関西人のつぶやき

ジャズピアノプレイヤーmatsucofの音楽と日常

♬初心者ジャズピアノ教室♬

場所はさいたま市見沼区の自宅。コードや簡単な耳コピの仕方など、それぞれの方のレベルに合わせて、丁寧に教えます。珍しいヤマハの木目グランドピアノで、好きな曲を弾いてみませんか?左の「メッセージを送る」からお問い合わせ下さい。

KK JAM Live Special Guest 横田明紀男 2007.9.5

2007年09月11日 21時10分08秒 | 音楽
数ヶ月に1回のライブ参戦、このところほとんどが雨です。特に今回は台風9号が関東に上陸か、という前日。すでにかなり強い雨が断続的に。9月に入って娘の調子が悪く、その日もあまり元気がない様子でしたが、「行っても行かなくてもたぶん同じだと思う」とのダンナさまのありがたい後押しに、えい!と電車に乗りました。
BAJ近くのお店でjunkoさんと落ちあい、2月のKK JAM以来約7ヶ月ぶりのBAJへ。いつもの窪田特等席には、いつものお2人さんが先に座っていらっしゃいました。
今回のキーボードは下から1、5オクターブ分の足鍵盤、MOTIF7、その上にD-DECK。
奥にはスタインウェイのピアノもスタンバイ。昨年の秋に初めて窪田さんのピアノを聴いて涙したことを懐かしく思い出しつつ、KK JAMは時々来れない時もあるというのに、私って何てラッキー!と、ピアノへの期待も高まります。

照明が暗くなり、まず3人で登場。今日の窪田さんはTRIXでよく見かけるグレーがかったジーンズに、上はBAJの黒Tシャツ。すぐに曲にいくかと思ったら、珍しく窪田さんのMCから始まりました。何でかな~と思っていたらその理由は窪田さんの服装にありました。勝田さんのツッコミで最初は「いや~、BAJのTシャツを宣伝しようかと思って」と言っていた窪田さんでしたが、実は本日の衣装を忘れたとのこと。後で「Walk'in」の足カメラで素足に革靴がアップになり、靴下も含めて一式をお忘れになったことがわかり、場内が大爆笑になっていました。楽器を忘れたらシャレになりませんが(そういえば以前小野塚さんのライブで、納浩一さんがエレキベースを忘れ、借り物で弾いておられたことがありました!)黒のTシャツはとってもお似合いなので、違和感なくてよかったです。

そんな暴露から始まったライブ、1曲目はいきなり「Duration」でした。このところTRIXの窪田さんばかり連続して観ていたので、久々のKK JAMが新鮮で、やっぱりどちらもかっこいいな~と。2曲目の「Kool Tune」も久し振りで、MOTIFでのピアノが素敵でした。
3曲目で本日のスペシャル・ゲスト、横田明紀男さんが登場。シルバーの帽子に黒のノースリーブ、レンガ色のジーンズと、いかにも百戦錬磨のギタリスト!といったいでたち。「Moment」をブルージーなギターで彩るのを聴くと、う~ん、何だかKK JAMじゃないみたい。ギターが加わると、こうも印象が変わるものなんですね。
窪田さんは以前NYで、フライドプライドのライブをご覧になったそうで、その時の横田さんの印象を「とにかくギターがうまい!」と。今回一緒にライブができることをとてもうれしく思っている、というようなことをおっしゃっていました。
何でも横田さんは、窪田さん、石川さんと同じいのしし年生まれのB型なんだそうで、A型41歳の勝田さんがやけに疎外感と、B型おやじ3人の扱いの大変さを力説されてたのがおかしかったです。B型の人は「おもちゃを出したら出しっぱなし」という性格なんだそう。

「Latch Mode」に続いて「Tune Req」では、しっとりとアコースティックな感じで、ギターがとても良かったです。この曲の時だったでしょうか。窪田さんがしきりに空を見上げるように上を向いて弾いておられるのを見て「これだ!」と。以前私がミニライブで鍵盤を凝視して弾いているのを、ピアノの先生ママさんに指摘され、「時々前を向いて弾くと、客席は見なくても少し余裕があるように見えていいかも」と。窪田さんの上を見上げる姿は、演奏に入り込んでいる様子が伺えると同時に、とてもかっこよくて、「これはマネしよう」と思いました。

