前回、ガラスの話(1)として天然に産出するガラスのことをいくつか紹介したが、その一つモルダヴァイトは、主にチェコ共和国南部で見つかっている。
そのチェコの首都プラハを中心に西部一帯はボヘミア地方と呼ばれ、この地方の各所でガラス製品の製造が盛んにおこなわれている。これらはボヘミアン・グラスとして世界的に知られる。ボヘミア地方のガラス工芸は12世紀ごろから始まったとされ、教会のステンドグラス作りに始まり、やがて13世紀の中ごろからガラス容器類の生産が始まっている。
この地方でガラス製造が盛んになった要因は、北方のシレジア山系にガラスの主要原料である珪石(二酸化ケイ素)が産出したからといわれている。ガラスのもう一つの原料であるソーダ灰(炭酸ナトリウム)はこの地方には産出せず、ガラス製造では先輩格であるイタリア(ジェノヴァ)から輸入されていた。
この輸入に頼っている状態では、安定した原料の確保が困難であったことから(ヴェネツィアの妨害があったとされる)、シレジア山系のもう一つの資源であるブナやカシなどの木材から得られる木灰(炭酸カリウム)を原料として使うことを発見し、この後この地方のガラスはヴェネツィアのソーダガラスに対してカリガラスになっていった。
現在、食器などに使われるガラスはソーダガラス、カリガラス、そしてこれらの後に開発された鉛ガラスの3種がほとんどであるが、ボヘミア地方では今でもこのカリガラスにこだわった製造を続けているところがある。
このボヘミア地方とその周辺の欧州ガラス器事情の一端を見てみたいと思い、チェコ、オーストリア、ハンガリー旅行を兼ねて訪問してきたので紹介させていただく。
最初の訪問地はチェコ共和国の首都プラハ。羽田空港から出発し、ルフトハンザ航空便でミュンヘン経由、プラハに着いた。翌朝、さっそくバスでプラハ城に向かった。
プラハ城はボヘミア王家の居城と宗教施設群がある一帯を指し、世界最大規模の城である。王宮の建物がぐるりと周りを取り囲む中を通り抜けることができるが、その中央部には高さ100mの尖塔を持ち、ひときわ目立つゴシック様式の聖ヴィード大聖堂がそびえる。
プラハ城内でもひときわ目立つ聖ヴィート大聖堂1/2(2017.12.3 撮影)
プラハ城内でもひときわ目立つ聖ヴィート大聖堂2/2(2017.12.3 撮影)
城内の広場では、12月ということでクリスマス・マーケットが始まっていて、ホットワインが売られていた。気温3度という寒さの中、このホットワインは体が温まりとても美味しく、ありがたいものであった。
いくつか並んでいる屋台の中には、ガラス製のクリスマス飾りを売っている店も見られた。
ホットワインなどを売る屋台が並ぶプラハ城内広場、後方は城内で2番目に古い聖イジー教会(2017.12.3 撮影)
クリスマスツリー用のガラス飾りを売る店(2017.12.3 撮影)
城は高台にあり、東門から出たところからはプラハ市内やヴルタヴァ川の流れが見通せる。
プラハ城東門付近から望むプラハ市内の町並み(2017.12.3 撮影)
カレル橋からのヴルタヴァ川の流れ(2017.12.3 撮影)
城内部を通り、東門を出てブドウ畑の横の坂道を通りぬけて、ヴルタヴァ川に架かる橋のひとつで、最古の歴史を持つカレル橋に向かう。全長520m、幅10mの橋の両側の欄干には30体の聖者や歴史上の人物の彫像が並んでいて、多くの観光客でにぎわっていた。
橋の中央付近には、触ると幸せになれるということで、多くの観光客が台座部分を撫でるので、その部分がピカピカに輝いている聖ヤン・ネポムツキー像(1683年作)があり、この日も日本人観光客が身を乗り出して撫でていた。
台座部分がピカピカに光っている聖人・ヤン・ネポムツキー像(2017.12.3 撮影)
