関西人のつぶやき

ジャズピアノプレイヤーmatsucofの音楽と日常

♬初心者ジャズピアノ教室♬

場所はさいたま市見沼区の自宅。コードや簡単な耳コピの仕方など、それぞれの方のレベルに合わせて、丁寧に教えます。珍しいヤマハの木目グランドピアノで、好きな曲を弾いてみませんか?左の「メッセージを送る」からお問い合わせ下さい。

1982年のCDと2007年のCD

2007年09月12日 10時34分22秒 | 音楽
10日にやっとこさブライアン・シンプソンの新譜「ABOVE THE CLOUDS」が届きました。1曲目の「WHAT CHA GONNA DO?」からいきなりロマンティックなピアノで、ちょっとシャカタクを思い出すような感じ。全体的にアシッド・ジャズっぽいオシャレなアルバムで、デイヴ・コズももちろん参加。どの曲もメインはピアノなので、正直なところ曲のタイトルを覚えるのは至難の業。(前作もそうでした)カフェのBGM的な聴き方ではありますが、とにかく聴いてて気持ちいいのでやっぱりブライアン・シンプソン、好き

で、昨日の朝、出かける前にポストに届いていた1枚のCDらしきもの。見知らぬ方の住所・氏名と、厳重な包装からすると、どうやらまたダンナさまがオークションで落札した品らしい。私たち、音楽の趣味がかなり重なるところと、お互いがあまり興味のない部分も結構あって、「どうせまた80年代AORボーカリストのレアなソロ・アルバムか何か」だろうと思い、封も開けずに外出しました。で、夜、開封されて出てきたCDが…。

「LITE ME UP / HERBIE HANCOCK」

や、やった~~!ついに、ついに「ライト・ミー・アップ」のCDが我が家に!!!
実は以前から欲しくて欲しくてのどから手が出るようなCDだったのです。82年発表の今作、レンタル・レコードをテープに録音してずっと聴いていました。中でも「Paradise」というバラードが大好きで、私の「バラードベスト10」を作ったら間違いなく上位にランクインするほど好きな曲。CPっぽいピアノとハービー自身が歌う優しいボーカルが、何ともいえずロマンティックで…。
その後発表された「Rock It」の入ったアルバム「FUTURE SHOCK」は実はあんまり趣味じゃなくて、私にとってのハービー・ハンコックはこの「ライト・ミー・アップ」だったんです。
ダンナさまと結婚してから、他のハービーの作品もちょくちょく買ったりしていましたが、CD店をチェックするものの大好きな「ライト・ミー・アップ」だけ売っていない。
「私これ好きなんだよね」とカセット・テープを見せたところ

「俺もこれ聴いてた」

お互い特別にハービー・ハンコック・ファンではなかったのに、このアルバムだけは高校生くらいの時に聴いていたということが、後でわかったのです。ちょっと感激でした。

CDはなぜか発売中止になっているようで、これはオークションに頼るしかないと、少し前にも入札を試みてもらったのですが、どんどん値段が上がってしまいダメでした。どうも紙ジャケットのほうは高い値段になるそうで、うちはクリアな音で聴ければ別に何だって構わないので、「出品された時は入札してね」と言ってありました。ただ、いくら欲しいCDでも中古のCDには中古のCDの適正な価格があると思うので、あまりお高いのはNG。すると今回、500円くらいのお値段から始めてくださった良心的な方がいらっしゃったそうで、お陰で適正な価格で購入できました。感謝!

で、中の解説を読んで驚いた。実はこのアルバム、ハービー・ファンにとって踏み絵のようなものだったらしい。きのうCDを聴いてみて、テープでは聴こえないクリアな音に耳をすませてみると、実はアレンジが81年発表のクインシー・ジョーンズ「愛のコリーダ」によく似ていることに気がついた。実はこの作品は「愛のコリーダ」にインスパイアされて作られたものではないかと。う~ん、確かにキーボードが全面に出てるというより、ボーカル曲も多いし、クインシー御用達のミュージシャンが多く参加しているとのこと。
それまでのジャズ・ピアノ・バリバリのハービーを期待していた人にはがっかりの作品で、賛否が分かれたらしいです。その熊谷美広さんの解説を読んでものすごく納得。

「だからうちは好きなんだ!」と。

「Paradise」のドラムはジェフ・ポーカロ、バック・ボーカルはビル・チャンプリン、アレンジはデビッド・フォスター。「LITE ME UP」のギターはスティーブ・ルカサー、パーカッションはポウリーニョ・ダ・コスタ。最後の曲ではパトリース・ラッシェンも参加。これだけの人が集まって作ったアルバムを、うちの家がキライなはずがない、と。ハービー・ファンではなく、このアルバムのファンとでも言えばよいでしょうか。そっか~、「愛のコリーダ」と発売時期もこんなに近くて、しかもこんなにすごいメンバーだったのか~と、発売後25年経って知りました。

25年前のCDと2007年9月発売のCD。どっちもいいな~。ジャズ・ファンのおじさまなんかだと、「今の音楽なんか聴けるか!」と頑なな人もいると思うけど、私は新しいもの大好き。どっちも聴けて、どっちもいいなと思えて、ほんと幸せ