ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

竹沼ダム

2016-03-29 15:00:00 | 群馬県
2016年3月26日 竹沼ダム
 
竹沼ダムは左岸が群馬県藤岡市緑埜、右岸が同市西平井の利根川水系鮎川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
群馬県南西部の鏑川流域では農地は段丘中高位に分布しており水利に乏しく大半の営農は零細な畑作に留まっていました。
1959年(昭和34年)に農林省(現農水省)による国営鏑川農業水利事業が着手され、鏑川右支流南牧川で水利権を確保するとともに灌漑設備の整備が進められ、その中核施設の一つとして1965年(昭和40年)に建設されたのが竹沼ダムです。
農業水利事業全体も1970年(昭和45年)に竣工し、鏑川用水と呼ばれる水路網を通じ鏑川流域3市2町にまたがる約2600ヘクタール(現在は宅地化の進展などにより約1400ヘクタール)の田畑への用水補給が開始されました。
管理は併せて建設された南牧頭首工、
大塩ダムなどとともに鏑川土地改良区が受託しています。
自己流域はわずかで貯水容量の大半は南牧頭首工からの導水に依るため、ダム便覧での河川名は南牧川となっています。

竹沼ダムは無料で釣りができるため人気の釣りスポットになっているほか、ボートや花見、ウォーキングなど近隣住民の憩いの場となっています。
アクセスはダムの北にある藤岡ゴルフコースが目印になります。
下流から
規模の大きな土地改良区が管理しているためか?堤体はきれいに草が刈られています
 
天端は車両通行可能
天端の車は釣り客のものです。
桜が多く、満開のころにはかなりの人出があるようです。
 
上流面はコンクリートで護岸。
堤体は釣り禁止エリアですが、釣り師は無法者が多い。
 
天端から。
 
ダム湖(竹沼湖)は総貯水容量103万4000立米と関東の溜池としては結構なサイズ。容量の大半は南牧川からの導水に依ります。
竹沼湖を周回するように遊歩道が整備されウォーキングをを楽しむ人が結構いました。
またダム周辺は関東では珍しい自然林になっており、新緑や紅葉の時期は素晴らしい景色を楽しめるでしょう。
 
斜樋機械室
カニやキツツキ、雁の絵が描かれています。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
市街地に近いダムですが自然が豊かで里山を満喫できるダムです。

0611 竹沼ダム(0271)
ため池データベース 102090007
左岸 群馬県藤岡市緑埜
右岸     同市西平井
利根川水系南牧川
27.4メートル
215メートル
1034千㎥/973千㎥
鏑川土地改良区
1965年

鳴沢ダム

2016-03-29 12:00:00 | 群馬県
2016年3月26日 鳴沢ダム
 
鳴沢ダムは榛名山南東山麓の高崎市箕郷にある灌漑用アースダムで、1949年(昭和24年)に群馬県の事業で建設され群馬中部土地改良区が管理を行っています。
自己流域のほか群馬用水からの補給を受けています。
ダム湖である鳴沢湖はワカサギ釣りの有名なスポットで、県道137号線に鳴沢湖の標識があり湖畔に立派な駐車場が整備されています。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
ダム湖の鳴沢湖はワカサギの管理釣り場になっていますが、すでに釣りシーズンは終了しひっそりしています。
 
天端は市道が通っています。
赤城連山が一望できます。
 
鳴沢湖越しに榛名山が見えます。
 
下流は田畑が続きます。
 
ダム湖左岸は湖岸に沿うように立派な日本家屋が続いています。
右手に洪水吐、左に取水設備があります。
 
取水設備の機械室。
 
洪水吐。
住宅側は石積みになっているのが特徴。
 
管理釣り場になっていたり、住宅地に近接していることもあるのでしょうが、アースダムとしては非常に綺麗に整備されています。
赤城山や榛名山の眺めもよく好感が持てるロケーションです。
とくに石積みの洪水吐の造りが隣接する日本家屋とも相まって上品な雰囲気を醸し出しています。

0599 鳴沢ダム(0270)
ため池データベース 102020031
群馬県高崎市箕郷町富岡
利根川水系榛名白川
21メートル
313.2メートル
1283千㎥/1100千㎥
群馬中部土地改良区
1949年

茂沢ダム

2016-03-29 09:00:00 | 群馬県
2016年3月26日 茂沢ダム
 
茂沢(もざわ)ダムは左岸が群馬県渋川市行幸田、右岸が同市有馬の利根川水系茂沢川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
1977年(昭和52年)に農水省の補助を受けた群馬県の農地防災事業によって建設され、運用開始後は渋川市が管理を受託しまいます。
 
渋川警察署から市道を西進し、住宅街を抜けると茂沢ダムが見えてきます。
下流面はきれいに刈り払われています。
 
天端は轍がありますが車両は進入禁止です。
 
上流面はロック材で護岸。
総貯水容量17万3000立米、有効貯水容量14万7000立米となっており、堆砂容量および死水容量分2万6000立米が貯水されています。
 
左岸の洪水吐。
 
天端から
ダムの直下に住宅があります。
気分的にはあんまり住みたくない…
 
ダム湖の奥には榛名連山の水沢山の尖峰が見えます。
 
右岸の斜樋
これが常用洪水吐となり、平時は流入量をそのまま流下させます。
ラッパのようなものはゲートの空気抜きです。
 
(追記)
茂沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0620 茂沢ダム(0269)
ため池データベース 102080030
左岸 群馬県渋川市行幸田
右岸       有馬
利根川水系茂沢川
24.7メートル
134.6メートル
173千㎥/147千㎥
渋川市観光産業部
1977年
◎治水協定が締結されたダム