ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

胎内第2ダム

2016-06-13 17:49:00 | 新潟県
2016年6月11日 胎内第2ダム
 
胎内第2ダムは新潟県胎内市宮久の二級河川胎内川本流にある新潟県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編により新潟県は東北電力の管轄となりますが包蔵水力豊富な新潟県では同社だけでは開発の手が足りず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
胎内川では1957年(昭和32年)より県企業局による電源開発が進められ、まず1959年(昭和34年)に完成したのが胎内第2ダムです。
ここではダム直下の胎内第2発電所で細大3600キロワットのダム式発電が行われています。
さらに3年後の1962年(昭和37年)には上流に胎内第1ダム・発電所(最大出力1万100キロワット)が完成、現在はさらに2基増設され第1~第4発電所併せて1万9200キロワットの発電能力を有しています。
 
胎内川沿いを走る県道53号を奥胎内ヒュッテに向かって進むと、右手に胎内第2ダムが見えてきます。
緑色のシングルゲートのダムは、緑の森の中に同化してるかのようです。

 
同じ場所からズームアップします。
ダム直下右岸側(向かって左)に胎内第2発電所があるのですが樹林に隠れて見えません。

積雪対策で切妻になった機械室とまっすぐに下りてゆく導流壁が特徴です。
 
残念ながらダムは立ち入り禁止。
 
総貯水容量285万立米のダム湖
数字ほど大きな貯水池には見えませんが、上流に細く長く続きます。

新潟県企業局のダムでは管理事務所じゃなく「見張所」。
 
0747 胎内第2ダム(0446)
新潟県胎内市宮久
胎内川水系胎内川
41.5メートル
90メートル
2850千㎥/1780千㎥
新潟県企業局
1959年

大石ダム

2016-06-13 16:02:00 | 新潟県
2016年6月11日 大石ダム
 
大石ダムは新潟県岩船郡関川村大石の一級河川荒川水系大石川にある国交省北陸地方整備局が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨では荒川水系を中心に新潟県下越地方と山形県で死者100名を超える甚大な被害が発生、これを機に国は二級河川だった荒川を一級河川に格上げし直轄事業による治水に乗り出します。
建設省(現国交省)は荒川本流にダム建設適地がなかったことから、主要支流である大石川への治水ダム建設を進め、これに発電事業者として荒川水力電気(株)が事業参加し1978年(昭和53年)に竣工したのが大石ダムです。
大石ダムは国交省が直轄管理する特定多目的ダムで大石川および荒川下流域の洪水調節、荒川水力電気大石発電所での最大1万900キロワットのダム式水力発電を目的としています。
その後2008年(平成20年)には荒川上流域最大支流である横川に横川ダムが完成し、荒川水系の治水能力は大きく向上しています。
また2015年(Lせて公園が整備されましたが、ちょっと荒れ気味。
クレストラジアルゲート2門、コンジット高圧ラジアルゲート1門、ホロージェットバルブ1条を備えています。
導流壁右手の管路はホロージェットバルブの放流管。



赤いラジアルゲート
新潟県営ダムでは赤いゲートが定番。
ここは国交省直轄ですがやはり赤いゲート。 


右岸下流から
堤体から発電用水圧鉄管が突き出ています。
一方手前のホロージェットバルブから河川維持放流中。


ゲートハウスとエレベーター棟。


照明に止まるハヤブサ
大石ダムでは毎年は営巣するそうです。


羽越豪雨の説明板。


竣工記念碑。


右岸管理事務所前のダムのモニュメント。


天端は徒歩のみ開放。
職員さんの心づかいの花のプランターがうれしいですね。


ゲート越しの減勢工
減勢工左手が利水放流設備となるホロージェットバルブ。


総貯水容量2280万立米の『おおいし湖』
洪水期は有効貯水容量1780万立米の大半が洪水調節容量となります。
訪問時は洪水期に向けて水位が下げられていました。


左岸のトンネルには関川村に伝わる『大したもん蛇』をモチーフにした壁画が描かれています。 
大蛇伝説や竜神伝説は洪水や土石流を由来とし、大石川や荒川が暴れ川である証ともいえます。