曲が終わり、普通にMCが始まるのかと思ったら、いきなり窪田さんが私たちの席に向かって

「はながみ、あります?…ティッシュ」

えええ~~~???そ、そんな、いきなり!何だかものすごくうろたえてしまい、かばんの中を探したのですが、その日に限っていつも入れている内ポケットに入れてなくて、あまりごそごそするのもみっともないし…。あ、でも同じ席の人が誰か持っているだろうし、と思っていたら、たまたま誰も持っていなくて…。窪田さんには

「女性なのに、ないの?」

と言われてしまい、私たちの後ろの席の男性が消費者金融のティッシュを手渡すと

「あ、男性が持ってた!」と。
窪田特等席、撃沈…。

横田さんとのコラボに感動した窪田さん、曲を弾きながら泣けて来たんだそうです。それってとても素敵なことですね。いいな~。ステージ上で2回鼻をかむ窪田さんに勝田さんが「ヒロシ、もういい?」と。相変わらず笑えるKK JAMのMC。
1部最後は横田さんが「ジョン・マフラクリン?マクラフリン?」に影響を受けて作った「シャクティー?」という曲。(客席から「そんまんま」とつっ込まれて?が付くことを強調)
さすが自前の曲!ギターがめちゃめちゃ際立っていました。わりとハードな感じの曲調で今までに聴いたことがないロックっぽいKK JAMもかっこいいなあ、と。1部が終わり、休憩時間はもちろん、junkoさんたちとティッシュの反省会。

いまだはっきりとしたタイトルを知らない新曲(といってももう何度か聴きましたが)からスタートの2部。2曲目は3人にステージ上からハケてもらっての横田さんのソロで「スペイン」を。アコースティック・ギターでさすがの迫力でした。ふいに頭をかすめてしまう「私、KK JAMを観に来たんだけど…」との疑問はさておき、素晴らしいギター・ソロでした。
次にようやく生ピアノの登場。イントロはそれはそれは流麗で華麗なタッチ。ジャズともクラシックともいい難く、「こんなの弾けるの、窪田さんだけ?」と思ってしまいました。ほんといつ聴いても窪田さんのピアノは、心から素敵だな~って思います。ピアノだけをずっと聴いていたい…。曲はKool Jammingから「Smooth In Love」でした。静かめの曲には横田さんのギターがグッド・マッチング!4人のKK JAMもアリ、かも。

曲芸コーナー「Walkin'」、いつ見てもあざやかな足さばき。曲の後KK JAMの印象を聞かれた横田さんは「足、すごいですね~」と一般のお客さんのような感想を普通におっしゃっていました。横田さんの一言一言は、シャイで淡々とした中に妙な面白さがあって、何だかにくめない人だな~と。
「Wind It Up」で盛り上がった後、アンコールは再び横田さんの曲でした。イントロがモロにブルースだったので、ブルース苦手の私は「ええ~?」と思ったけれど、コール・アンド・レスポンスあり、窪田さんのブルージーで超かっこいいオルガン・サウンドも聴けて、これもまたアリ!かと。大盛り上がりのうちにライブは終了しました。

ギターが入った分、キーボードやサックスの割合が減って、もっと聴きたいな~と思ってしまったりしたけれど、ギターが入ることによって当然音も厚くなるし、何よりジャム・セッションな感じが名前の通りで(横田さんは「YKK JAM」と呼んでました)かっこいいんじゃないかな、と思いました。
初めて聴いた横田さんのギターは、誰に似てるとか言えない独特の個性(ジャジーだったりブルージーだったり)があって、ギターという楽器がこんなにも弾く人によって個性が出るものなんだということを改めて知りました。(平井くんのギターとはほんとに全く違うんです)それと何よりキーボードでは出せない音だということも。鍵盤楽器もすごいけど、ギターという楽器も何かものすごい技をいっぱい持った楽器なのでした。
また次もあるかも・・・というニュアンスを残してライブは終わりました。今後も時々はこういう形で見たいかも。ただ3人だけのKK JAMも好きなので、そこんとこ、よろしくです。