時の流れの中に!

少子高齢化の中で高齢者はどう生きて行けば良いのか。

日常

2019-04-04 10:40:29 | 日記
学校も春休みになったある日の午後三時頃、駅に向かう途中で小学低学年らしき少女が自転車を支え困ったような顔をして立ち尽くしていた。事情を聞こうかと思ったが、最近の子供たちは知らない人に声を掛けられたら相手にしないように、それでも話しかけられてきたら防犯ブザーを鳴らすように教えられていると聞いたことがある。どうするかと迷ったが自転車を見るとチェーンが外れている。困っているのにこのまま見過ごすことができない。少女の前に立ち止まり「チェーンが外れているね、直してあげると」自転車の前にしゃがんだ。自転車を見ると外れたチェーンがギアと車体の間に挟まっている。これは手が汚れるなぁと頭に浮かんだ、その時に近づいてきた高齢の男性が「どうした!」と声を掛けてきた。私が「チェーンが外れたみたいです」と応えたら、自転車をじっと見つめて「手伝ってやりたいが、電車の時間がない」と言って立ち去っていった。「電車なんてすぐ来るだろう、手伝う気がないなら声を掛けるな!ボケ!」と前に少女が居るので声を出さずに呟いた。しかしこれが現代では普通なのかとも考えた。だが直せなかったらどうするか?とも頭に浮かんだ。ポイントはギアと車体の間に食い込んでいるチェーンが外せれるかどうか。意を決してチェーンを握って引っ張ってみたが外れない、次は左手で自転車を押えて右手でもう一度チェーンを握って力を込めて引っ張るとチェーンが外れた。食い込んだチェーンが外れるとあとはギアにチェーンをはめるだけでこれは簡単にできた。直した自転車を指差して少女に「チェーンが緩んでいるので自転車屋さんに持っていって直してもらい」と声を掛けてから駅に向かった。歩きながら考えた、まだ腕力はあるようだがこれから年と共に体力は落ちていく、数年後に同じ状況に出会ったらどうすれば良いのだろうかと考えた。①見て見ぬふりをして通り過ぎる②自転車屋さんまで自転車を持って行ってやる③今回と同じようにできる限りやってみる 最近はビンの蓋を開けるのにも苦労している。確実に体力は落ちているので数年先では②③は無理のような気がする。それでは①しかないのだろうか!先の事を考えるとネガティブな考えしか浮かんでこない。高齢者には明るい未来はないのだろうか!それと共に考えたのは、少女が家に帰って母親にことの顛末を報告するだろう「チェーンが外れて知らないおじいさんに直してもらった」その時に母親は「どこの人、ちゃんとお礼を言った」それとも「知らない人に頼んでは駄目でしょう、なぜお母さんに連絡しなかったの!」と言うのだろうか!社会常識は判っているつもりだが、現在の社会ルールは判らないことが多い。知り合いの一人暮らしのHさん、脳梗塞の後遺症で身体の左側が不自由で、歩くときも杖がなければ苦労している。このあいだスーパーに行った帰り道で、中学生ぐらいの女子学生が追い抜いていった。数m先で立ち止まり、忘れ物をしたかのように引き返して通り過ぎた。しばらく歩いていると後ろから「荷物をお持ちしましょうか」と声が聞こえる。振り向くとその女子学生が立っていた。後ろで荷物を持ってやるかどうか考えていたのだろう。右手に杖を持ち、不自由な左手を前にして腕に買った物が入ったレジ袋を掛けるようにして、トボトボと歩く姿を見て、意を決して声を掛けたのだろう。「ありがとう」と言って袋を渡しアパートの前まで持って来てくれたとHさんが嬉しそうに話した。これからも年寄りと子供たちが助け合う世の中になって欲しい。
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