上流面
水位が下がっているので各設備がよく見えます。
右手は管理事務所
主ゲートの下にはコンジット予備ゲート、その左がホロージェットバブル取水口
さらに左手が発電用取水設備。
 
大石ダムをはじめ、新潟県中下越地方の治水・多目的ダムの多くは羽越豪雨を契機に建設されました。
ダム知ることは水害を知ること、つまり防災意識を高めることに紛いありません。

(追記)
大石ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0775 大石ダム(0445)
新潟県岩船郡関川村大石
荒川水系大石川
FP
87メートル
243.5メートル
22800千㎥/17800千㎥
国交省北陸地方整備局
1978年
◎治水協定が締結されたダム

鷹の巣ダム

2016-06-13 15:08:00 | 新潟県
2016年6月11日 鷹の巣ダム
 
鷹の巣ダムは左岸が新潟県岩船郡関川村大内渕、右岸が同村湯沢の一級河川荒川本流にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
もともと当地には東北電力の旧鷹の巣発電所がありましたが、老朽化を受けて1996年(平成8年)に再開発が着手されました。
新しい鷹の巣ダムは2000年(平成12年)に竣工、ダム式発電所の2代目鷹の巣発電所は翌2001年(平成13年)より運用が開始され最大1万5700キロワットのダム式発電を行っています。
建設当時は新鷹の巣ダムという名称でしたが、完成後に鷹の巣ダムに変更されました。
 
ダムは荒川が大きく蛇行した先にあり、国道113号から見ることはできません。
ダムへ通じる旧道は通行止で立ち入ることはできませんでした。


あきらめてて引き返そうとしたのいですが、国道113号の片貝トンネルの脇から山へ通じる踏跡が見つかりました。
藪こぎ覚悟で突進したら、ラッキーなことに樹間からダムが見えました。


こちらは発電所です。
2000年竣工ということでコンクリートはまだきれいに見えます。
発電所の手前から魚道が伸びでいます。
 
さらに先へ進むと、ダム全体が見えました。
8門のラジアルゲートがあります。


扶壁上にゲート操作室が並び、管理橋で結ばれています。
ほかの東北電力のダムでは見られないデザインです。
 
(追記)
鷹の巣ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3249 鷹の巣ダム(0444)
左岸 新潟県岩船郡関川村大内渕
右岸        同村湯沢
荒川水系荒川
28メートル
177メートル
1865千㎥/1810千㎥
東北電力(株)
2000年
◎治水協定が締結されたダム

赤芝ダム

2016-06-13 12:47:00 | 山形県
2016年6月11日 赤芝ダム
 
赤芝ダムは山形県西置賜郡小国町玉川の一級河川荒川本流にある赤芝水力発電(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1954年(昭和29年)に東芝セラミックスの前身である電気金融(株)(のちの東芝電興業)によって同社小国製造所の精錬向け自家発電施設として建設されました。
2007年(平成19年)に東芝セラミックスが外資に買収されたのち、2010年(平成22年)に発電部門が赤芝水力発電として独立、現在はクリーンエネルギー事業を手掛けるリニューアブルジャパン(株)の傘下となっています。
赤芝発電所で最大5200キロワットのダム式発電を、1999年(平成11年)に増設された第2赤芝発電所で最大6000キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
日本海東北自動車道の荒川胎内インターチェンジから関川に沿って国道113号を東に向かい、新潟から山形県に入ったすぐ先に赤芝ダムがあります。
上流から。
左は国道113号線のスノーシェッドです。
 
ダムへの道路は入り口で立ち入り禁止です。

ダムに隣接したて赤芝発電所。

国道から見下ろしますが、肝心のダムはうまく見ることができません。
 
さらに下流から
 
同じ場所からズームアップしますがこれが限界です。
ゲートや導流面を見ることはできませんでした。

よく見えないことは事前の予習で分かっていましたが、やはり見えそうで見えないのは少し残念です。
 
(追記)
赤芝ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0423 赤芝ダム(0442)
山形県西置賜郡小国町玉川
荒川水系荒川
31.8メートル
57.3メートル
2078千㎥/1632千㎥
赤芝水力発電(株)
1954年
◎治水協定が締結されたダム