また、彫像の中には、アジアにキリスト教を伝道し、我々日本人にはなじみのフランシスコ・ザビエルの像も含まれている。この像ではフランシスコ・ザビエルは中国人、黒人、インド人、タタール人に担がれている。
フランシスコ・ザビエル像(2017.12.3 撮影)
カレル橋を渡り、ヴルタヴァ川東岸の旧市街地区中心部にある旧市街広場に向かうと、すでにクリスマス・マーケット目当ての観光客で賑わっていた。
旧市街広場のクリスマス・マーケットに集まる観光客、後方は聖ミクラーシュ教会(2017.12.3 撮影)
ここには、ゴシック様式の旧市庁舎の建物があり、その壁面の大きな天文時計は毎正時に12使徒の人形が交互に現れるからくり時計になっていて、これを見ようと、その前には特に多くの人々が集まっていた。
旧市庁舎のからくり時計、後方はティーン教会(壁面は工事中;2017.12.3 撮影)
この広場の時計の反対側には、ボヘミアン・グラスを扱う大きな店「ERPET BOHEMIA CRYSTAL」があって、多くの製品が展示販売されている。
広い店内には、カットガラスでは過去最高のデザインとされる500PKのワイングラス、花瓶、皿などが多数展示されていて圧倒される。また、ボヘミアン・グラスの特徴であるエングレーヴィング(英語、フランス語ではグラヴュール)による装飾が施されたグラス、花瓶なども多数みられる。
500PKデザインのカットが施されたワイングラス(高さ14.5cm)
500PKデザインのカットが施された花瓶(高さ15.5cm)
500PKデザインのカットが施されたコンポート(直径33cm)
日本製のガラス器ではカットガラスの「江戸きり子」や「薩摩きり子」が有名で、エングレーヴィングはあまりなじみの無いものであるが、このエングレーヴィングは銅製の丸い回転板に研磨粉をつけて、ガラス表面に微細な彫刻を施す技術で、ボヘミア地方で始まったとされている。
ここでは、お土産用に妻の好みの馬の彫刻のある、高さが17㎝ほどの小型の花瓶を購入した。
エングレーヴィング法で馬が刻まれている花瓶(2017.12.12 撮影)
同上の部分拡大(同上)
この広場から少し離れた通り沿いには、モーゼル社の直営店がある。モーゼル社はボヘミアン・グラスの代名詞ともいえる存在であり、1857年ドイツ国境に近いヨーロッパ有数の保養地カルロヴィ・ヴァリにガラス職人であったルードウィック・モーゼルがガラス装飾工房を創立したことに始まるとされる。
エングレーヴィングを施した繊細で芸術性に富む作品は、カルロヴィ・ヴァリを訪れる裕福な貴族の関心を集め、ハプスブルグ帝国皇帝フランツ・ヨーゼフの宮廷御用達となり、続いてヨーロッパ各国の王侯貴族に愛用されていった。
モーゼル直営店(2017.12.3 撮影)
この店の2階部分は製品の展示・販売所になっていて、まるで博物館のようなゆったりとした雰囲気の中、店内を見て回ることができる。写真撮影も自由にでき、素晴らしいガラス器の数々を堪能できた。
店内2階部分のガラス器の展示1/3(2017.12.3 撮影)
店内2階部分のガラス器の展示2/3(2017.12.3 撮影)
店内2階部分のガラス器の展示3/3(2017.12.3 撮影)
翌日、バスでウィーンに向け出発し、途中1992年に世界遺産登録されている街、チェスキー・クルムロフに観光のために立ち寄った。
この街はプラハを流れるヴルタヴァ川の上流に位置し、この川が大きくS字形に湾曲する場所にある。
チェスキー・クルムロフの案内板、S字型にヴルタヴァ川が湾曲しているのがよく分かる(2017.12.4 撮影)
旧市街を見下ろす崖の上にあるチェスキー・クルムロフ城から眺める街の景色は、うっすらと雪で覆われていて、今までに見たことがない美しさで世界遺産登録も納得できるものであった。
