ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

加治川治水ダム

2016-06-14 22:56:31 | 新潟県
2016年6月11日 加治川治水ダム

加治川治水ダムは左岸が新潟県新発田市東赤谷、右岸が同市滝谷の二級河川加治川本流にある新潟県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨を契機に新潟県は県所管各河川の治水対策に乗り出します。
加治川では支流の内の倉川に農林省(現農水省)が農業用ダムとして建設を進めていた内の倉ダムを洪水調節容量を持つ多目的ダムに計画変更するとともに、本流上流部への治水ダム建設を進めます。
そして1973年(昭和48年)の内の倉ダム竣工に次いで翌1974年(昭和49年)に竣工したのが加治川治水ダムです。
加治川治水ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、胎内川の洪水調節を目的としています。
1992年(平成4年)には河川維持放流を利用した新潟県焼峰発電所(最大出力1100キロワット)が増設され、小水力発電が開始されました。

会津通りと呼ばれる県道14号から加治川沿いの県道335号に入り川上に進むと右手に加治川治水ダムが見えてきます。
ダム下流にはヘリポートがつくられ、この写真はそこから撮りました。
放流設備はクレストラジアルゲート1門のほか、写真では見えませんがコンジット高圧ラジアルゲート2門を装備。


クレストゲートは新潟県営ダムでは定番の赤いラジアルゲート。


正面から
コンジットのゲートハウスがわずかに見えます。


堤頂部は襟がなく、堤頂から緩やかなカーブを描きます。


上流面
もっと正面からゲートを見たかったのですが立ち入り制限がありこれが精いっぱい。
有効貯水容量すべてが洪水調節容量となるためこれで常時満水位。
溜まっている水は堆砂容量となります。


ダムサイトの記念碑。


徒歩のみ開放。
正面は管理事務所。


インクラインがなく、巡視艇昇降用のクレーンが設置されています。
刈谷田川ダム胎内川ダムなど新潟県営のダムではおなじみの設備です。


洪水吐導流部と減勢工。


こちらは1992年(平成4年)に増設された焼峰発電所
治水専用ダムのため、流入量はそのまま放流されますがその放流水を利用しての小水力発電です。


左岸から下流面。


左岸から上流面
こちらからも上流面はこれが精いっぱい。


ダム湖は総貯水容量2250万立米、堆砂容量を除く有効貯水容量1800万立米すべてが洪水調節容量となる治水専用ダムです。
普段は空っぽのダム湖を利用した公園が設けられていますが、訪問時は立ち入り禁止。


左岸に脆弱地盤があるため、接岸部にはアンカーボルトが並びます。

2017年(平成29年)6月の観光放流に際して、下流で親子連れが流される水難事故が発生、ダムの運用に際して安全の最優先、規則等の遵守、危機管理への対応が問われる事案となりました。

0766 加治川治水ダム(0450)
新潟県新発田市滝谷
加治川水系加治川
106.5メートル
285.5メートル
22500千㎥/18000千㎥
新潟県土木部
1974年

胎内第1ダム

2016-06-14 17:53:00 | 新潟県
2016年6月11日 胎内第1ダム
 
胎内第1ダムは新潟県胎内市宮久の2級河川胎内川本流にある新潟県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編により新潟県は東北電力の管轄となりますが包蔵水力豊富な新潟県では同社だけでは開発の手が足りず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
胎内川では1957年(昭和32年)より県企業局による電源開発が進められ、1959年(昭和34年)の胎内第2ダム・発電所についで1962年(昭和37年)に完成したのが胎内第1ダムです。
ここで取水された水は約6.3キロの導水路で胎内第1発電所に送られ最大1万1000キロワットのダム水路式発電を行っています。
現在はさらに2基の発電所が増設され第1~第4発電所併せて1万9200キロワットの発電能力を有しています。
 
胎内第2発電所から上流に向かうと第1発電所が現れます。
最大1万1000キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
胎内川ダムをやり過ごしさらに上流に向かうと、『胎内第一ダム』の大きなと看板が現れます。
 
右岸から
 
ダムへは写真のような被覆された通路が続いています。
見た目に立ち入り禁止だと思い入りませんでしたが、実は天端は対岸の登山道に続き立ち入りできたようです。
 
堤体中央にクレストローラーゲート1門
その右手に発電所への取水口
豪雪地帯らしく巻き上げ機や機械室は被覆され、屋根は雪が落ちやすい様に傾斜しています。
 
 
0749 胎内第1ダム(0448)
新潟県胎内市宮久
胎内川水系胎内川
35メートル
68メートル
923千㎥/166千㎥
新潟県企業局
1962年

胎内川ダム(元)

2016-06-14 13:53:00 | 新潟県
2016年6月11日 胎内川ダム(元)
 
胎内川ダム(元)は新潟県胎内市宮久の二級河川胎内川本流にある新潟県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨では新潟県下越地方各河川で甚大な工事被害が発生、これを契機に新潟県は各河川の治水対策に乗り出します。
胎内川では1967年(昭和42年)から治水ダム建設事業が着手され、1976年(昭和51年)に竣工したのが胎内川ダム(元)です。
胎内川ダム(元)は建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、胎内川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的としています。
また1980年(昭和55年)には河川維持放流を利用した黒川村(現胎内市)管理の風倉発電所(最大出力2000キロワット)が完成し小水力発電が開始されました。
胎内川では2018年(平成30年)に最上流部に奥胎内ダムが完成する一方、胎内川ダムについては2019年(令和元年)に『胎内川ダム再生事業』が採択されました。
同事業では放流能力強化のための新放流設備増設が計画されています。
 
胎内川第2ダムから県道53号を遡上すると、赤いゲートが目立つ胎内川ダム(元)が現れます。

ゲートをズームアップ。
クレストラジアルゲート1門、オリフィス高圧ラジアルゲート2門を装備。
オリフィスのゲートは赤い舌を出し『あっかんべえ』をしてるように見えます。


インクラインがなく船の昇降はクレーンで行うようです。
ただ職員さんの話ではこのクレーンは故障中。


天端は徒歩のみ開放。

減勢工
深い渓谷のためか、山留めはちょっと複雑な構造です。

赤いゲートを上から

左岸にプラント跡があり展望台になっています。


展望台からはダムを俯瞰。


右岸の駐車場はヘリポートも兼ねています。


上流から。
防災が主目的のため水位は低くなっています。
 
0768 胎内川ダム(元)(0447)
新潟県胎内市宮久
胎内川水系胎内川
FN
93メートル
215メートル
17100千㎥/12000千㎥
新潟県土木部
1976年
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3704 胎内川ダム(再)
新潟県胎内市宮久
胎内川水系胎内川
FN
93メートル
215メートル
17100千㎥/12000千㎥
新潟県土木部
2019年~