事は「鼻は目ほどにモノを見る」である。人間ではない、モグラのお話。「目が退化したモグラは、鼻で左右をかぎ分けられることが米バンダービルト大の研究でわかった。えさを探すため進化した能力らしく、他のほ乳類にもある可能性もあるという。5日付英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに論文が発表された。ただ、視覚がよく発達している人間は、例外である可能性があるという。

　私はモグラという生きものを見たことがない。漢字で「土竜」と書くのは、なにか大切な生きもののような気がする。三年前、上越線の土合駅の階段をおりてモグラ駅へ行ったことがあった。上ったらさぞシンドかったであろうが、４８６段を私はおりて地下鉄に乗った。モグラには会えなかったが、しばし私はモグラになったのである

　　　　　　　　　　　　❤❤　「もぐら駅～五首」　❤❤　　　　松井多絵子

もぐらとは漢字で「土竜」と書くことを知りて土竜に会いたくなりぬ

ひとたびも「もぐら」を見しことなきままに「もぐら駅」へとむかいていたり　

まだ下りてゆくのか、もぐら駅ホーム　いま四百段を踏みしめている

下りるのは誰よりはやく上るのは常にわたしは殿（しんがり）である

こんな地下を上越線の汽車がゆく背広やスーツの若きらも乗る