うっすらと雪で覆われ、美しいチェスキー・クルムロフ城からの街の景色1/22017.12.4 撮影)
この場所を、カメラのアートモードで撮影するとまるで絵画のようになる。
うっすらと雪で覆われ、美しいチェスキー・クルムロフ城からの街の景色2/2(2017.12.4 カメラのアートモードで撮影)
城を通り抜け、旧市街に向かう坂道の両脇に土産物屋がずっと続いているところがあって、道路に面したショウウインドウには、モルダヴァイトを展示しているところが多く、この地方がモルダヴァイトの産地であることを思い出させてくれた。
店のショウウインドウに並べられたモルダヴァイト原石(2017.12.4 撮影)
店のショウウインドウに飾られたモルダヴァイトの加工品(2017.12.4 撮影)
実は、昨日ここに来る前にすでにモルダヴァイトの原石をプラハで買い求めていた。あの、ガラス器を買った店で販売していたからであった。なぜか、プラハで買った値段の方が、産地に近いこのチェスキー・クルムロフよりも安かったのは意外であった。
以前鉱物標本として買ったものに較べると今回購入したものはその特徴がよく表れていて、表面には特有の皴のような構造がはっきりと表れていた。反射光と透過光で見較べると次のようなものであった。
反射光で見たモルダヴァイトの原石(凸面;2017.12.12 撮影)
透過光で見たモルダヴァイトの原石(凸面から;2017.12.12 撮影)
反射光で見たモルダヴァイトの原石(凹面;2017.12.12 撮影)
モルダヴァイトの原石の側面(2107.12.12 撮影)
この原石の形状は、およそ40mmx25mmx5mmの薄い板状で、球面の一部のように湾曲している。このガラス片の形状が、1500万年という遠い昔にどのようにして形成されたのか、そしてその後地中や水中にあって、どのようにして現在のような表面状態になってきたかという経緯をついついつい想像してみたくなるのであるが。(続く)
そのチェコの首都プラハを中心に西部一帯はボヘミア地方と呼ばれ、この地方の各所でガラス製品の製造が盛んにおこなわれている。これらはボヘミアン・グラスとして世界的に知られる。ボヘミア地方のガラス工芸は12世紀ごろから始まったとされ、教会のステンドグラス作りに始まり、やがて13世紀の中ごろからガラス容器類の生産が始まっている。
この地方でガラス製造が盛んになった要因は、北方のシレジア山系にガラスの主要原料である珪石(二酸化ケイ素)が産出したからといわれている。ガラスのもう一つの原料であるソーダ灰(炭酸ナトリウム)はこの地方には産出せず、ガラス製造では先輩格であるイタリア(ジェノヴァ)から輸入されていた。
この輸入に頼っている状態では、安定した原料の確保が困難であったことから(ヴェネツィアの妨害があったとされる)、シレジア山系のもう一つの資源であるブナやカシなどの木材から得られる木灰(炭酸カリウム)を原料として使うことを発見し、この後この地方のガラスはヴェネツィアのソーダガラスに対してカリガラスになっていった。
現在、食器などに使われるガラスはソーダガラス、カリガラス、そしてこれらの後に開発された鉛ガラスの3種がほとんどであるが、ボヘミア地方では今でもこのカリガラスにこだわった製造を続けているところがある。
このボヘミア地方とその周辺の欧州ガラス器事情の一端を見てみたいと思い、チェコ、オーストリア、ハンガリー旅行を兼ねて訪問してきたので紹介させていただく。
最初の訪問地はチェコ共和国の首都プラハ。羽田空港から出発し、ルフトハンザ航空便でミュンヘン経由、プラハに着いた。翌朝、さっそくバスでプラハ城に向かった。
