ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

三面ダム

2016-06-20 15:46:04 | 新潟県
2016年6月18日 三面ダム
 
三面(みおもて)ダムは左岸が新潟県村上市岩崩、右岸が同市千縄の二級河川三面川本流にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで1953年(昭和28年)竣工と新潟県土木所管ダムとしては最初に建設されました。
2001年(平成13年)に上流に完成した奥三面ダムと連携して三面川の洪水調節を行うほか、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、新潟県企業局三面発電所での最大3万キロワットのダム式発電初を目的としています。
 
今回は先に奥三面ダム訪問し、帰りに三面ダムに立ち寄りました。
県道349号の樹間からなんとかダムと正対できます。
クレストラジアルゲート4門、新潟県土木部所管ダムではおなじみ赤いゲートです。
 
県道から標識に従ってダムへと向かいます。
ダム直下の発電所への道は関係者以外立ち入り禁止でダムを下流正面から見ることはできません。
途中で開けた場所がありダム半分と発電所が見えます。
 
右岸から。
 
同じ場所からズームアップ。
扶壁の色が違っておりこの部分が改修されたことがわかります。
 
ダム右岸の管理事務所手前の遺構
ケーブルクレーの台座跡かな?
 
天端は歩行者のみ開放。
機械室が並ぶ所がクランクになって盛り上がっており、ここが改修された箇所だと思われます。
奥は管理事務所です。
 
天端から導流壁と減勢工を見下ろします。
昭和20年代らしく導流壁は直線
左手は三面発電所。
 
アングルを変えて。
 
豪雪地帯らしく屋根は切妻。
 
0741 三面ダム(0462)
左岸 新潟県村上市岩崩
右岸     同市千縄
三面川水系三面川
FNP
82.5メートル
205メートル
47800千㎥/32940千㎥
新潟県土木部
1953年

奥三面ダム

2016-06-20 13:47:09 | 新潟県
2016年6月18日 奥三面ダム
 
奥三面(おくみおもて)ダムは新潟県村上市三面の二級河川三面川本流上流部にある新潟県土木部が管理する多目的アーチ式コンクリートダムです。
三面川には1953年(昭和28年)に新潟県により三面ダムが建設されていましたが、1967年(昭和42年)8月の羽越豪雨では計画量を越える水量を記録し流域で多大な洪水被害が発生しました。
これを受け県は1971年(昭和46年)に三面ダムの上流への新たな多目的ダム建設を採択しますが、国立公園隣接地へのダム建設ということで事前調整が難航、1988年(平成元年)にようやく本体工事にこぎつけました。
さらに豪雪地帯のため工期は夏期に限定され13年の年月をかけ2001年(平成13年)に奥三面ダムが竣工しました。
奥三面ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、三面ダムと連携した三面川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、新潟県企業局奥三面発電所での最大3万4500キロワットのダム水路式発電を目的としています。
2001年竣工は広島県の温井ダムとともに日本のアーチ式コンクリートダムとしては最後の竣工となりますが、当ダムのほうが先に竣工したため『我が国最後のアーチダム』という称号は温井ダムに譲ることになります。
ただ、最新のアーチダムであることに変わりはなく日本ダム協会により日本100ダムに選定されています。
 
三面ダムから朝日スーパーラインを進むと奥三面ダムに到着します。
堤体中央にオリフィス予備ゲートが見えます。
 
左岸下流側から
クレスト自由越流頂3門、自然調節式オリフィス1門のゲートレスアーチです。
このほか低水放流設備としてハウエルバンガーバルブ1条、底部放流設備1条を備えています。
 
導流壁に沿った管理通路がまるでおもちゃのように見えます。
 
こちらはハウエルバンガーバルブ。
 
山留めやフーチングのごつごつ感ががっちりしたアーチとマッチして見えます。
 
なんとこんなところで高山植物のお花畑が!!
ニッコウキスゲが満開。
 
クレスト自由越流頂。

減勢工。
豪雪地帯のため険しい渓谷両岸はアバランチシュート地形になっています。

右岸から
河川維持用のバルブ放流が行われていました。
対岸は管理事務所です。

手前が低水放流設備のハウエルバンガーバルブ
奥は底部放流設備からの河川維持放流。
 
天端は車道で車両通行可能です。
釣りや登山と思われる地元ナンバーの車が数台通り過ぎてゆきました。
 
下流の猿田発電所の対岸にある奥三面発電所です。
奥三面ダムの取水口からここに送水されています。
 
0791 奥三面ダム(0461)
新潟県村上市三面
三面川水系三面川
FNP
116メートル
244メートル
125500千㎥/108000千㎥
新潟県土木部
2001年

猿田ダム

2016-06-20 11:58:26 | 新潟県
2016年6月18日 猿田ダム
 
猿田ダムは新潟県村上市三面の二級河川三面川水系猿田川にある新潟県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編により新潟県は東北電力の管轄となりますが包蔵水力豊富な新潟県では同社だけでは開発の手が足りず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
企業局は県土木部の三面ダム建設事業に発電事業者として参加しまず1952年(昭和27年)に三面発電所(最大出力3万キロワット)が稼働、次いで支流猿田川に1955年(昭和30年)に建設されたのが猿田ダムです。
ここで取水された水は約2キロの導水路で猿田発電所(最大出力2万1800キロワット)に送られダム水路式発電を行います。
さらに2001年(平成13年)には奥三面ダムを水源とした奥三面発電所(最大出力3万4500キロワット)が稼働し、三面川での県企業局の発電能力は計8万6300キロワットに達しています。
 
三面ダムから上流に進み、奥三面ダム入り口をやり過ごし朝日スーパーラインを進むと猿田ダムからの水圧鉄管が現れます。
 
さらに進むとダムへの管理道路となりますが、関係者以外立ち入り禁止。
 
 
少し進むと樹間から猿田ダムを見ることができます。
たぶんここが猿田ダムを望める唯一のポイントだと思います。
 
ズームアップしてみます。
クレストに赤いラジアルゲート2門装備
昭和20年代の発電ダムらしく、ゲート部部の管理橋が高くなっています。
 
簡易な管理事務所、遠隔操作のため職員の常駐はありません。
 
朝日スーパーラインを戻り発電所を見てみます。
手前が猿田発電所、奥は奥三面発電所です。隣接しますがそれぞれ取水ダムが異なります。
 
 
0742 猿田ダム(0460)
新潟県村上市三面
三面川水系猿田川
48.5メートル
114.3メートル
11740千㎥/3950千㎥
新潟県企業局
1955年