ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

奥三面ダム

2016-06-20 13:47:09 | 新潟県
2016年6月18日 奥三面ダム
 
奥三面(おくみおもて)ダムは新潟県村上市三面の二級河川三面川本流上流部にある新潟県土木部が管理する多目的アーチ式コンクリートダムです。
三面川には1953年(昭和28年)に新潟県により三面ダムが建設されていましたが、1967年(昭和42年)8月の羽越豪雨では計画量を越える水量を記録し流域で多大な洪水被害が発生しました。
これを受け県は1971年(昭和46年)に三面ダムの上流への新たな多目的ダム建設を採択しますが、国立公園隣接地へのダム建設ということで事前調整が難航、1988年(平成元年)にようやく本体工事にこぎつけました。
さらに豪雪地帯のため工期は夏期に限定され13年の年月をかけ2001年(平成13年)に奥三面ダムが竣工しました。
奥三面ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、三面ダムと連携した三面川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、新潟県企業局奥三面発電所での最大3万4500キロワットのダム水路式発電を目的としています。
2001年竣工は広島県の温井ダムとともに日本のアーチ式コンクリートダムとしては最後の竣工となりますが、当ダムのほうが先に竣工したため『我が国最後のアーチダム』という称号は温井ダムに譲ることになります。
ただ、最新のアーチダムであることに変わりはなく日本ダム協会により日本100ダムに選定されています。
 
三面ダムから朝日スーパーラインを進むと奥三面ダムに到着します。
堤体中央にオリフィス予備ゲートが見えます。
 
左岸下流側から
クレスト自由越流頂3門、自然調節式オリフィス1門のゲートレスアーチです。
このほか低水放流設備としてハウエルバンガーバルブ1条、底部放流設備1条を備えています。
 
導流壁に沿った管理通路がまるでおもちゃのように見えます。
 
こちらはハウエルバンガーバルブ。
 
山留めやフーチングのごつごつ感ががっちりしたアーチとマッチして見えます。
 
なんとこんなところで高山植物のお花畑が!!
ニッコウキスゲが満開。
 
クレスト自由越流頂。

減勢工。
豪雪地帯のため険しい渓谷両岸はアバランチシュート地形になっています。

右岸から
河川維持用のバルブ放流が行われていました。
対岸は管理事務所です。

手前が低水放流設備のハウエルバンガーバルブ
奥は底部放流設備からの河川維持放流。
 
天端は車道で車両通行可能です。
釣りや登山と思われる地元ナンバーの車が数台通り過ぎてゆきました。
 
下流の猿田発電所の対岸にある奥三面発電所です。
奥三面ダムの取水口からここに送水されています。
 
0791 奥三面ダム(0461)
新潟県村上市三面
三面川水系三面川
FNP
116メートル
244メートル
125500千㎥/108000千㎥
新潟県土木部
2001年


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