プラハ城はボヘミア王家の居城と宗教施設群がある一帯を指し、世界最大規模の城である。王宮の建物がぐるりと周りを取り囲む中を通り抜けることができるが、その中央部には高さ100mの尖塔を持ち、ひときわ目立つゴシック様式の聖ヴィード大聖堂がそびえる。
プラハ城内でもひときわ目立つ聖ヴィート大聖堂1/2(2017.12.3 撮影)
プラハ城内でもひときわ目立つ聖ヴィート大聖堂2/2(2017.12.3 撮影)
城内の広場では、12月ということでクリスマス・マーケットが始まっていて、ホットワインが売られていた。気温3度という寒さの中、このホットワインは体が温まりとても美味しく、ありがたいものであった。
いくつか並んでいる屋台の中には、ガラス製のクリスマス飾りを売っている店も見られた。
ホットワインなどを売る屋台が並ぶプラハ城内広場、後方は城内で2番目に古い聖イジー教会(2017.12.3 撮影)
クリスマスツリー用のガラス飾りを売る店(2017.12.3 撮影)
城は高台にあり、東門から出たところからはプラハ市内やヴルタヴァ川の流れが見通せる。
プラハ城東門付近から望むプラハ市内の町並み(2017.12.3 撮影)
カレル橋からのヴルタヴァ川の流れ(2017.12.3 撮影)
城内部を通り、東門を出てブドウ畑の横の坂道を通りぬけて、ヴルタヴァ川に架かる橋のひとつで、最古の歴史を持つカレル橋に向かう。全長520m、幅10mの橋の両側の欄干には30体の聖者や歴史上の人物の彫像が並んでいて、多くの観光客でにぎわっていた。
橋の中央付近には、触ると幸せになれるということで、多くの観光客が台座部分を撫でるので、その部分がピカピカに輝いている聖ヤン・ネポムツキー像(1683年作)があり、この日も日本人観光客が身を乗り出して撫でていた。
台座部分がピカピカに光っている聖人・ヤン・ネポムツキー像(2017.12.3 撮影)
また、彫像の中には、アジアにキリスト教を伝道し、我々日本人にはなじみのフランシスコ・ザビエルの像も含まれている。この像ではフランシスコ・ザビエルは中国人、黒人、インド人、タタール人に担がれている。
フランシスコ・ザビエル像(2017.12.3 撮影)
カレル橋を渡り、ヴルタヴァ川東岸の旧市街地区中心部にある旧市街広場に向かうと、すでにクリスマス・マーケット目当ての観光客で賑わっていた。
旧市街広場のクリスマス・マーケットに集まる観光客、後方は聖ミクラーシュ教会(2017.12.3 撮影)
ここには、ゴシック様式の旧市庁舎の建物があり、その壁面の大きな天文時計は毎正時に12使徒の人形が交互に現れるからくり時計になっていて、これを見ようと、その前には特に多くの人々が集まっていた。
旧市庁舎のからくり時計、後方はティーン教会(壁面は工事中;2017.12.3 撮影)
この広場の時計の反対側には、ボヘミアン・グラスを扱う大きな店「ERPET BOHEMIA CRYSTAL」があって、多くの製品が展示販売されている。
広い店内には、カットガラスでは過去最高のデザインとされる500PKのワイングラス、花瓶、皿などが多数展示されていて圧倒される。また、ボヘミアン・グラスの特徴であるエングレーヴィング(英語、フランス語ではグラヴュール)による装飾が施されたグラス、花瓶なども多数みられる。
500PKデザインのカットが施されたワイングラス(高さ14.5cm)
500PKデザインのカットが施された花瓶(高さ15.5cm)
500PKデザインのカットが施されたコンポート(直径33cm)
日本製のガラス器ではカットガラスの「江戸きり子」や「薩摩きり子」が有名で、エングレーヴィングはあまりなじみの無いものであるが、このエングレーヴィングは銅製の丸い回転板に研磨粉をつけて、ガラス表面に微細な彫刻を施す技術で、ボヘミア地方で始まったとされている。
ここでは、お土産用に妻の好みの馬の彫刻のある、高さが17㎝ほどの小型の花瓶を購入した。
