ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

早出川ダム

2016-06-16 15:50:19 | 新潟県
2016年6月12日 早出川ダム
 
早出川ダムは新潟県五泉市小面谷の一級河川阿賀野川水系早出川にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)8月の羽越豪雨により新潟県下越地方で甚大な洪水被害が発生し、これを契機に県は各河川の治水対策に乗り出します。
早出川では1969年(昭和44年)に多目的ダム建設が採択され、1974年(昭和49年)に着工し1979年(昭和54年)に竣工したのが早出川ダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで早出川の洪水調節、早出川流域約1500ヘクタールの水田への灌漑用水の供給、新潟県企業局田川内発電所での最大7100キロワットのダム式発電を目的としています。
 
村松市街から早出川に沿って県道を東進し、早出川ダムの標識に従って県道564号に入ったドン詰まりが早出川ダムです。
ダムの手前に堤体下に続く道がありましたが、残念ながら通行止め。
 
ダム右岸に駐車場から。

ダム湖の水位は非常に低くなっています。
メインが洪水調節というだけじゃなさそう。
 
2日前に管理事務所裏の法面がいきなり崩壊したそうで、復旧工事が行われていました。
管理事務所に被害がなくて何より。
 
ゲート越しに減勢工を見てみます。
新潟県土木部所管ダムではおなじみの赤いゲート。
 
減勢工右手は田川内発電所。

総貯水容量1490万立米のダム湖。
訪問時、渇水により水位低下状態でした。

長いインクライン
 
ダムではハヤブサが営巣してるそうで事務所内に写真がたくさん展示されていました。
新潟の県営ダムは職員さんや管理人さんの対応が素晴らしいのですが、とくに早出川ダムは情報の発信に熱心に取り組んおられるという印象を受けました。

(追記)
早出川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0776 早出川ダム(0456)
新潟県五泉市小面谷
阿賀野川水系早出川
FAP
82.5メートル
240メートル
14900千㎥/11500千㎥
新潟県土木部
1979年
◎治水協定が締結されたダム

門前溜池(シュンガ入堤)

2016-06-16 14:18:46 | 新潟県
2016年6月12日 門前溜池(シュンガ入堤)
 
門前溜池は新潟県五泉市橋田にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には村松郷土地改良区の事業で1901年(明治34年)に竣工と記されており、水利組合もしくは耕地整理組合の事業つまり受益農家の持ち出して建設されたと思われます。
現在の管理者は五泉市です。
ダム便覧では門前溜池(別名 シュンガ入堤)となっていますが、新潟県ため池データベースでは『シュンガ入堤』、国土地理院地形図では『シスンガ入堤』となっています。
またため池データベースの堤高は13.3メートルとなっておりダムの要件を満たしていません。
 
溜池は五泉市と新潟市境界の菩提寺山の登山口脇にあります。
現地の登山案内板。
 
登山道入り口の右手に溜池の堤が見えます。
 
溜池の下には登山者用の立派な駐車場があり地元では人気の山のようです。
 
下流面はきれいに刈られています。
堤高は15メートルあるかどうか?
 
天端
 
総貯水容量7万8000立米の小さな溜池です。

右岸の尺八樋。
 
これが洪水吐のようです。
 
溜池下の底樋管
ここには洪水吐からの水路も合流します。
 
 
溜池のそばにお地蔵様が祭られていました。
坂下という名前から溜池とは関係なく菩提寺山に由来するものでしょう。
 
0716 門前溜池(シュンガ入堤)(0455)
ため池コード 152180005
新潟県五泉市橋田
信濃川水系能代川
15メートル(ため池データベース 13.3メートル
51メートル(ため池データベース 53.5メートル)
78千㎥/78千㎥
五泉市
1901年