2016年11月4日 御母衣ダム
御母衣で『みぼろ』と読みます。
御母衣ダムは岐阜県大野郡白川村の庄川本流上流部にある電源開発の発電用ロックフィルダムです。
豪雪地帯に加えて急流河川である庄川では戦前より電源開発が進み1930年(昭和5年)に小牧ダム、祖山ダムといった当時としては屈指の規模を誇るダムが建設されました。
1939年(昭和14年)に設立された日本発送電は庄川の水量を生かすため、庄川最上部に大容量貯水池を伴う巨大ダムの建設を目論み、戦後関西電力が計画を引き継ぎます。
ところが建設予定地の地質は脆弱で事業は困難が予想されるため事業主体は電源開発に移管され、1961年(昭和36年)に日本初の堤高100メートル強の巨大ロックフィルダムとして御母衣ダムが竣工しました。
御母衣ダムは奥只見ダム、田子倉ダムとともに電源開発の3大ダムとして『OTM3大ダム』と称されています。
ダム左岸地下に建設された御母衣発電所で最大出力21万5000キロワットの発電を行うほか、庄川下流にある関西電力の各発電所や砺波平野の灌漑用水の水源として重要な存在となっています。
白川郷から国道156号線を南下すると正面に御母衣ダムの巨大なロックフィルの堤体が姿を現します。
あいにくの逆光でちょっと見づらい写真となりました。
ダム下にあるのは開閉所で、発電所はダムの左岸(写真右手)地下にあります。
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左岸ダムサイトから
洪水吐ゲートと取水塔
発電に使われた水はトンネル放流路で庄川をバイパスして約9キロ下流の鳩谷ダム湖に放流されます。
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上流面。
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左岸洪水吐。
越流部に切れ込みがありゲートが設置されています。
これはドラムゲートで、ゲートの下が空洞になっており水がたまると浮力でゲートが起動する仕組みです。
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逆アングルから洪水吐と取水塔。
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下流面
投石射水工法で建設された堤高131メートルのリップラップ。
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直下には開閉所。
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天端は中央まで通行可能
ダム周辺はちょうど紅葉の見ごろ。
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ダム湖(御母衣湖)
総貯水容量3億7000万㎥が下流の発電のみならず砺波平野の農業も支えます。
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御母衣電力館玄関先の水車。
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紅葉に映えるMIBOROダムサイドパーク御母衣電力館。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/24/7dcc3801bf88716ff55e0cd2d2cd42f6.jpg)
(追記)
御母衣ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
1095 御母衣ダム(0685)
左岸 岐阜県大野郡白川村牧
右岸 同村長瀬
庄川水系庄川
P
R
131メートル
405メートル
370000㎥/330000㎥
電源開発(株)
1961年
◎治水協定が締結されたダム
やはり見渡しが良いですね。
秋町集落が沈んでいる辺りは緩やかな勾配で一度は行きたいダムだと思いました。
訪問時は逆光のため下流側からいい写真が撮れませんでしたが、周辺の紅葉は素晴らしかったです。
湖畔には有名な荘川桜もあり、山の残雪と新緑が楽しめる春もいいようです。