エングレーヴィング法で馬が刻まれている花瓶(2017.12.12 撮影)
同上の部分拡大(同上)
この広場から少し離れた通り沿いには、モーゼル社の直営店がある。モーゼル社はボヘミアン・グラスの代名詞ともいえる存在であり、1857年ドイツ国境に近いヨーロッパ有数の保養地カルロヴィ・ヴァリにガラス職人であったルードウィック・モーゼルがガラス装飾工房を創立したことに始まるとされる。
エングレーヴィングを施した繊細で芸術性に富む作品は、カルロヴィ・ヴァリを訪れる裕福な貴族の関心を集め、ハプスブルグ帝国皇帝フランツ・ヨーゼフの宮廷御用達となり、続いてヨーロッパ各国の王侯貴族に愛用されていった。
モーゼル直営店(2017.12.3 撮影)
この店の2階部分は製品の展示・販売所になっていて、まるで博物館のようなゆったりとした雰囲気の中、店内を見て回ることができる。写真撮影も自由にでき、素晴らしいガラス器の数々を堪能できた。
店内2階部分のガラス器の展示1/3(2017.12.3 撮影)
店内2階部分のガラス器の展示2/3(2017.12.3 撮影)
店内2階部分のガラス器の展示3/3(2017.12.3 撮影)
翌日、バスでウィーンに向け出発し、途中1992年に世界遺産登録されている街、チェスキー・クルムロフに観光のために立ち寄った。
この街はプラハを流れるヴルタヴァ川の上流に位置し、この川が大きくS字形に湾曲する場所にある。
チェスキー・クルムロフの案内板、S字型にヴルタヴァ川が湾曲しているのがよく分かる(2017.12.4 撮影)
旧市街を見下ろす崖の上にあるチェスキー・クルムロフ城から眺める街の景色は、うっすらと雪で覆われていて、今までに見たことがない美しさで世界遺産登録も納得できるものであった。
うっすらと雪で覆われ、美しいチェスキー・クルムロフ城からの街の景色1/22017.12.4 撮影)
この場所を、カメラのアートモードで撮影するとまるで絵画のようになる。
うっすらと雪で覆われ、美しいチェスキー・クルムロフ城からの街の景色2/2(2017.12.4 カメラのアートモードで撮影)
城を通り抜け、旧市街に向かう坂道の両脇に土産物屋がずっと続いているところがあって、道路に面したショウウインドウには、モルダヴァイトを展示しているところが多く、この地方がモルダヴァイトの産地であることを思い出させてくれた。
店のショウウインドウに並べられたモルダヴァイト原石(2017.12.4 撮影)
店のショウウインドウに飾られたモルダヴァイトの加工品(2017.12.4 撮影)
実は、昨日ここに来る前にすでにモルダヴァイトの原石をプラハで買い求めていた。あの、ガラス器を買った店で販売していたからであった。なぜか、プラハで買った値段の方が、産地に近いこのチェスキー・クルムロフよりも安かったのは意外であった。
以前鉱物標本として買ったものに較べると今回購入したものはその特徴がよく表れていて、表面には特有の皴のような構造がはっきりと表れていた。反射光と透過光で見較べると次のようなものであった。
反射光で見たモルダヴァイトの原石(凸面;2017.12.12 撮影)
透過光で見たモルダヴァイトの原石(凸面から;2017.12.12 撮影)
反射光で見たモルダヴァイトの原石(凹面;2017.12.12 撮影)
モルダヴァイトの原石の側面(2107.12.12 撮影)
この原石の形状は、およそ40mmx25mmx5mmの薄い板状で、球面の一部のように湾曲している。このガラス片の形状が、1500万年という遠い昔にどのようにして形成されたのか、そしてその後地中や水中にあって、どのようにして現在のような表面状態になってきたかという経緯をついついつい想像してみたくなるのであるが。(続く)